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連載
463 影達の暗躍とかノアズアーク隊とか 3(sideチャリオン)
しおりを挟む---アガット先輩のお祖父さんからの情報は凄かった。
僕は山猫獣人のチャリオン。
獣人国王都の冒険者ギルド職員の一人。
そして『ノアズアーク隊』の隊員の一人でもある。
同じ隊員で先輩職員である小熊獣人のベアトさんと一緒に王都の薬師ギルドの調査をしているところだった。
と言ってもベアト先輩はおっとりしてるし薬草には詳しくないので、ギルドにある資料の確認が主だったけど。
僕はそれとなく薬師ギルドの薬師さん達に話を窺ってみるが、コレが不自然にならない程度に聞くのが難しい。
最初は皆さん、さすが薬師といえる知識でポンポン応えてくれたけど、希少な薬草の採取場所とかは割と秘匿する方が多くて情報が集まらない。
逆に何故という感じで警戒されてしまった。
だから半分は本気で半分は理由付けで、僕はこの日通された薬師ギルドの個室で顔馴染みの薬師さんにこう言ったんだ。
「仕事に必要なのでもっと薬草や生育場所に詳しくなりたいんです! こっそり採りに行こうとか思ってません! もし行くなら貴方と一緒に行きますよ!」
そう鼻息荒くフンスッという感じで握り拳を作った。
それに薬師さんが細い目を瞠ってぱちくり。
え、なんかカワイイ。
そんなに驚くこと?
そんな事を思っていると。
「そういえば君は冒険者ギルドで主に薬草関係の受付をしてたっけ。そっか、仕事熱心だね。うーん・・・・・・。じゃあ俺と約束してくれる? もし確認なんかで採取場所に行くときは俺も同行するから、ちゃんと教えて。俺だけだよ? 良い?」
「え、良いんですか? もちろんです! ありがとうございます!」
そう言ってくれたので僕はいそいそと連絡先を交換した。
相手の薬師さんは三〇歳になったばかりという、白くて艶のある長い髪を後ろで三つ編みにしている蛇獣人のカガシさん。
僕は来週二〇歳になるから一〇歳年上の大人の人だ。
開いてるのかよく分からない糸目が優しそうに弧を描いている。
いつもほとんど閉じてるように見えるから瞳の色は分からなかったけど、さっきチラッと見えた瞳はルビーのように紅く見えた。
僕はまだまだ新米なので、よく分からない薬草を見つけるたびに薬師ギルドに行っては教えて貰っていたんだけど、その時は何故かいつもカガシさんだった。
初めて会ったときからずっと、優しい人だ。
「僕、基本的にお休みが水曜日と日曜日なんですけど、カガシさんは?」
「僕は一応土日が休みだけど、シフトをずらせば何時でも休めるからチャリオンに合わせるよ。だから早めに連絡ちょうだいね」
「分かりました。じゃあ今日はこれで失礼します」
そう言ってカガシさんにお辞儀をしてほくほく顔で個室を後にした。
扉を閉めたあと、カガシさんが意味深に笑っていることは気付かずに・・・・・・。
「・・・・・・カワイイなあ。美味しそう・・・・・・」
それから一週間後、ちょうど日曜日が予定通りお休みだったのでカガシさんに連絡を取った。
するとカガシさんも通常通り休みで古の森の浅いところに薬草採取に行くから一緒に行こうと誘われた。
「はい! よろしくお願いします!」
もちろん僕は二つ返事で了承した。
その日は待ち合わせ場所や時間、持ち物など細かい打ち合わせをして終わった。
「・・・・・・チャリオン、一人で大丈夫ぅ?」
僕はお出かけが決まってからベアト先輩にもその話をしていて、約束の日の前日にベアト先輩が心配そうにそう聞いてきたから、僕は笑って応えた。
「うん、カガシさんはああ見えても戦闘力に自信があるんだって。だから護衛は要らないんだってさ。そういえば着痩せするタイプだって言ってたなあ」
「・・・・・・そう言う意味じゃ無いんだけどぉ」
カガシさんの体格を思い出して色々想像していた僕に心配そうなベアト先輩の言葉は良く聞こえなかった。
そして迎えた薬草採取の日。
カガシさんは日がまだ昇りきらない朝早く、冒険者ギルド職員専用宿舎の僕の部屋まで迎えに来てくれた。
「チャリオン、おはよう」
「おはようございます、カガシさん。朝早いのにすみません」
「気にしないで。寧ろこんな時間でごめんね。君一人で外出するにはちょっと心配な時間だから俺が護衛代わりね」
時間的にまだ寝てる人も多いから、囁くように耳元でそう言うカガシさんにドキリとして顔が赤らむ。
無駄に良い声なんだよね、カガシさん。
分かって無いのかわざとなのか、分かんないや。
「いえ、あの、じゃあ行きましょう!」
僕は誤魔化すように小声で早口にそう言うと、先に階段に向かった。
「---かぁわいぃー」
舌舐めずりをするカガシさんには、やはり気付かずに・・・・・・。
※しまった。一話で終わらないうえにフラグ立てちまった。
次もチャリオンで行きます。
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