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びじょん
じゅうなな/1624604400.dat
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「いや、な、なんでもない、なんでもない」
俺は、初めて聞いた並プロちゃんの声に、かろうじて返事をした。
このサイコロ(サイの目はない)たちは、まさに未知数の塊だった。
いかん。ヒープダイン社代表や一技術者としてだけじゃなく――金平緋加次個人としても、並プロちゃんは興味深すぎて気を抜くと顔がニヤけてしまう。
「それが並プロちゃんの声!? かっわいいー♪」
違崎が話しかけているのは〝AR電影部〟。
気づけば違崎のかたわらに居ることが多い朱箱の物理機能は、〝映像投影〟だ。
「ふっふーん♪ ありがとう違崎クン。仕上がりは上々でぇすわぁー。ルラァーーッ♪」
声質がどこかモッサリしてるのに、やたらと滑舌が良くて本当にゲームキャラ――お嬢様っぽい主幹部のキャラクタに、とてもよく似合っていた。
物理的に存在する7機体を統括するのが〝主幹部〟であり、3個の量子ノードで構成される旗艦機体だ。
並プロちゃん達のキャラクタを作り上げているのは、一号機に内蔵された三号機である〝造形部〟だ。
簡易的な量子ビットエラー処理を受け持つのが〝量子キャッシュ〟の二号機。二号機の機能を今後検算部が受け持つので、この部分のリソースが完全に解放されたことになる。
「本当にカワイイわよ、並プロちゃん! 〝検算部〟の調子はどう?」
ソフトウェア制作者である鱵ふつうが、鼻息を荒くしている。
「緋加次クンが設計した基本スペックにはほど遠いけれどぉ、こーして自分の声で話すことが出来るようになりましたわぁー❤」
「緋加次……君!? はは、すっげー照れんだけど? あと、カワイイ」
俺は動揺する。いくら可能性の塊とはいえ、生まれてまだ一年の年下のお嬢様AIから『君』づけで呼ばれるのは、こそばゆくて無茶無茶気恥ずかしい。
ひょっとしたら、この間の地味子の「緋加次君」呼びのマネをしてるのかもしれんが、どっちにしろハズい。
「うふふ、朴念仁の珈琲先輩もタジタジねー」
ぼくねんじん……何その俺に対する評価。初耳だけど?
「造形部のメタ認知と肖像隣接権の照会――OKっと♪」
ノートPCを操作する地味子の指先が、弾んでいる。
並プロちゃんの発声に関する、品質と法的チェックの受諾画面が俺のPC画面にも出たから、『OK』を押してやる。
「チチチ、ピーーーーッ♪ みんな準備はよくって?」
主幹部が言ったみんなってのは、全9機の並列プロジェクト一式のコトだ。
黒箱が閉じて角のLEDを光らせたり、朱箱のカメラ腕が三本に増えたり、全体的に並プロちゃん達の動きが活発になった。
シシッ♪
地味子が空間投影してた平面が、わずかに拡大された。
その効果音は、主幹部がチャット画面に入力したときの音に似てて。
人間だったら、ちょうど実物大くらいの大きさになった顔アイコン。その眼が閉じられ――――
シシシシーッ♪
効果音とともに平面が――動き出した。
まるで3Dプリンタのように立体化されたのは、実物大の並プロちゃんの顔。
「モデリングしたのは、声道だけじゃ有りませんのよ♪」
その実物大の立体形状が、つややかな唇をうごめかせた。
シシシ、シシシーーッ♪
動く平面の軌道が垂直になり――首筋から鎖骨のすっとした表面部分が描かれていく。
スゥーーッ。
平面が作業台に着いて描ききれなくなると、平面がすっと持ち上がった。
シシ、シーーーーーーーーーーッ♪
へそ、腰、再開される人体出力。
胸と腰の出っ張った部分で若干引っかかったが、平面はカカトまで行き着いた。
描き出された造形は、なめらかで華奢だった。
「なんか、地味子みたいな……体つきだな?」
――――フォォォォォン♪
床に落ちた平面が回転を始めると、等身大のフォルムが追従する。
ゆっくりと回転する立体的なフォルムは、人として違和感がない程度に調整されていた。
