拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

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164 新しい手紙(愛)のかたち

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雪に足止めされた次の日。
未だ降り積もる雪のせいで、今日もテントの中だ。

---はあぁ・・・・・・。

アークは深い溜息を吐いた。

リビングのテーブルの上を見る。
ノーザンクロスを出るときに送った手紙の返信が来たのだが・・・。
案の定、規定ぎりぎりの量で送られてきた手紙を前に再び溜息を吐く。

「・・・・・・凄い量だね。アークのお父さん達?」
「うわあ・・・・・・引くわ。その量は引くわぁ・・・」
「俺達でも引く・・・。読めないわ、そんな量」
『・・・・・・相変わらずだな』
「・・・ッチ、だからイヤだったんだ・・・」

三者三様・・・四者四様?の反応がこれだ。

「でも、これって御家族からアークへの愛情表現なんだよね?」
「そうだけど・・・そうなんだけど・・・!! 毎回この量が20年も続くとな・・・?! 分かるか、俺の気持ち!!」

---読むだけで一晩経っちまうわ!

頭を抱えるアークに憐憫と同情の視線が向けられる。

「大体書いてることが被ってるんだよ。4人いたらそりゃあ被るだろう?! なのに4人ともバラバラにしたためて同じような量を送るんだ。どうしてまとめて一つに出来ないんだ、うちの家族は・・・・・・!!」

・・・・・・ごもっともな意見。
でも律儀に全部目を通すんだろうな、ああ言ってても。

「---あ、じゃあさ、記録媒体使えばいいんじゃない?」
「---は?」
「何も紙を媒体にする必要は無いでしょ? そりゃあ、貴族や商人やお役所仕事は紙が大事だろうけど、家族間のやり取りなら記録媒体で映像を再現した方が親しみが持てるよね?」

姿も確認できるし。

「---その手があったか!!」

ハッとして叫ぶアーク。
しかしギギルル兄弟が問題点を指摘する。

「え、でも記録媒体も高価だし、あれは改ざんも出来ないからコスパが・・・」
「そうだぞ、ノア。さすがに無理だろう」
「んー・・・・・・イケると思う・・・ちょっと考えてみるね。あ、俺のことは放っといて良いから、お茶でも飲んでて」

そう言ってノアは錬金術用の部屋に入っていった。
こうなると自分の世界に入ってしまうので、キリのいいところまでは出て来なくなる。
適当に声をかけることにして、ギギ達とお茶を飲みながら手紙を取って読み始めた。


『拝啓

雪が降り積もる季節になったが、そちらはどうかな?
こちらは新年の挨拶を終えてひと息ついていたところだ。
番いのノア殿はお元気かな?』

・・・という軽い挨拶から始まって、近況報告、コッチを心配する言葉を延々と・・・・・・。

ザッと目を通すと他の三通も同じような内容だった。

---後でじっくり読むか。

そろそろ二時間ほど経つ。
ノアに声をかけないと、何時までも籠もってるからな。


「ノア、大丈夫か?」

錬金術の作業部屋をノックして声をかける。
・・・・・・が、返事がない。

扉に手をかけると、普通に開いた。

「・・・ノア?」
「・・・・・・あ、アーク、アレ? え、こんな時間・・・・・・!! ごめん」
「いや、構わないが。そっちこそ大丈夫か?」

アークに気付いたノアがわたわたと周りの物を片付けた。
片付けたというか、インベントリにしまった。

「ぅ、うん。問題ないよ。ちょっと色々他のこともやり出しちゃって、止まんなくなっちゃった」

えへへ、と笑うノアにホッと一安心する。

「ほどほどにな。・・・で、手紙の件は捗ったのか?」
「あ、うん、まあアークの家の分だけなら。たぶん他もっていうのは無理かなあ。コストがかかるから、アークの家限定にするよ」

・・・原材料費がかなり高いらしい。

記録媒体の応用で、改ざん不可の魔法陣を書き換える事自体は(ノアには)容易だが、それを書き換える為の魔導具を作るのに必要な素材が高価で稀少だとか。

そもそも記録媒体自体がかなりの値段だ。

「あと改ざんは違法にあたるから、ヴァルハラ家とアークの手紙限定で書き換え出来るように制約を付けて、一応、ワンセットは作れた。でも量産は無理。制約も結構面倒なので。だからヴァルハラ大公家とアークのところに置くだけしか出来ないけど良いよね?」
「十分だ。凄いな! ありがとう、ノア」

思わず抱きしめて口付けをする。

「えへへ、アークの為なら幾らでも・・・!」

そう言ってノアも抱きしめ返した。


コレが近い将来、映像のやり取りだけでなく、直接映像を映してリアルタイムで会話が出来るまでになるとは、この時のアークは夢にも思わなかったのだった。





※ちょっと浮気?して、もう少し先の話を書き溜めているので、現在進行中の話の更新が遅れるかもしれません。
ふ、筆が乗っているうちに、忘れないうちに書き上げないと・・・!と、言い訳してます、スミマセン!



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