384 / 624
連載
447 ウロボロスは憂う
しおりを挟むエレン達が古の森でノア達とメーレ王妃の介護を始めた頃。
アインの街の冒険者ギルドのギルドマスターであるウロボロスは、たった今、自分の執務室で魔人国にいるギギルル兄弟から通信を受けていた。
「---この間は助かった。ありがとう。しかしどうしたんだ? まさかポーションの件で何か不都合が?」
『ああいや、ソレは問題ない。アークにも好きにしていいと言われたからな』
---ということは、アレからアルカンシエル殿に会ったということか?
ノア殿には会わなかったのだろうか。
「それなら良いが。アルカンシエル殿に会ったということは、何か獣人国の事で詳しい話を聞いているか?」
今ウロボロスの得ている情報は、ノアズアーク隊から入ってくるモノと領主でありメーレ王妃の息子であるフィフスからのモノだ。
そして今現在、そのフィフスはかなり憔悴していた。
何故なら、母親であるメーレ王妃の行方が分からなくなっているからだ。
ギギ達から譲り受けたポーションをフィフスに渡したときは思わず涙を溢して喜んでいた。
鑑定をして間違いなくノア殿の錬金術で錬成されたモノと確認が取れて、一刻も早く届けたいと転移の魔導具で城へと転移し、結果オーライとなった後・・・・・・。
暫くしてフィフスに、メーレ王妃が攫われたと極秘に連絡が入ったのだ。
フィフスは愕然として、盟友であるウロボロスに真っ先に相談してきた。
ウロボロスはノアズアーク隊から情報を探り、事の次第を知ることになる。
「獣人国がノア殿を招喚しようと使者を送り、結果、ノア殿以下関係者を怒らせてしまったそうです」
「は?」
「その後、ノア殿が獣人国に殴り込みに行ってメーレ王妃を攫って消えてしまったんです」
「・・・・・・どこに?」
「それが分かりません」
「・・・・・・」
どうやら恥知らずにも獅子王はノア殿を獣人国に囲い込もうとしたらしい。
しかし送った使者が連れて行った次男がやらかしたせいで逆に怒らせて御破算となり・・・・・・。
その後、メーレ王妃の病状を知ったノア殿が問答無用で王宮に侵入し王妃を攫っていったと。
「・・・・・・殴り込みは大袈裟・・・・・・でも無いのか? 有り得るな、ノア殿やアーク殿ならば」
「陛下は、一体何を考えておられたのか・・・・・・宰相達も、何故お止めしなかったのか・・・・・・」
フィフスは真っ青な顔で頭を抱えて項垂れている。
ウロボロスはかける言葉が見つからなかった。
---ただ・・・・・・。
「攫っていったのがノア殿ならば、王妃殿下はきっと大丈夫だ」
「・・・・・・だと思いたい」
ウロボロスの言葉に力無く呟くフィフスだった。
そんな事になって一週間は過ぎただろうか。
ソコに来てギギ達からの通信に思わず期待してしまうのは仕方がないだろう。
「知っているかもしれないが、メーレ王妃は今・・・・・・」
『あー、うん。いないんだろう? 知ってる』
『ノアが攫っちゃったんだって? ホントにもう、ノアらしいっていうか・・・・・・』
通信魔導具から何とも言えない声音で話すギギルル兄弟にもしやと思っていると。
『今日連絡したのはその事だ。アークから言伝だよ。メーレ王妃は古の森で静養中だと』
『命に別状は無いらしい。ただノアが一人で介護してて大変だから人手が欲しいって来てね。その時に言われた』
『ほら、ソコの領主様が王妃の息子って言ってたじゃん? だからアークが気を利かせて教えてくれたんだ』
ギギとルルが代わる代わるそう教えてくれた。
ソレを聞いてホッと胸を撫で下ろすウロボロス。
「---恩に着る。必ず伝えよう。ありがとう、二人とも」
『良いって。その領主様、フィフス王子だっけ? 獣人国の王様がどうにもポンコツらしくて大変だな』
『ウロボロスがちゃんと支えてあげなよ。年の功で!』
「---煩い。さほどお前らと変わらんだろうが!」
『『はっはっは! じゃあまたな』』
「ああ」
最後は相変わらずの口調で笑っていったギギルル兄弟に感謝して、フィフスに連絡を入れた。
「---ああ、俺だ、ウルスだ。メーレ王妃の件だが・・・・・・」
早速伝えると、魔導具越しに堪えたような声で返事があった。
『---ありがとう、ウルス』
---良かった。
鼻声でそう呟くフィフスにほっこりするウロボロス。
この気持ちがなんなのか、今は分からなくても良い・・・・・・そう思いながら。
※遅くなりました。
ちょっと色々作業が入って手が空かなくなるかもしれません。
投稿頻度が落ちるかもですが、お待ち下さいませ。
454
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
植物チートを持つ俺は王子に捨てられたけど、実は食いしん坊な氷の公爵様に拾われ、胃袋を掴んでとことん溺愛されています
水凪しおん
BL
日本の社畜だった俺、ミナトは過労死した末に異世界の貧乏男爵家の三男に転生した。しかも、なぜか傲慢な第二王子エリアスの婚約者にされてしまう。
「地味で男のくせに可愛らしいだけの役立たず」
王子からそう蔑まれ、冷遇される日々にうんざりした俺は、前世の知識とチート能力【植物育成】を使い、実家の領地を豊かにすることだけを生きがいにしていた。
そんなある日、王宮の夜会で王子から公衆の面前で婚約破棄を叩きつけられる。
絶望する俺の前に現れたのは、この国で最も恐れられる『氷の公爵』アレクシス・フォン・ヴァインベルク。
「王子がご不要というのなら、その方を私が貰い受けよう」
冷たく、しかし力強い声。気づけば俺は、彼の腕の中にいた。
連れてこられた公爵邸での生活は、噂とは大違いの甘すぎる日々の始まりだった。
俺の作る料理を「世界一美味い」と幸せそうに食べ、俺の能力を「素晴らしい」と褒めてくれ、「可愛い、愛らしい」と頭を撫でてくれる公爵様。
彼の不器用だけど真っ直ぐな愛情に、俺の心は次第に絆されていく。
これは、婚約破棄から始まった、不遇な俺が世界一の幸せを手に入れるまでの物語。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
婚約破棄で追放された悪役令息の俺、実はオメガだと隠していたら辺境で出会った無骨な傭兵が隣国の皇太子で運命の番でした
水凪しおん
BL
「今この時をもって、貴様との婚約を破棄する!」
公爵令息レオンは、王子アルベルトとその寵愛する聖女リリアによって、身に覚えのない罪で断罪され、全てを奪われた。
婚約、地位、家族からの愛――そして、痩せ衰えた最果ての辺境地へと追放される。
しかし、それは新たな人生の始まりだった。
前世の知識というチート能力を秘めたレオンは、絶望の地を希望の楽園へと変えていく。
そんな彼の前に現れたのは、ミステリアスな傭兵カイ。
共に困難を乗り越えるうち、二人の間には強い絆が芽生え始める。
だがレオンには、誰にも言えない秘密があった。
彼は、この世界で蔑まれる存在――「オメガ」なのだ。
一方、レオンを追放した王国は、彼の不在によって崩壊の一途を辿っていた。
これは、どん底から這い上がる悪役令息が、運命の番と出会い、真実の愛と幸福を手に入れるまでの物語。
痛快な逆転劇と、とろけるほど甘い溺愛が織りなす、異世界やり直しロマンス!
【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。