顔つきもデフォルメが押さえられていて、ものすごく丁寧な作りの3Dアニメのよう。
「よいしょっ、ですわー♪」
平面から並プロちゃんが、飛び降りた。
左右の耳に残った 『('_')²』と『('_')³』のイヤリングが揺れる。
アイコン2と3はアニメ造形のままだ。
たしかに、リアル調だと生首みたいになっちまうから、コレでいいんだろうな。
〝造形部〟が良い仕事をしてくれた、ということなのだろう。
「ちょっ、なっ、何、いやらしい眼で見てるんですか!? このっ、エロ珈琲ー!」
数多のゲームグラフィックのように、おっぱいがやたらとプルンプルンして、目のやり場に困ったのは確かだが――
「エロ珈琲とはなんだ! せめてエロ代表と呼べ!」
地味子より胸部の発育が少し活発なのは、誰か(ソフトウェア制作者)の意向か願望を、反映した結果なのかもしれない。
地味子がコンソールを操作すると、ピタピタのSFコスチュームから、スカートとベストと小さな帽子みたいなのが、形作られた。
ほぼいつもの〝主幹部アイコン〟と同じ装いになった。
「クスクスクス♪ 先生……そういえば、本日分の更新がまだ、お済みでないようでした・け・れ・どぉ?」
目の前に、実物大の並プロちゃんが歩いてきた。
ゲーマー特区自慢の空間投影技術に、並びうるのではないかという臨場感。
こんな未来技術は、俺にはない。
〝AR電影部〟を作るとき、スマートプロジェクターとして最高の機能を実装はしたが、空間投影周りのプログラミングは全てが地味子任せだ。
その地味子も、「投影領域限界の30センチを超えてる……何で? エロ代表、何かしました?」
「そっちこそ映像周りの強化学習ライブラリ、追加してないだろうな?」
俺たちは鏡あわせに、顔を左右に振った。
そして視線は仮組み状態の新型機、〝並列プロジェクト検算部5847389Ttr:v1・000・0000000001/r9〟へ向けられる。
どぎつい色のケーブル末端で高速点滅するLED。その上に空間投影された採番は、後方互換のないメジャーバージョンへと更新されていた。
さっきの受諾画面には、その認証に関するチェックボックスもあったし、AI開発には劇的な変化がどこからともなく訪れることが、ごく稀にある。
あるが――――
「ふーん。身長は副部長ちゃんと、同じくらいっスね」
違崎が、空間投影された実物大並プロちゃんの横に立ち、水平チョップを自分のアゴあたりに何度も突き立てている。
背格好は、地味子を90%程度に縮小したくらいか。
並プロちゃん達は9号機である検算部の機能により、数倍程度の演算能力――つまりソコソコ大きな余剰演算リソースを獲得した。
その潤沢な演算能力を駆使し、かねてからタスク上位にリストされていた仕事を完成させたのだ。
「最尤推定モデルによるシミュレーション開始。身体定位修正、身体認知度60%――――♪」
その結果――――実物大立体映像が、軽い運動を始めた。
わずかにブロックノイズやAI生成特有の光学的環境処理の甘さなんかが現れていたが、かなりの実体感をともなっている。
VR映像クリエイターか俺たちみたいな重度のゲーマーでもなけりゃ、ソコに人が居ると信じて疑わないだろう。
じっくりと顔を見れば、その造形が現実の物ではないことはスグにわかるだろうが、大きく旋回された両拳を違崎がよける位には臨場感がある。
「ふうん、ふつうちゃん達わぁ、こーんなふうに自分を外界と選別していたのねぇー♪」
セリフから察するなら〝人間一人分の身体性〟を獲得した……している最中らしい。
5,6号機の過剰な戦闘能力の件で凹んでたから看過してたけど、このあとの質疑いかんでは相当すりあわせておかないとダメだ。
地味子だけじゃなくて、並プロちゃんとも。
試行錯誤の末にオーバースペックに到達するのは全然OKだが、ソレが急速に達せられた場合、倫理上・運用上の練度の問題が生じる。
子供の頃見た〝ディストピア映画〟が脳裏をよぎった。
