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おっぱい刑事(デカ)暁に吠える
その7
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夕闇迫る街角で、キター侍こと金田先生と向かい合う乙白刑事は、その顔に、決然とした表情を浮かべていた。
彼女は、Tの字に延びた街路の、死角になっている場所から蹴り出した、今は足元に転がっている2台の映像装置を指さすと、向かい側に立つ金田先生に対して、ゆっくりとした口調で語り始める。
自分の推理をー。
「金田先生、あなたは、この装置を使って、キター侍の立体映像を作り出し、わたし達の目をあざむいていたんですね。単なる映像に過ぎないそれを、さも実在している様に見せかけてー。そして昼間とか、わたし達と追いかけっこをさせる時など、立体映像を使えない場合には、白金先生を替え玉として使っていた。キター侍のコスプレをさせてね」
乙白刑事は、つい先ほどまでキター侍の立体映像がそこに出現していた、袋小路になっている行き止まりの壁際に立ちながら、言葉を発し続ける。
その言葉を、少し離れた場所に立つ金田教諭は、何故か、顔をうつ向かせながら聞いていた。
「やっぱり、白銀先生は、あなたの影武者だったんですね。そう、彼の役割は、映像装置が使用出来ない時に、キター侍の格好をして、その代わりとなって行動する事でした。そして、黒子の様に事件現場に潜み、犯行後に映像装置を回収するなど、補助的な役割も担っていた。わたしたち刑事が、最初に学校を訪れた時に現れたキター侍も、実はただの立体映像で、非常扉の前にあった足跡は、白銀先生が、そのトンネル状の通路を使って、映像装置を回収した際に、故意につけられたものでした。キター侍が、まるで、本当にそこにいたかの様に見せかけて、我々の捜査を撹乱する為にね」
ちょっぴりドヤ顔で、己れの推理を披露する、乙白刑事。
「・・・・・・」
一方、そんな彼女に対して、その向かい側に立つ金田先生は、ずっと無言で、顔をうつ向かせていた。
女刑事と変態教師、路地裏で対峙する両者の間に、しばし、緊迫した空気が流れる。
だがー。
「クークックックー、さすがだな、おっぱい刑事(デカ)。よもや、僕の正体が見破られるとはー。やはり、僕が、見込んだだけ(特におっぱい)の事はある」
金田教諭は、いよいよ観念したのか、地獄の底から響く様な笑い声を発してから、その顔を上げた。
邪悪な表情を浮かべながらー。
「いかにも、僕がキター侍だ!友人である白銀鉄人は、僕を手伝っていたに過ぎん。絶対に、誰の命も奪わないという、条件付きでな。だが、やはり分からんな。あなたに正体がバレない様に、僕なりに色々と工夫したつもりだったのだがー。赤銅美鈴や自分自身を、ドローンに襲わせたりもした。やっぱり、あの時は、すごく痛かったよ」
金田先生の言葉に、少し距離を置いて彼と向かい合う乙白刑事は、コクリとうなずく。
「そうですね。ドローンを操って、赤銅先生や自分自身の背中を斬るだなんて、普通なら絶対に出来ません。おまけに脱糞までしてー。あの時は、危うく騙され掛けましたよ。まさに、肉を切らせて骨を断つ作戦でしょうか。でも、三田良子さんの証言のおかげで、あなたがドローンを使って、次々と人を斬っている事がわかったんです。なにせ彼女は、自分が襲われた際に、背後に迫る来るドローンの姿を、しっかりと見ていましたから。彼女の言葉が無ければ、わたしだって、あなたが操るドローンによる斬撃を、かわす事は、恐らく出来なかったでしょう」
しかし、彼女の言う事が、腑に落ちなかったのだろうか。
狭い路地裏で、彼女と向かい合う金田先生は、顔に疑問符を浮かべていた。
「そこも、良く分からんな。確かに、ほとぼりが冷める前に彼女をー。三田良子を襲ったのは、僕の致命的なミスだ。彼女の僕に対する、授業中での横柄な態度が、どうしても許せなかったものでね。だが、僕はドローンを使って、女性を襲う際には、細心の注意を払っていたつもりだ。こちらの正体が、相手にバレたりしない様に。三田くんの時も同じだ。あの娘には、後ろを振り返る余裕なんて、全く無かった筈だ。だから彼女が、後ろからドローンが、迫って来るのを見たなんて話は、きっとデタラメだ。そんな事は、絶対にあり得ない」
すると、乙白刑事は、静かに首を振った。
「いいえ、彼女はー。三田良子さんは、自分の背後に、すごい勢いで、ドローンが迫って来るのを、ハッキリと目撃していました。でも、後ろを振り返って、それを見たわけじゃありません。確かに彼女には、後ろを振り返る余裕なんてありませんでした。でもー。それでも、彼女には、確かに見えたんです。背後から自分に向かって襲いかかる、先端に長い刀がついた、真っ黒なドローンのその凶々しい姿がー。どうしてだか、解りますか?何故なら、それはー」
