迷い子の月下美人

エウラ

文字の大きさ
上 下
316 / 538

312 その頃のヴァルハラ大公家 2(魔人国滞在中)

しおりを挟む
※読まなくても話は分かります。大公家の残った奥さんと兄二人の様子です。すみません、めちゃくちゃ短いです。





無事にノアが救出されて、ウラノスが竜王陛下達と魔人国に滞在中のとある日。

協議会は無事に済んで、今日は『箱庭の迷宮』に観光だという連絡が来た。

「・・・・・・何なの、迷宮に観光って?」
「どうやら駄々を捏ねた陛下の為に、冒険者であるレオニード様達を護衛という建前で依頼して潜るらしいよ?」
「自由すぎ、陛下!」

留守番中のアンジェリクや兄二人がお茶を飲みながら報告を聞いていた。

「良いなあ、俺達も観光したーい!」
「ていうかノアちゃんとアーク連れて遊びに行きたーい!」
「同感---!」
「はいはい、ウラノス様がいない分、頑張って仕事を熟して下さいませ」

執事長のアヴィールが有無を言わせない圧をかけてきて、仕方なく皆それぞれ仕事に戻る。



それから夜になり、再び入った連絡にまた皆が大騒ぎ。

「迷宮でノアちゃん、八つ当たりの戦闘したんだって!」
「めちゃくちゃ暴れたらしいよ」
「竜王陛下達も引いてたらしいね」
「・・・・・・精霊王様が喚ばれてないのに来たらしい」
「ああ、うん。聞くところによるとあの方も大概自由人らしいね・・・」

はあ、と溜息を吐く三人。

「暫く本人ノアちゃんに会ってないから寂しいね・・・」
「父上が帰国するときに一緒に帰ってくるかな?」
「どうやら精霊王様に纏めて転移して貰うことになったようですが」
「は?!」
「ナニソレ、そんなの出来るの?!」

皆して騒いでいるとアヴィールがなんでもないようにサラッと言った。

「精霊王様ですから」

ソレで片付けるのもどうかと思うが・・・そっか、まあ良いか。

「ソレで早く会えるなら良いよね!」
「うんうん!」
「楽しみ!!」

邸中の使用人達もそわそわ。

「その為にも出来る仕事をサッサと終わらせて、帰って来た後にたくさん遊べるように時間を作らねば!」
「「お---っ!!」」
「やる気が出たようで良かったですな」

アヴィールに若干嵌められた気もしないでも無いが、三人は次の日も精力的に仕事を熟し、見事に時間の確保をしたのだった。

「何時もこうだと助かるのですがねえ・・・」

苦笑する執事長だった。








しおりを挟む
感想 1,191

あなたにおすすめの小説

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

誰よりも愛してるあなたのために

R(アール)
BL
公爵家の3男であるフィルは体にある痣のせいで生まれたときから家族に疎まれていた…。  ある日突然そんなフィルに騎士副団長ギルとの結婚話が舞い込む。 前に一度だけ会ったことがあり、彼だけが自分に優しくしてくれた。そのためフィルは嬉しく思っていた。 だが、彼との結婚生活初日に言われてしまったのだ。 「君と結婚したのは断れなかったからだ。好きにしていろ。俺には構うな」   それでも彼から愛される日を夢見ていたが、最後には殺害されてしまう。しかし、起きたら時間が巻き戻っていた!  すれ違いBLです。 初めて話を書くので、至らない点もあるとは思いますがよろしくお願いします。 (誤字脱字や話にズレがあってもまあ初心者だからなと温かい目で見ていただけると助かります)

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

公爵家の五男坊はあきらめない

三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。 生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。 冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。 負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。 「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」 都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。 知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。 生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。 あきらめたら待つのは死のみ。

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

将軍の宝玉

なか
BL
国内外に怖れられる将軍が、いよいよ結婚するらしい。 強面の不器用将軍と箱入り息子の結婚生活のはじまり。 一部修正再アップになります

処理中です...