もちろん、短絡的に〝並プロちゃんVS人類〟という図式を思い描いたわけじゃない。
それに、そういう話なら9号機が直接の原因となる以上、主犯は俺ってことになる。
それも含めて今は、最優先で聞かなきゃならないことがある。
「そういえば先生――――ふわっさぁ~♪」
並プロちゃん(実物大)が髪をかき上げると、肩くらいまでだったツインテールが、膝下にまでスルスルと伸びた。
「――本日は一週間連続投稿の最終日。私、とてもとても楽しみにしていますのよ?」
軍用ノートPCの画面をのぞき込む仕草は、まだどこかぎこちなかったけど地味子ソックリだった。
「ぐっ、何回も催促しなくても、わかってるよ。約束だからな」
そう、並プロちゃんは巨大重機迎撃の対価として、小説の更新を要求した。
量子エディタを立ち上げ、執筆途中のテキストファイルを開く。
「じゃあ、執筆しながら聞くから説明してくれ、〝しんぎゅらん〟ってなんだ?」
§
『しんぎゅらんⓇ――――とは?』
ホワイトボードに書かれた文字は、PCで印刷したように整っていた。
これは俺も使ってる視認性重視の、コーディング向けオープンソースフォントだな。
Ⓡなんて付いてるなら、商標登録した企業か個人が存在するのかもしれない。
そう思って商標登録を検索したが、少なくとも日本では出願もされていなかった。
「まず、見ていただきたい概念がございますの♪」
キューッ、キューキューッ、キュゥゥゥゥゥゥッ♪
並プロちゃんの手が、ペンを手に取り作図を開始する。
実体映像である等身大並プロちゃんの動きに合わせて、ホワイトボードに取り付けられた白い電動アームが描画しているのだ。
「おい――ひそひそ――並プロちゃん、このまま外に出て行ったりはしないだろうな?」
「いえ――ひそひそ――行動範囲は全天カメラの有効撮影範囲に限られますので……原因は目下、解析中ですが」
自分のノートPC画面を見せる地味子の、やや悔しげな表情。まあ、気持ちはわかる。
原因不明に性能が上がっても、手柄にはならないし対処も出来ないからな。
PC画面には、自宅兼作業場のリビングを切り取るような、『1/1スケール並プロちゃん:行動可能範囲』が表示されている。
蛍光グリーンの多角形はカメラの死角となる、リビングの角先が欠けていた。
キュキュー、キュキュキュキュー♪
ロングツインテールお嬢様が何らかの図案を、精密な筆致で描き出していく。
似たような板書機能を持つAI講師とは一線を画す、〝対人性〟とでも言うべき存在感。
苦悩する地味子には悪いが、この臨場感は――凄く面白かった。
カメラの撮影範囲だけ動けるってのは、映像の空間定位……座標習得の為に俯瞰映像を利用しているからだろう。
「……地味子は、ゲーマー特区行ったことあるか?」
ゲーマー特区の実像定位技術も、通常のホログラフィーとは一線を画すモノだと聞いている。
「はい、何度か」「僕も年2回ある大型イベントの時に、行きましたよ」
「じゃあ、コレどう思う? 特区のと同じようなもんか?」
ホワイトボードにかじりつき作図に励む、並プロちゃん(実物大)を指さした。
『規格外の演算能力を起因とする実体映像技術』
言葉にすると、かなり似通った技術なんじゃないかと思うんだが……もし同じモノなら特許の関係上、この〝板書可能な実体映像人物AI〟を商品化することは難しくなる。
「いえ、特区のはホワイトボードごと、全部が実体映像って言うか――」
「だよね。しかも、場合によったら食べられるし――」
「食べられる? うん、ワカラン。俺も一回、体験しておくべきだなー」
もし、ゲーマー特区のある関東近郊まで出向くなら、リニアを使うしかないから少し面倒だ。
ヒープダイン社には自社用VTOLも特大型ドローンもない以上、仕方がない。
地味子の実家には有りそうだが、もうだいぶ世話になりすぎてて……聞くことすらはばかられる。
同じ理由で、鱵家に関する詮索は、一時保留するコトにした。
本気で調べるとなると、どうしたって先方にもその事実が伝わるからだ。
