1 / 74
プロローグ
しおりを挟む高坂順平のとある日の日記(小学校一年生編)
きょうは、おとーさんとおかーさんとデパートへお買いものに行きました。
おもちゃを買ってくれるおやくそくだったから、おとーさんがおもちゃがいっぱいあるところへつれて行ってくれました。
ぼくはおともだちが持っていたゲームソフトがほしかったけど、うりきれ、でした。
でも、くじ引きをして、あかのたまが出ればそのゲームがもらえるみたいでした。
おとーさん、おかーさんとくじ引きをしました。おとーさんはあおのたまで、五とうのぬいぐるみ。おかーさんはきいろのたまで、四とうのおっきなぬいぐるみでした。
おもちゃ屋さんのきれいなおねーさんが、ぼくに、このガラガラを回してね、っておしえてくれたので、回してみました。
でも、たまは出ませんでした。
なんかい回しても出ませんでした。おとーさんがかわりに回してくれたら出たから、ぼくの時だけこわれてたのかな?
高坂順平のとある日の日記(中学校三年生編)
今日は父さんと母さんと久しぶりの家族旅行。普段は仕事が忙しい父さんだけど珍しく休みが取れて、両親は年甲斐もなくはしゃいでいる。
二週間前から観光の順番、食事の内容に至るまでばっちり計画していただけあって、朝から順調に進んでいく。父さんの運転も軽快だ。
いよいよ旅のメインである展望台に到着。ここから一望できる景色は綺麗だそう。
まずはエレベーターで上を目指す。父さん、母さん、俺の順で乗ると、俺が足を踏み入れた途端にビーッと警告音。人が結構乗っていたから重量オーバーらしい。
幸い隣にもエレベーターがあったから俺だけ降りて乗り換え。すると、嬉しいことに俺以外いないではないか。快適だなと思いながらドアを閉め、一番上のボタンを押した。それを合図にエレベーターはゆっくりと動きだし――
止まった。
ついでに灯りまで消えた。見事なまでに真っ暗だった。
しばらくすれば動くだろうと待っていると……復旧したのは、なんと一時間後。故障の原因は不明だった。
ちなみにエレベーターが止まらなかったら、俺は1000万人目の入場者となっていて豪華な記念品をもらえていたらしい。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
7
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる