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第五章 再会からの、ごきげんよう
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普段は企画展示に利用されているのだろう広いスペースに、ファンで作られた長い列が二つ。スターレットのメンバーは四人だが、一度に全員が並ぶのではなく、二人ずつの交代制になっているらしい。前半はヒカリと、ツヅルという少女の番だ。マコトは何度も何度も確かめながら、ヒカリへと続く列に並んだ。
数十秒から一分ほどの間隔で、一歩ずつ前に進んでいく。背伸びをして先頭のほうを確認してみたが、あと二・三十歩はかかりそうだった。こんなに沢山のファンひとりひとりと向き合って笑顔で握手をするのだから、アイドルはすごい。同年代の少女たちが、学校とはまったく違う世界で大人と一緒にプロの仕事をしているという現実を、マコトはこの瞬間、初めて意識した。
ヒカリは、なぜアイドルを目指したのだろう。自分で作詞も作曲もするくらい歌が好きなら、異世界で出会ったときには、すでにはっきりとした将来の夢があったのかもしれない。六人目の仲間の存在を思い出すきっかけとなった曲を歌っていた動画の彼女は、まさしく光り輝いていた。憧れの仕事につくことができて、大好きな歌を歌うことができて、きっととても幸せなのだろう。
「次の方、どうぞ」
「え!? あ、はいっ!」
スタッフの呼びかけに、マコトは思わず元気すぎる声を上げてしまう。考え事をしながら無意識に前進しているうちに、気がつけば列の先頭に立っていた。目の前にある真っ白なパーテーションで区切られた向こう側のスペースに、ヒカリがいる。そう思った瞬間、マコトの頭の中も真っ白になってしまった。全身が固まって動けなくなったマコトだが、タイシに教えられた『握手会は時間が勝負だ』という知識を動力源にして、錆びついたロボットのように移動する。
「あ、あのっ!」
――とにかく、目を合わせることが最優先。
――仲間の確認さえできれば、それでいい。
事前に言い渡されていたタイシの合理的な指示に背中を押されて、マコトは勢いよく顔を上げた。
数十秒から一分ほどの間隔で、一歩ずつ前に進んでいく。背伸びをして先頭のほうを確認してみたが、あと二・三十歩はかかりそうだった。こんなに沢山のファンひとりひとりと向き合って笑顔で握手をするのだから、アイドルはすごい。同年代の少女たちが、学校とはまったく違う世界で大人と一緒にプロの仕事をしているという現実を、マコトはこの瞬間、初めて意識した。
ヒカリは、なぜアイドルを目指したのだろう。自分で作詞も作曲もするくらい歌が好きなら、異世界で出会ったときには、すでにはっきりとした将来の夢があったのかもしれない。六人目の仲間の存在を思い出すきっかけとなった曲を歌っていた動画の彼女は、まさしく光り輝いていた。憧れの仕事につくことができて、大好きな歌を歌うことができて、きっととても幸せなのだろう。
「次の方、どうぞ」
「え!? あ、はいっ!」
スタッフの呼びかけに、マコトは思わず元気すぎる声を上げてしまう。考え事をしながら無意識に前進しているうちに、気がつけば列の先頭に立っていた。目の前にある真っ白なパーテーションで区切られた向こう側のスペースに、ヒカリがいる。そう思った瞬間、マコトの頭の中も真っ白になってしまった。全身が固まって動けなくなったマコトだが、タイシに教えられた『握手会は時間が勝負だ』という知識を動力源にして、錆びついたロボットのように移動する。
「あ、あのっ!」
――とにかく、目を合わせることが最優先。
――仲間の確認さえできれば、それでいい。
事前に言い渡されていたタイシの合理的な指示に背中を押されて、マコトは勢いよく顔を上げた。
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