藤坪氏のような手練れが居るならなおさらで、廉価版原子回路が製品化できるまでは――事なかれ主義で行くことにする。
キュキュキューーッ♪
並プロちゃんの描画タスクは、まだ終わりそうにない。
広範囲に及ぶ描画は部分的にでも何かの図案に見えそうなもんだが、今のところ全く意味をなさない。
それでも、何かしらの答えが出力されているのだ。待つだけの価値はある。
ホワイトボード用のペンが無くなるまでに描きあがってくれりゃ、それでイイ。
「並プロちゃんの絵は、まだ掛かりそうだな……いまのうちに片づけておくか」
俺たちは、散らかった作業台の後片づけを始めた。
「先生? 手がお留守ですわよ?」
ぐりん。作図の手はそのままで、首だけで後ろを振り返る実物大並プロちゃん。
「先生はどうぞ執筆を続けてください。後片づけは私が――クス♪」
ずずいと、軍用コンソールを俺の目の前に押しやる、有能秘書みたいなすまし顔。
「地味子てめえ、おぼえてろよ――ぼそり」
非常にムカつくが、まあいい。
今日は、検算部の動作確認と、並プロちゃんへの質疑応答が出来れば、御の字だ。
他のことには目をつむってやる。
ようやく俺たちに対する脅威、『不規則な不可避状況』とか言うヤツの正体がわかる。
もっとも、最大の脅威である巨大重機は壊してしまったから、それほど深刻なモンじゃなくなったが。
§
「ふぃー、僕はどーにかレポートの目処が付きましたよ。そっちはどんな感じですかー?」
いま俺たちは、地味子が入れてくれた紅茶で休憩中。
お茶請けには、ヴォストーク食品工業謹製の並プロちゃんお菓子試作品。
試食した残りがまだ、たくさん残っているのだ。
「ふぃーっ! 大変長らくお待たせいたしましたわぁー♪」
ほどなく並プロちゃんのお絵かきは終了した――――ボボポムン♪
『1/1スケール並プロちゃん』が煙のようにかき消えると、ホワイトボードの電動アームも停止した。
「あれ? 実物大はもう終わりなの、並プロちゃん?」
手元の朱色に話しかける違崎。
「ずっと、演算パワーをつぎ込んでわ、いられませんものぉー♪ ふぅーっ!」
返事をしたのは、カパリと開いた黒い箱。
足下の小型プロジェクタレンズから浮かび上がる半透明が、機体を旋回させた。
コッチを見つめる小さな半透明は、さっきまで人間サイズだった姿形と同じモノ。
等身はデフォルメされ、いつものアニメかゲームキャラみたいに戻ってたけど。
長めのボブカットにミニスカート&スナイパーライフルという、MR実行部の普段着(?)とは違っていた。
もともと並プロちゃん達は、全部で一個の人格を構成している。
今は、主幹部のお嬢様キャラクタが、最前面に表れているのだ。
「並プロちゃん、お疲れ様――――コレは電子回路図? ――パリパリ♪」
ねぎらいの言葉を掛ける地味子。
食べているのは、厚切りポテトチップス(沢庵炒飯味)。
視線は、ホワイトボードへ向けられている。
「…………いや、ココに距離尺が書いてある。五千分の一の地図か? ――バリボリボリ♪」
瓦煎餅はやたらと堅かった。
「…………でも、これ迷路みたいになってますよ……ものすごく細かい――パリパリ、サクサク♪」
違崎が摘まんでるのは、四角いピンク色。
ソレうまそうだな……一個くれ。
――――キュキュッ♪
くるくると旋回していたMR実行部@お嬢様Verが、急停止した。
体に巻き付いたツインテールが、ハラリとほどけていく。
「身体認知度85%に到達――――身体性拡張プロトコル起動……起動中……起動中……」
またなんかの受諾画面が出た。
「えーっと、通常のマイナーバージョンアップですが、強化学習ライブラリの更新が必要なので、その認証をしてあげてください。LV3指紋認証が使えます」
LV3の指紋認証ってのはアレだ。地味子が素手で並プロちゃんのプレイヤブルキャラをひっ掴んだ時の。
俺は、プラカードを掲げる小さな半透明を、直接指で突いた。
MR実行部@お嬢様Verが頭を抱えた……と思ったら、そのままバックして作業台のヘリから落ちる。
カシャッ、キュルッ――――キュロララァァァァァァ!
