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連載
420 ルドヴィカのどうしても出歯亀したい衝動(sideルドヴィカ)
しおりを挟むその日、ルドヴィカは打ちひしがれた。
何故なら陛下の側近のリュウギに、獣人国との対談の場の出席を拒否されたからである。
いや、リュウギのみならずその場にいた全員に参加を拒否された。
何でだ?!
そりゃあ俺はおちゃらけてる自覚があるよ?
でも対応の協議の場に呼んでおいて(ついでとか言われたけど!)いざ当日に呼ばれないって酷くない?!
「クッソ、絶対に出てやる!」
「・・・どうでも良いですけど、ちゃんと団長としての仕事をして下さいよ」
呆れたようにそう言う副団長。
ここは魔法騎士団の団長室だ。
ノアちゃん達の謁見とその後の協議で時間を取られたため、書類仕事が溜まってしまっていたので、副団長と目下、処理中なのだ。
「残業はあまりやりたくないんですからね」
ムスッとして不機嫌さを隠しもしない副団長・・・ヤト・シンロンがそう宣った。
「わーるかったよ。楽しくてつい」
「そう思うならちゃっちゃとやって下さいよ。ちゃんとやれば団長ならサッサと終わるでしょう?」
「ぅへーい・・・」
そんな会話をしながらも手元は書類を確認して捌いていく。
みるみる紙の山が消えていった。
「よっしゃ、終わり!!」
「---はい、ご苦労様でした。何とか就業時間内に終わって良かったです。では私はコレを事務局に持って行きながら帰ります。団長も部屋を出て下さい。施錠しますので」
「おう、頼むな」
「お疲れ様でした」
ルドヴィカがぐっと背筋を伸ばしながら団長室を出るとヤトがドアを施錠する。
その場で別れたルドヴィカはある場所に向かった。
「おー、コレコレ!!」
ルドヴィカが向かった先は、近衛騎士の制服の予備が置いてある倉庫。
制服は近衛騎士達に限らず、全て騎士に合わせてフルオーダーなのだが、不測の事態に備えてある程度のサイズの制服を既成して置いてあるのだ。
(例えば戦闘で破れたとか、近衛騎士でも護衛任務中に破損することもあるため)
「ここの在庫でちょうど良さそうなサイズを・・・っと。おお、コレいーじゃん」
そうして自身にあてがうと、ほぼジャストフィットする制服があった。
ソレをマジックバッグにこっそり仕舞うと倉庫をあとにした。
「ふっふっふ、これで紛れ込んじゃえばコッチのもの」
俺が抵抗すればそれなりに被害が出るから、強制的な排除にはならないはず。
そうなればただ立ってるだけでも面白いモノが見られるって訳だ。
「そうなったら後でアークにも教えてやろう」
一人、くふふと笑いながら廊下を歩くルドヴィカだった。
そして翌日。
午前中は珍しくルドヴィカも黙々と書類を捌いていて、副団長であるヤトは油断していた。
昼休憩時間になり、ルドヴィカに声をかけたヤトは、先に行って食べていてくれと言われてその通りに食堂へ向かった。
しかし食べ終わる頃になってもルドヴィカは食堂へ来ない。
心配になって団長室に向かうと、もぬけの殻だった。
「---ルドヴィカ団長?!」
ヤトが気づいたときにはすでにルドヴィカは近衛騎士の制服を着て、他の護衛に紛れてそそくさと竜王陛下のいる応接室に待機していたのだった。
当然他の護衛の近衛騎士達も戸惑っていたが、あまりにも堂々としていたモノだから竜王陛下が指摘するまで違和感をそのままにしていたのである。
結果、屁理屈で見事に参加?をもぎ取ったルドヴィカは真面目な表情の裏で勝鬨を上げていた。
そして冒頭からいきなり拒絶をかましたクリカラに、『コレは絶対、面白くなるぞ!!』と笑い出しそうになるのを必死で堪えるのだった。
※スミマセン。どうでも良いルドヴィカ視点でした。皆様、何処から制服が?と結構気になっていたようなので。大したことはやってません。
中身はアホらしいですが、楽しかったので良いんです。
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