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第十話
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ウィードの言葉にハルサックは、戸惑いを隠せなかった。
一度腕を離し、ウィードと向き直る。
「え、いや、俺は、お前が……好きっ、好きだ! だ、だ、だからッ! おもちゃとか、そんなことは、思っていない!」
言葉が尻すぼみになったが、ハルサックは一生懸命弁解をした。
しかし、ウィードの気持ちは変わらない。
────気持ち悪い。
「へぇー、僕のことが好きなんだぁ」
「ウィード……?」
ハルサックがこちらに手を伸ばしてくるので、ウィードはそれをひらりとかわす。
「それで……?」
ハルサックを見つめる瞳には、感情が篭っていなかった。
「好きだから、なんだって?」
ああ、嫌な記憶が蘇る。
幼少期の……。
まだ、家にいた頃の……。
そんな記憶が……。
ねぇ、君は言ってくれたよね?
『好きだなんだ口では言いながら、お前に酷いことをする奴らの言うことなんて聞かなくていい!』
ねぇ、言ってたよね?
『あいつらは、好きって言う言葉を使って、自分が正しいことをしてるって思いたいだけなんだよ! そこに、愛なんてねぇ!!!』
そう言って、僕を外に連れ出したよね?
なのにさ、なんで君がそっち側にいるの?
ーーねぇ、なんでなのさ?
ウィードは、黙るハルサックを見つめた。そしてーー
「好きという言葉を理由にすれば、僕に何やっても許されると思ってたんだ?」
ああ、言葉が止まらない。
止められない。
「いつもいつも知らない奴引き連れて、僕を置いていって! 僕が傷つかないとは思ってなかったよね?」
でも、止まってくれ。
ハルサックを傷つけたいわけじゃない。
ただ、穏便に別れたいだけなんだ。
「それでも、傷つけても、僕のこと愛してるから、人間扱いしてやってるって?」
僕の口、止まってくれ。
それ以上は言い過ぎだ。
「ハルサックには失望したよ。こんなのーー」
それだけは、言っちゃダメだ。
『僕の両親と同じじゃないか』
一度腕を離し、ウィードと向き直る。
「え、いや、俺は、お前が……好きっ、好きだ! だ、だ、だからッ! おもちゃとか、そんなことは、思っていない!」
言葉が尻すぼみになったが、ハルサックは一生懸命弁解をした。
しかし、ウィードの気持ちは変わらない。
────気持ち悪い。
「へぇー、僕のことが好きなんだぁ」
「ウィード……?」
ハルサックがこちらに手を伸ばしてくるので、ウィードはそれをひらりとかわす。
「それで……?」
ハルサックを見つめる瞳には、感情が篭っていなかった。
「好きだから、なんだって?」
ああ、嫌な記憶が蘇る。
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ねぇ、君は言ってくれたよね?
『好きだなんだ口では言いながら、お前に酷いことをする奴らの言うことなんて聞かなくていい!』
ねぇ、言ってたよね?
『あいつらは、好きって言う言葉を使って、自分が正しいことをしてるって思いたいだけなんだよ! そこに、愛なんてねぇ!!!』
そう言って、僕を外に連れ出したよね?
なのにさ、なんで君がそっち側にいるの?
ーーねぇ、なんでなのさ?
ウィードは、黙るハルサックを見つめた。そしてーー
「好きという言葉を理由にすれば、僕に何やっても許されると思ってたんだ?」
ああ、言葉が止まらない。
止められない。
「いつもいつも知らない奴引き連れて、僕を置いていって! 僕が傷つかないとは思ってなかったよね?」
でも、止まってくれ。
ハルサックを傷つけたいわけじゃない。
ただ、穏便に別れたいだけなんだ。
「それでも、傷つけても、僕のこと愛してるから、人間扱いしてやってるって?」
僕の口、止まってくれ。
それ以上は言い過ぎだ。
「ハルサックには失望したよ。こんなのーー」
それだけは、言っちゃダメだ。
『僕の両親と同じじゃないか』
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