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27 諸々の報告だとか 2
しおりを挟むサロンをあとにし、簡易だがよそ行きの服に急いで着替えて執務室に向かうと、三人ともすでにソファで寛いでいた。
「遅くなりました」
「全然大丈夫だよー」
「急に訪ねたこちらが悪いんだから気にしないで」
「逢いたかった、セラ!」
そそくさとアディスの隣に座ると、アディスはそう言ってにっこり笑って、エヴァルドは美人さんな微笑みで応えた。
最後のアルヴァだけおかしいな。昨日の昼まで一緒にいただろ。
「仕事の話しに来たんじゃないの?」
狭いのにこっちに移動してきて引っ付く暑苦しいアルヴァを両手でぐいぐい押すが離れない。ちくしょう、バカ力め!
「そんなに照れることないだろう? 俺達の仲なんだし」
「そうじゃない! 暑苦しい、落ち着け! そして向こうに戻れ!」
「いやあ、懐かしいな。私達も新婚のときはああだったね」
「私達じゃなくて貴方だけでしょ」
俺達の攻防を見てエヴァルドがのほほんと笑っている。アルヴァのいた場所──エヴァルドの隣にアディスが移動しながらそれにツッコみを入れていた。
「まあ、アルヴァはほっといて、用件は?」
結局俺の腰を抱き寄せた状態で落ち着いたアルヴァに苦笑しながら、アディスはエヴァルドに問いかけた。
「はいはい。アレらの処罰の内容が決まったからその報告ね」
「やっとと言えばいいのか早いと言えばいいのか・・・・・・」
「早いほうでしょう。すでに予定調和だったんだと思うよ」
やっぱりその件だったか。
アディスは微妙な顔で呟き、エヴァルドは納得という顔だった。
「まあ、二年も前からだったし、どう転ぼうとすでに結末は決まってたってことだな。今更足掻こうと、罪状が増えるだけだし」
アディスも別にいっかー、と続きを促した。
「まず第二王子。すでに廃嫡されて王族の籍を抜かれている。まあ平民の身分になったわけだ」
「今までの所業からしたら当然だな」
アディスはうんうんと頷いている。俺への求婚くらいじゃそこまではいかないだろうが、暗殺未遂とか、他にも俺が知らないだけでいっぱい悪いことしてたのかな?
「だがこのまま市井に放逐しても何かやらかすかもしれないので無期限で深淵の森の結界のそばにある砦に放り込むことになった」
「へー、意外。市井で野垂れ死ぬのを待つもんだと思ってた」
アディス、ずいぶん辛辣な言葉を吐くねー。よほど腹に据えかねていたようだな。
「ただ野垂れ死にさせるよりも、あそこで飼い殺ししたほうがいいという上層部の判断だね」
「ちなみにロステム侯爵家は爵位を取り上げられて全員平民堕ち。元第二王子と同じく砦に追いやられる」
エヴァルドの言葉に追従してアルヴァがそう言った。
「他の第二王子派だった貴族も、どうやら裏切らないように血判状に連帯責任を負うということが書かれていたようで、それなら全員仲良く同じ刑罰でいいだろうってなって」
エヴァルドが和やかに笑って言うが、いやいや内容は笑えないよね? 血判状あったの!? こわっ!?
「全員、アディスの改良した首枷の魔導具から強制的に結界への魔力供給が決定した」
「ああ、アレかー。うんうん。もちろん個々の魔力量で枯渇にならないように調整出来るから安心して!」
アディスがハッとしてからニコニコでそう言った。
いやいやアディスさん、全く安心できないって!
そもそも枯渇にならずとも、ある程度の魔力消費で身体が重怠くなったり頭痛がしたり、寒気や逆に火照りなんかもあって、個人差だけど常時その状態になってたらめっさ辛いよ!?
「ウチのセラータや私やドーン家にもアレだけのことをしてたんだから、当然の報いだよセラ」
「・・・・・・うん」
凄い圧のかかった笑顔でそう言われたら『うん』以外に何を言えと!?
俺は口元を引き攣らせてそう言うしかなかった。
「「「アレらに慈悲は要らない」」」
壁になっていたサイモンもうんうんと頷いていた。
───うん、二度と顔を見なくていいなら、それでいいんだ。
結局俺は、大切な人達に害が及ばなければなんだっていい、そういう人間だから。
※懐に入れた人達以外にはサバサバと冷たいセラです。魔導師団員や騎士団員は身内枠で大切な人達ですよ。
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