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八年越しの…
21-3
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「…我がまま?」
夏樹は雅耶の言葉に小さく頷くと、自虐的な笑みを浮かべた。
「オレは、自分のせいで…ふゆちゃんが事故に遭ったという事実をずっと認められなかっただけなんだ…。現実から逃げていただけなんだよ」
そう言うと、あの事故の日に冬樹と入れ替わった経緯を雅耶に全て説明した。
八年前の記憶を手繰りながら静かに耳を傾けていた雅耶は、納得したように頷いた。
「…そうか。そういうことだよな。あの日稽古に一緒に行ったのが夏樹だったってことか。…俺、当時はそんなこと全く気付いてなかったな」
そう、口惜しげに呟いた。
(きっと…直純先生は、その時から夏樹のことに気付いていたんだな…)
『八年も前から…』そう思うだけで、何だかとても悔しい気持ちになる。
その頃の自分は、まだ小さな小学二年生で、直純は既に高校生で空手の先生だったのだから、ある意味その差は仕方のないことなのだが。
そんな雅耶の内心の複雑な想いを知る由もない夏樹は、ただただ申し訳なさそうに膝を抱えて俯いていた。そんな自分を責めている様な夏樹の様子に、雅耶は小さく息を吐くと優しく声を掛ける。
「事故はお前のせいじゃないんだし、せめて話してくれれば良かったのに…。あの頃の俺じゃ頼りにもならないし、何も出来なかったかも知れないけどさ…。誰か大人の人に話せば、少しは何か…」
そこまで言い掛けた時、夏樹が咄嗟に顔を上げた。
「だって、あの頃はっ…オレが夏樹に戻ってしまったら、ふゆちゃんが帰って来れなくなっちゃうと思ってたんだ。オレは、馬鹿だからっ…ふゆちゃんがいつ帰って来ても良いように…って。いつでも入れ替われるように…。オレが…ふゆちゃんの居場所を…作っておくんだって」
そう、若干興奮気味に語る夏樹の目には、再び感情的になったからか涙が浮かんでいた。
「でも、そんなのタテマエでしかなかった。オレは現実から逃げて…結局は自分の罪を先延ばしにしてただけだった…。みんな、ただの言い訳なんだよ…」
とうとう、その大きな瞳からは涙が溢れ、再びぼろぼろと頬を伝って零れだした。
「…全部…自業自得なんだ…」
声には出さず、耐えるように涙を流している夏樹に。
雅耶は夏樹の頭を引き寄せると、自分の胸へと押し当てた。
「分かったよ。分かったから…もう、泣くなって…」
お前は今まで、そうやって独り自分を責めて生きて来たんだな…。
夏樹は雅耶の言葉に小さく頷くと、自虐的な笑みを浮かべた。
「オレは、自分のせいで…ふゆちゃんが事故に遭ったという事実をずっと認められなかっただけなんだ…。現実から逃げていただけなんだよ」
そう言うと、あの事故の日に冬樹と入れ替わった経緯を雅耶に全て説明した。
八年前の記憶を手繰りながら静かに耳を傾けていた雅耶は、納得したように頷いた。
「…そうか。そういうことだよな。あの日稽古に一緒に行ったのが夏樹だったってことか。…俺、当時はそんなこと全く気付いてなかったな」
そう、口惜しげに呟いた。
(きっと…直純先生は、その時から夏樹のことに気付いていたんだな…)
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「事故はお前のせいじゃないんだし、せめて話してくれれば良かったのに…。あの頃の俺じゃ頼りにもならないし、何も出来なかったかも知れないけどさ…。誰か大人の人に話せば、少しは何か…」
そこまで言い掛けた時、夏樹が咄嗟に顔を上げた。
「だって、あの頃はっ…オレが夏樹に戻ってしまったら、ふゆちゃんが帰って来れなくなっちゃうと思ってたんだ。オレは、馬鹿だからっ…ふゆちゃんがいつ帰って来ても良いように…って。いつでも入れ替われるように…。オレが…ふゆちゃんの居場所を…作っておくんだって」
そう、若干興奮気味に語る夏樹の目には、再び感情的になったからか涙が浮かんでいた。
「でも、そんなのタテマエでしかなかった。オレは現実から逃げて…結局は自分の罪を先延ばしにしてただけだった…。みんな、ただの言い訳なんだよ…」
とうとう、その大きな瞳からは涙が溢れ、再びぼろぼろと頬を伝って零れだした。
「…全部…自業自得なんだ…」
声には出さず、耐えるように涙を流している夏樹に。
雅耶は夏樹の頭を引き寄せると、自分の胸へと押し当てた。
「分かったよ。分かったから…もう、泣くなって…」
お前は今まで、そうやって独り自分を責めて生きて来たんだな…。
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