着地と同時に華麗な180度ターンを決め、ホワイトボードへ急接近。
「未定義の概念PTE1-02が――――」
――――ズシャッ!
大の字になって飛び上がるMR実行部@お嬢様Ver。
「――――言語化、可能になりましたわぁ~♪」
カシャリと、電動アーム(白)にキャッチされる。
キュキュ、キュキュキュッ♪
白い腕が器用に、巨大ペンを抱えたMR実行部で、『謎地図タイトル』を書き込んだ。
『先進的齟齬頒布図』
未定義の概念PTE1-02てのが、『不規則な不可避状況』だとして――
「……プログレッシブエラー?」
謎の地図だか電子回路図だかに付けられたタイトル――
「……頒布図?」
俺と地味子は首をひねった。
「あ、あーっ、僕わかりましたよ! コレ――――サクサク、パリパリ♪」
じっとホワイトボードを見つめて頭を動かしてた違崎が、抜かしやがる。
「な、なんだと――ヒントだ! ヒントよこせっ!」
「そ、そうね――ちょっとだけヒントちょうだいっ!」
「そんなに難しくないよね、並プロちゃーん――――もぐもぐ♪」
「じゃあ、言ってみてー♪」
朱色の箱からカメラ腕が伸びた。
カメラには当然マイクも搭載されている。
「――――迷路をとくと、〝電気街で僕たちが歩いた道順〟になってるんでしょ?」
「違崎クーンッ、大ッ正ッ解ー!」
はじける笑顔のMR実行部@お嬢様Ver。
やい違崎、声がでけえ。聞こえちまったじゃねーか!
そういや前にも、図形を使ったクイズなんかで真っ先に答えたコトが、あった気がする。
「もうっ、アトちょっとで私にだって、わかったんですからねっ!」
地味子も、子供みたいに憤慨してる。
まあ、わからんではない。
この後輩1にして営業部長|(見習い)は、普段の調子からは想像も付かない様な凄い事を、ごく稀にするのだ。
俺は、初めて聞いた並プロちゃんの声に、かろうじて返事をした。
このサイコロ(サイの目はない)たちは、まさに未知数の塊だった。
いかん。ヒープダイン社代表や一技術者としてだけじゃなく――金平緋加次個人としても、並プロちゃんは興味深すぎて気を抜くと顔がニヤけてしまう。
「それが並プロちゃんの声!? かっわいいー♪」
違崎が話しかけているのは〝AR電影部〟。
気づけば違崎のかたわらに居ることが多い朱箱の物理機能は、〝映像投影〟だ。
「ふっふーん♪ ありがとう違崎クン。仕上がりは上々でぇすわぁー。ルラァーーッ♪」
声質がどこかモッサリしてるのに、やたらと滑舌が良くて本当にゲームキャラ――お嬢様っぽい主幹部のキャラクタに、とてもよく似合っていた。
物理的に存在する7機体を統括するのが〝主幹部〟であり、3個の量子ノードで構成される旗艦機体だ。
並プロちゃん達のキャラクタを作り上げているのは、一号機に内蔵された三号機である〝造形部〟だ。
簡易的な量子ビットエラー処理を受け持つのが〝量子キャッシュ〟の二号機。二号機の機能を今後検算部が受け持つので、この部分のリソースが完全に解放されたことになる。
「本当にカワイイわよ、並プロちゃん! 〝検算部〟の調子はどう?」
ソフトウェア制作者である鱵ふつうが、鼻息を荒くしている。
「緋加次クンが設計した基本スペックにはほど遠いけれどぉ、こーして自分の声で話すことが出来るようになりましたわぁー❤」
「緋加次……君!? はは、すっげー照れんだけど? あと、カワイイ」
俺は動揺する。いくら可能性の塊とはいえ、生まれてまだ一年の年下のお嬢様AIから『君』づけで呼ばれるのは、こそばゆくて無茶無茶気恥ずかしい。
ひょっとしたら、この間の地味子の「緋加次君」呼びのマネをしてるのかもしれんが、どっちにしろハズい。
「うふふ、朴念仁の珈琲先輩もタジタジねー」
ぼくねんじん……何その俺に対する評価。初耳だけど?