乙白刑事は、そこでいったん言葉を切ると、一息ついてからまた続けた。
「それは彼女がー。三田良子さんが、眼鏡っ娘だったからです!!」
[続く]
彼女は、Tの字に延びた街路の、死角になっている場所から蹴り出した、今は足元に転がっている2台の映像装置を指さすと、向かい側に立つ金田先生に対して、ゆっくりとした口調で語り始める。
自分の推理をー。
「金田先生、あなたは、この装置を使って、キター侍の立体映像を作り出し、わたし達の目をあざむいていたんですね。単なる映像に過ぎないそれを、さも実在している様に見せかけてー。そして昼間とか、わたし達と追いかけっこをさせる時など、立体映像を使えない場合には、白金先生を替え玉として使っていた。キター侍のコスプレをさせてね」
乙白刑事は、つい先ほどまでキター侍の立体映像がそこに出現していた、袋小路になっている行き止まりの壁際に立ちながら、言葉を発し続ける。
その言葉を、少し離れた場所に立つ金田教諭は、何故か、顔をうつ向かせながら聞いていた。
「やっぱり、白銀先生は、あなたの影武者だったんですね。そう、彼の役割は、映像装置が使用出来ない時に、キター侍の格好をして、その代わりとなって行動する事でした。そして、黒子の様に事件現場に潜み、犯行後に映像装置を回収するなど、補助的な役割も担っていた。わたしたち刑事が、最初に学校を訪れた時に現れたキター侍も、実はただの立体映像で、非常扉の前にあった足跡は、白銀先生が、そのトンネル状の通路を使って、映像装置を回収した際に、故意につけられたものでした。キター侍が、まるで、本当にそこにいたかの様に見せかけて、我々の捜査を撹乱する為にね」
ちょっぴりドヤ顔で、己れの推理を披露する、乙白刑事。
「・・・・・・」
一方、そんな彼女に対して、その向かい側に立つ金田先生は、ずっと無言で、顔をうつ向かせていた。
女刑事と変態教師、路地裏で対峙する両者の間に、しばし、緊迫した空気が流れる。
だがー。
「クークックックー、さすがだな、おっぱい刑事(デカ)。よもや、僕の正体が見破られるとはー。やはり、僕が、見込んだだけ(特におっぱい)の事はある」
金田教諭は、いよいよ観念したのか、地獄の底から響く様な笑い声を発してから、その顔を上げた。
邪悪な表情を浮かべながらー。
「いかにも、僕がキター侍だ!友人である白銀鉄人は、僕を手伝っていたに過ぎん。絶対に、誰の命も奪わないという、条件付きでな。だが、やはり分からんな。あなたに正体がバレない様に、僕なりに色々と工夫したつもりだったのだがー。赤銅美鈴や自分自身を、ドローンに襲わせたりもした。やっぱり、あの時は、すごく痛かったよ」
金田先生の言葉に、少し距離を置いて彼と向かい合う乙白刑事は、コクリとうなずく。
「そうですね。ドローンを操って、赤銅先生や自分自身の背中を斬るだなんて、普通なら絶対に出来ません。おまけに脱糞までしてー。あの時は、危うく騙され掛けましたよ。まさに、肉を切らせて骨を断つ作戦でしょうか。でも、三田良子さんの証言のおかげで、あなたがドローンを使って、次々と人を斬っている事がわかったんです。なにせ彼女は、自分が襲われた際に、背後に迫る来るドローンの姿を、しっかりと見ていましたから。彼女の言葉が無ければ、わたしだって、あなたが操るドローンによる斬撃を、かわす事は、恐らく出来なかったでしょう」
しかし、彼女の言う事が、腑に落ちなかったのだろうか。
狭い路地裏で、彼女と向かい合う金田先生は、顔に疑問符を浮かべていた。
「そこも、良く分からんな。確かに、ほとぼりが冷める前に彼女をー。三田良子を襲ったのは、僕の致命的なミスだ。彼女の僕に対する、授業中での横柄な態度が、どうしても許せなかったものでね。だが、僕はドローンを使って、女性を襲う際には、細心の注意を払っていたつもりだ。こちらの正体が、相手にバレたりしない様に。三田くんの時も同じだ。あの娘には、後ろを振り返る余裕なんて、全く無かった筈だ。だから彼女が、後ろからドローンが、迫って来るのを見たなんて話は、きっとデタラメだ。そんな事は、絶対にあり得ない」
すると、乙白刑事は、静かに首を振った。
「いいえ、彼女はー。三田良子さんは、自分の背後に、すごい勢いで、ドローンが迫って来るのを、ハッキリと目撃していました。でも、後ろを振り返って、それを見たわけじゃありません。確かに彼女には、後ろを振り返る余裕なんてありませんでした。でもー。それでも、彼女には、確かに見えたんです。背後から自分に向かって襲いかかる、先端に長い刀がついた、真っ黒なドローンのその凶々しい姿がー。どうしてだか、解りますか?何故なら、それはー」
乙白刑事は、そこでいったん言葉を切ると、一息ついてからまた続けた。
「それは彼女がー。三田良子さんが、眼鏡っ娘だったからです!!」
[続く]
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