拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

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119 共同戦線

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「---おお、戻ったか! 無事か?! いや、あんたらなら大丈夫だとは思っていたが、心配をした」

ギルドに入ってすぐにギルマスのケインが開口一番、そういってきた。

「心配ないよ。ノアも強いからな」
「心配ないです」

二人ともケロッとした顔で言った。

「それはそうだが、そう言うんじゃなくてだなぁ・・・まあ、いい。執務室に来てくれ。詳しく話を聞かせて欲しい」
「ああ、今のうちに作戦会議をしよう。ルドヴィカ達も良いな?」
「仰せのままに、従兄弟殿」

ルドヴィカがわざと大袈裟な身振り手振りでアークに頭を下げて言ったので、何も知らない周りの者達がギョッとした。

「竜王国の魔法騎士団の団長が従兄弟って言って頭を下げている・・・?!」
「え? アルカンシエル殿ってもしかしてめちゃくちゃ偉い人?!」

などとザワついている中、アーク達は執務室に移動中も気安い感じでとんでもない事を話している。

「・・・後で覚えてろよ、ルドヴィカ」

アークがこめかみに青筋を立ててルドヴィカを睨んだ。

こんな時に面倒臭くなりそうな事を言いやがって・・・と。
別に隠してる訳では無いが、スタンピードで混乱しているときに余計な情報は控えるべきだ。

「うわ、ヤベえ。マズった?!」

さすがのルドヴィカも地雷だったかとヒョッと背中が寒くなった。

「団長、自業自得っす」
「甘んじて鉄拳制裁を受けて下さい」

部下にも見捨てられている。

もうこうなったらとことん使い倒してやろう、とアークが半目で言った。

「ルドヴィカお前、一個小隊貸せ」
「え、マジ?!」
「俺達が迷宮内の掃除をしている間、外を掃除してろ」
「---はぁ---、了解。サディアナ、本国にいる副団長に緊急通信を繋いで竜王陛下に許可を取ってくれ。取れたら森で待機中の俺のとこの第1部隊を大至急寄越すように。もちろんスタンピードの件を伝えてな。あと、アルカンシエルの要請だとも」
「了解です」
「おい、俺をダシに使うな」
「その方がすんなり通るからな。俺だってやられっぱなしじゃないぜ」
「言ってろ」

などなど、容赦ない口撃をする二人に、ノアとギルマスはポカンと、エルリックとサディアナは見慣れた光景なのか苦笑していた。

さすが、従兄弟で乳兄弟。

そして皆が執務室に入る頃にはすでにこの作戦は決定事項だった。


「初めまして、アルカンシエル殿にノア殿。私はこの要塞都市の領主のカストロだ」
「初めまして、アルカンシエルだ」
「ノアです」
「では早速・・・と言いたい所ですが」
「・・・どうしたんだ、ギルマス?」

カストロが怪訝な顔をした。

「いえ、ここに来るまでに、その・・・」
「ああ、すまない。実は俺とノアで迷宮内の魔物を間引いている間、ここにいる魔法騎士団長のルドヴィカの小隊を借りて、迷宮からあぶれた魔物を討伐して貰うことになった」
「スミマセン、勝手に決めてしまって。でもその方が早く、犠牲者も少ないはずです」

ルドヴィカも援護する。
領主のカストロは戸惑っていた。

「いや、しかし、そこまでして貰うのは・・・何故、竜王国の騎士団が・・・?」

そう言われて、ルドヴィカはいい笑顔で応えた。

「ああ、アルカンシエル殿は私の従兄弟なんです。彼はヴァルハラ大公家子息ですから協力は当然です」
「「・・・・・・え?」」

領主とギルマスがギョッとした。

「・・・・・・祖父が現王の王弟だ。順位はかなり下だが、王位継承権もある。面倒だから公にしないだけで隠している訳じゃ無いが」
「「・・・・・・」」

カストロもケインも唖然としてしまった。

ケインはアークが貴族家だとは気付いていたが、そんな大層な血筋とは思っていなかった。

一方、領主のカストロも普段は冒険者ギルドとは関わらないようにしていたので寝耳に水の話だった。

「そういうわけで、我らが関わることにはきちんと理由がありますので、お気になさらず。とにかく、そう言う話に決まったので、それ以外の話し合いはよろしくお願いします」
「・・・それ以外とは・・・」
「迷宮の存続の有無とか、管理とか、色々あるでしょう? そういうの話し合って下さい」

そうルドヴィカが締めくくって、ものの5分で作戦会議は終わった。







※ここでの小隊とは、一部隊の隊員50人を25人ずつ2班に分けた魔法騎士団員の隊のことです。人数が増えれば中隊、大隊となります。


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