「造形部のメタ認知と肖像隣接権の照会――OKっと♪」
ノートPCを操作する地味子の指先が、弾んでいる。
並プロちゃんの発声に関する、品質と法的チェックの受諾画面が俺のPC画面にも出たから、『OK』を押してやる。
「チチチ、ピーーーーッ♪ みんな準備はよくって?」
主幹部が言ったみんなってのは、全9機の並列プロジェクト一式のコトだ。
黒箱が閉じて角のLEDを光らせたり、朱箱のカメラ腕が三本に増えたり、全体的に並プロちゃん達の動きが活発になった。
シシッ♪
地味子が空間投影してた平面が、わずかに拡大された。
その効果音は、主幹部がチャット画面に入力したときの音に似てて。
人間だったら、ちょうど実物大くらいの大きさになった顔アイコン。その眼が閉じられ――――
シシシシーッ♪
効果音とともに平面が――動き出した。
まるで3Dプリンタのように立体化されたのは、実物大の並プロちゃんの顔。
「モデリングしたのは、声道だけじゃ有りませんのよ♪」
その実物大の立体形状が、つややかな唇をうごめかせた。
シシシ、シシシーーッ♪
動く平面の軌道が垂直になり――首筋から鎖骨のすっとした表面部分が描かれていく。
スゥーーッ。
平面が作業台に着いて描ききれなくなると、平面がすっと持ち上がった。
シシ、シーーーーーーーーーーッ♪
へそ、腰、再開される人体出力。
胸と腰の出っ張った部分で若干引っかかったが、平面はカカトまで行き着いた。
描き出された造形は、なめらかで華奢だった。
「なんか、地味子みたいな……体つきだな?」
――――フォォォォォン♪
床に落ちた平面が回転を始めると、等身大のフォルムが追従する。
ゆっくりと回転する立体的なフォルムは、人として違和感がない程度に調整されていた。
顔つきもデフォルメが押さえられていて、ものすごく丁寧な作りの3Dアニメのよう。
「よいしょっ、ですわー♪」
平面から並プロちゃんが、飛び降りた。
左右の耳に残った 『('_')²』と『('_')³』のイヤリングが揺れる。
アイコン2と3はアニメ造形のままだ。
たしかに、リアル調だと生首みたいになっちまうから、コレでいいんだろうな。
〝造形部〟が良い仕事をしてくれた、ということなのだろう。
「ちょっ、なっ、何、いやらしい眼で見てるんですか!? このっ、エロ珈琲ー!」
数多のゲームグラフィックのように、おっぱいがやたらとプルンプルンして、目のやり場に困ったのは確かだが――
「エロ珈琲とはなんだ! せめてエロ代表と呼べ!」
地味子より胸部の発育が少し活発なのは、誰か(ソフトウェア制作者)の意向か願望を、反映した結果なのかもしれない。
地味子がコンソールを操作すると、ピタピタのSFコスチュームから、スカートとベストと小さな帽子みたいなのが、形作られた。
ほぼいつもの〝主幹部アイコン〟と同じ装いになった。
「クスクスクス♪ 先生……そういえば、本日分の更新がまだ、お済みでないようでした・け・れ・どぉ?」
目の前に、実物大の並プロちゃんが歩いてきた。
ゲーマー特区自慢の空間投影技術に、並びうるのではないかという臨場感。
こんな未来技術は、俺にはない。
〝AR電影部〟を作るとき、スマートプロジェクターとして最高の機能を実装はしたが、空間投影周りのプログラミングは全てが地味子任せだ。
その地味子も、「投影領域限界の30センチを超えてる……何で? エロ代表、何かしました?」
「そっちこそ映像周りの強化学習ライブラリ、追加してないだろうな?」
俺たちは鏡あわせに、顔を左右に振った。
そして視線は仮組み状態の新型機、〝並列プロジェクト検算部5847389Ttr:v1・000・0000000001/r9〟へ向けられる。
どぎつい色のケーブル末端で高速点滅するLED。その上に空間投影された採番は、後方互換のないメジャーバージョンへと更新されていた。
