相方に冒険者パーティー解消したいと言ったらブチ切れられた

人生2929回血迷った人

文字の大きさ
10 / 25

第十話

しおりを挟む
 ウィードの言葉にハルサックは、戸惑いを隠せなかった。
 一度腕を離し、ウィードと向き直る。

「え、いや、俺は、お前が……好きっ、好きだ! だ、だ、だからッ! おもちゃとか、そんなことは、思っていない!」

 言葉が尻すぼみになったが、ハルサックは一生懸命弁解をした。
 しかし、ウィードの気持ちは変わらない。

 ────気持ち悪い。

「へぇー、僕のことが好きなんだぁ」
「ウィード……?」

 ハルサックがこちらに手を伸ばしてくるので、ウィードはそれをひらりとかわす。

「それで……?」

 ハルサックを見つめる瞳には、感情が篭っていなかった。

「好きだから、なんだって?」

 ああ、嫌な記憶が蘇る。

 幼少期の……。
 まだ、家にいた頃の……。
 そんな記憶が……。

 ねぇ、君は言ってくれたよね?

『好きだなんだ口では言いながら、お前に酷いことをする奴らの言うことなんて聞かなくていい!』

 ねぇ、言ってたよね?

『あいつらは、好きって言う言葉を使って、自分が正しいことをしてるって思いたいだけなんだよ! そこに、愛なんてねぇ!!!』

 そう言って、僕を外に連れ出したよね?

 なのにさ、なんで君がそっち側にいるの?



 ーーねぇ、なんでなのさ?



 ウィードは、黙るハルサックを見つめた。そしてーー

「好きという言葉を理由にすれば、僕に何やっても許されると思ってたんだ?」

 ああ、言葉が止まらない。
 止められない。

「いつもいつも知らない奴引き連れて、僕を置いていって! 僕が傷つかないとは思ってなかったよね?」

 でも、止まってくれ。
 ハルサックを傷つけたいわけじゃない。
 ただ、穏便に別れたいだけなんだ。

「それでも、傷つけても、僕のこと愛してるから、人間扱いしてやってるって?」

 僕の口、止まってくれ。
 それ以上は言い過ぎだ。

「ハルサックには失望したよ。こんなのーー」

 それだけは、言っちゃダメだ。

『僕の両親と同じじゃないか』
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

悪役令嬢の兄、閨の講義をする。

猫宮乾
BL
 ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。

好きな人に迷惑をかけないために、店で初体験を終えた

和泉奏
BL
これで、きっと全部うまくいくはずなんだ。そうだろ?

遊び人殿下に嫌われている僕は、幼馴染が羨ましい。

月湖
BL
「心配だから一緒に行く!」 幼馴染の侯爵子息アディニーが遊び人と噂のある大公殿下の家に呼ばれたと知った僕はそう言ったのだが、悪い噂のある一方でとても優秀で方々に伝手を持つ彼の方の下に侍れれば将来は安泰だとも言われている大公の屋敷に初めて行くのに、招待されていない者を連れて行くのは心象が悪いとド正論で断られてしまう。 「あのね、デュオニーソスは連れて行けないの」 何度目かの呼び出しの時、アディニーは僕にそう言った。 「殿下は、今はデュオニーソスに会いたくないって」 そんな・・・昔はあんなに優しかったのに・・・。 僕、殿下に嫌われちゃったの? 実は粘着系殿下×健気系貴族子息のファンタジーBLです。

お互い嫌っていると思っていたのは俺だけだったらしい【完】

おはぎ
BL
お互い嫌っていて、会えば憎まれ口を叩くわ喧嘩するわで犬猿の仲のルイスとディラン。そんな中、一緒に潜入捜査をすることになり……。

台風の目はどこだ

あこ
BL
とある学園で生徒会会長を務める本多政輝は、数年に一度起きる原因不明の体調不良により入院をする事に。 政輝の恋人が入院先に居座るのもいつものこと。 そんな入院生活中、二人がいない学園では嵐が吹き荒れていた。 ✔︎ いわゆる全寮制王道学園が舞台 ✔︎ 私の見果てぬ夢である『王道脇』を書こうとしたら、こうなりました(2019/05/11に書きました) ✔︎ 風紀委員会委員長×生徒会会長様 ✔︎ 恋人がいないと充電切れする委員長様 ✔︎ 時々原因不明の体調不良で入院する会長様 ✔︎ 会長様を見守るオカン気味な副会長様 ✔︎ アンチくんや他の役員はかけらほども出てきません。 ✔︎ ギャクになるといいなと思って書きました(目標にしましたが、叶いませんでした)

婚約破棄させた愛し合う2人にザマァされた俺。とその後

結人
BL
王太子妃になるために頑張ってた公爵家の三男アランが愛する2人の愛でザマァされ…溺愛される話。 ※男しかいない世界で男同士でも結婚できます。子供はなんかしたら作ることができます。きっと…。 全5話完結。予約更新します。

処理中です...