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165 早速使ってみた
しおりを挟むあのあと、出来上がったという記録媒体の手紙魔導具?を、ノアの仕様書を付けてヴァルハラ家に携帯手紙魔導具で送った。
アークのお父さんに内容をチェックして貰って、竜王陛下に許可を貰えたらヴァルハラ家限定で使ってもいいらしい。
確かに記録媒体の改ざんが出来るモノだからね、用心深くなるよね、うん。
確認が終わって返事が届くまではまだまだかかるだろうということで、気分転換に夕御飯の支度をする。
お昼?
お昼ご飯はアークが手持ちの料理を出してすませたそう。
「ご飯抜きはノアだけだよ」
呆れたようにルルに言われた。
・・・スミマセン。
相変わらず雪は降り続いていて、ギギ達もノア達のテントに泊まったままだ。
「ところで気になってんだけどさ、あの量の手紙、何処に保管してんの?」
ギギに聞かれて、アークが、ああ・・・と宝石箱みたいなマジックボックスを出した。
「最初に貰った手紙と一緒にコレが付いてて。コレに入れとけって事だと思って手紙だけはコッチに入れてる。・・・・・・量が半端ないんで。捨てられないしな・・・。でもこれも量の制限がそろそろヤベえ」
「---ああ、うん。そうだよな、アレを20年分・・・量が怖え・・・」
確かに大切なモノだ。
処分するには忍びない。
「ノアの魔導具で減ると良いな」
「・・・全くだ」
はあ、と小さく溜息を吐く。
「夕御飯出来たよ---!」
「「やった!!」」
「今行く」
『待ってました!』
ノアの声かけでテーブルに着くと、山盛りの唐揚げに具沢山のシチュー、サラダにカットした果物、ソレに同じように山盛りのパン。
「「「頂きます!!」」」
『頂きます』
「うん、どうぞ召し上がれ」
食前の挨拶をしてそれぞれ自分の取り皿に大量によそる。
「ふふ、まだまだあるからゆっくりどうぞ」
「---っうま! 唐揚げ、うま! コレって何の肉?!」
「ああ、今日のはグリフォン」
「そうかそうか、グリフォンか・・・・・・グリフォン?!」
ギギがガバッと向いて叫んだ。
ノアはビクッとしながらも応えた。
「そうだけど・・・何か?」
料理しちゃ不味かったのかな?
ちょっとドキドキしながら聞くと。
「---あー、いや。驚いただけだ、スマン。グリフォンって料理出来るんだ?」
「爺さんも唐揚げ好きで、その時はコカトリスだったけど良く作ってたし。あ、グリフォンはオーガスタの迷宮の70階層で出たんだ。出るたびに狩ってインベントリに入れておいたからまだまだたくさんあるよ。美味いよね、鶏肉」
「・・・・・・へ、へぇ・・・・・・凄いな」
グリフォンの前にコカトリス・・・。
・・・うん、さすがノア。
褒めたおかげか、ホッとしてにこっと笑ったノアが可愛くて、もうどうでもいいやという気持ちになったギギ達だった。
夕御飯の片付けをしていた時に、アークの携帯手紙魔導具が震えて、手紙が届いた。
今回は手紙が薄い。
「---早いな。もう許可が出たらしい」
アークが手紙を開封して確認している。
手紙には、竜王陛下のサインと玉璽があり、正式に許可されたものだと分かった。
そしてまた大量の返信があるかとちょっとビビっていた大公家からは小さいカードのみで、『確認してくれ』と一言。
そしてサンプルで送った記録媒体(改)が送られてきた。
「---もう記録したのかな? まあ確認できるから助かるけど」
そう言ってノアは、魔導具の二つのくぼみの片方に載せる。
もう一つのくぼみには空のコピー用の水晶の魔導具を載せる。
こうすると、再生と同時に自動でコピーされる仕組みだ。
もちろん操作一つで手動にも出来るし、再生しなくてもコピー出来るが。
「じゃあいくよ」
ノアの合図で釦がポチッと押された。
果たして、何もない中空には、通常の記録媒体と同じようにヴァルハラ家の面々が鮮明に映し出されたのだった。
※更新が遅れて何となく朝イチ更新になってしまってますが、R18な場合はちょっとアレなので夕方頃になったときは察して下さいね?
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