さっきの受諾画面には、その認証に関するチェックボックスもあったし、AI開発には劇的な変化がどこからともなく訪れることが、ごく稀にある。
あるが――――
「ふーん。身長は副部長ちゃんと、同じくらいっスね」
違崎が、空間投影された実物大並プロちゃんの横に立ち、水平チョップを自分のアゴあたりに何度も突き立てている。
背格好は、地味子を90%程度に縮小したくらいか。
並プロちゃん達は9号機である検算部の機能により、数倍程度の演算能力――つまりソコソコ大きな余剰演算リソースを獲得した。
その潤沢な演算能力を駆使し、かねてからタスク上位にリストされていた仕事を完成させたのだ。
「最尤推定モデルによるシミュレーション開始。身体定位修正、身体認知度60%――――♪」
その結果――――実物大立体映像が、軽い運動を始めた。
わずかにブロックノイズやAI生成特有の光学的環境処理の甘さなんかが現れていたが、かなりの実体感をともなっている。
VR映像クリエイターか俺たちみたいな重度のゲーマーでもなけりゃ、ソコに人が居ると信じて疑わないだろう。
じっくりと顔を見れば、その造形が現実の物ではないことはスグにわかるだろうが、大きく旋回された両拳を違崎がよける位には臨場感がある。
「ふうん、ふつうちゃん達わぁ、こーんなふうに自分を外界と選別していたのねぇー♪」
セリフから察するなら〝人間一人分の身体性〟を獲得した……している最中らしい。
5,6号機の過剰な戦闘能力の件で凹んでたから看過してたけど、このあとの質疑いかんでは相当すりあわせておかないとダメだ。
地味子だけじゃなくて、並プロちゃんとも。
試行錯誤の末にオーバースペックに到達するのは全然OKだが、ソレが急速に達せられた場合、倫理上・運用上の練度の問題が生じる。
子供の頃見た〝ディストピア映画〟が脳裏をよぎった。
もちろん、短絡的に〝並プロちゃんVS人類〟という図式を思い描いたわけじゃない。
それに、そういう話なら9号機が直接の原因となる以上、主犯は俺ってことになる。
それも含めて今は、最優先で聞かなきゃならないことがある。
「そういえば先生――――ふわっさぁ~♪」
並プロちゃん(実物大)が髪をかき上げると、肩くらいまでだったツインテールが、膝下にまでスルスルと伸びた。
「――本日は一週間連続投稿の最終日。私、とてもとても楽しみにしていますのよ?」
軍用ノートPCの画面をのぞき込む仕草は、まだどこかぎこちなかったけど地味子ソックリだった。
「ぐっ、何回も催促しなくても、わかってるよ。約束だからな」
そう、並プロちゃんは巨大重機迎撃の対価として、小説の更新を要求した。
量子エディタを立ち上げ、執筆途中のテキストファイルを開く。
「じゃあ、執筆しながら聞くから説明してくれ、〝しんぎゅらん〟ってなんだ?」
§
『しんぎゅらんⓇ――――とは?』
ホワイトボードに書かれた文字は、PCで印刷したように整っていた。
これは俺も使ってる視認性重視の、コーディング向けオープンソースフォントだな。
Ⓡなんて付いてるなら、商標登録した企業か個人が存在するのかもしれない。
そう思って商標登録を検索したが、少なくとも日本では出願もされていなかった。
「まず、見ていただきたい概念がございますの♪」
キューッ、キューキューッ、キュゥゥゥゥゥゥッ♪
並プロちゃんの手が、ペンを手に取り作図を開始する。
実体映像である等身大並プロちゃんの動きに合わせて、ホワイトボードに取り付けられた白い電動アームが描画しているのだ。
「おい――ひそひそ――並プロちゃん、このまま外に出て行ったりはしないだろうな?」
「いえ――ひそひそ――行動範囲は全天カメラの有効撮影範囲に限られますので……原因は目下、解析中ですが」
自分のノートPC画面を見せる地味子の、やや悔しげな表情。まあ、気持ちはわかる。
原因不明に性能が上がっても、手柄にはならないし対処も出来ないからな。
PC画面には、自宅兼作業場のリビングを切り取るような、『1/1スケール並プロちゃん:行動可能範囲』が表示されている。
蛍光グリーンの多角形はカメラの死角となる、リビングの角先が欠けていた。
キュキュー、キュキュキュキュー♪
ロングツインテールお嬢様が何らかの図案を、精密な筆致で描き出していく。
似たような板書機能を持つAI講師とは一線を画す、〝対人性〟とでも言うべき存在感。
苦悩する地味子には悪いが、この臨場感は――凄く面白かった。
カメラの撮影範囲だけ動けるってのは、映像の空間定位……座標習得の為に俯瞰映像を利用しているからだろう。
「……地味子は、ゲーマー特区行ったことあるか?」
ゲーマー特区の実像定位技術も、通常のホログラフィーとは一線を画すモノだと聞いている。
「はい、何度か」「僕も年2回ある大型イベントの時に、行きましたよ」
「じゃあ、コレどう思う? 特区のと同じようなもんか?」
ホワイトボードにかじりつき作図に励む、並プロちゃん(実物大)を指さした。
『規格外の演算能力を起因とする実体映像技術』
言葉にすると、かなり似通った技術なんじゃないかと思うんだが……もし同じモノなら特許の関係上、この〝板書可能な実体映像人物AI〟を商品化することは難しくなる。
「いえ、特区のはホワイトボードごと、全部が実体映像って言うか――」
「だよね。しかも、場合によったら食べられるし――」
「食べられる? うん、ワカラン。俺も一回、体験しておくべきだなー」
もし、ゲーマー特区のある関東近郊まで出向くなら、リニアを使うしかないから少し面倒だ。
ヒープダイン社には自社用VTOLも特大型ドローンもない以上、仕方がない。
地味子の実家には有りそうだが、もうだいぶ世話になりすぎてて……聞くことすらはばかられる。
同じ理由で、鱵家に関する詮索は、一時保留するコトにした。
本気で調べるとなると、どうしたって先方にもその事実が伝わるからだ。
藤坪氏のような手練れが居るならなおさらで、廉価版原子回路が製品化できるまでは――事なかれ主義で行くことにする。
キュキュキューーッ♪
並プロちゃんの描画タスクは、まだ終わりそうにない。
広範囲に及ぶ描画は部分的にでも何かの図案に見えそうなもんだが、今のところ全く意味をなさない。
それでも、何かしらの答えが出力されているのだ。待つだけの価値はある。
ホワイトボード用のペンが無くなるまでに描きあがってくれりゃ、それでイイ。
「並プロちゃんの絵は、まだ掛かりそうだな……いまのうちに片づけておくか」
俺たちは、散らかった作業台の後片づけを始めた。
「先生? 手がお留守ですわよ?」
ぐりん。作図の手はそのままで、首だけで後ろを振り返る実物大並プロちゃん。
「先生はどうぞ執筆を続けてください。後片づけは私が――クス♪」
ずずいと、軍用コンソールを俺の目の前に押しやる、有能秘書みたいなすまし顔。
「地味子てめえ、おぼえてろよ――ぼそり」
非常にムカつくが、まあいい。
今日は、検算部の動作確認と、並プロちゃんへの質疑応答が出来れば、御の字だ。
他のことには目をつむってやる。
ようやく俺たちに対する脅威、『不規則な不可避状況』とか言うヤツの正体がわかる。
もっとも、最大の脅威である巨大重機は壊してしまったから、それほど深刻なモンじゃなくなったが。
§
「ふぃー、僕はどーにかレポートの目処が付きましたよ。そっちはどんな感じですかー?」
いま俺たちは、地味子が入れてくれた紅茶で休憩中。
お茶請けには、ヴォストーク食品工業謹製の並プロちゃんお菓子試作品。
試食した残りがまだ、たくさん残っているのだ。
「ふぃーっ! 大変長らくお待たせいたしましたわぁー♪」
ほどなく並プロちゃんのお絵かきは終了した――――ボボポムン♪
『1/1スケール並プロちゃん』が煙のようにかき消えると、ホワイトボードの電動アームも停止した。
「あれ? 実物大はもう終わりなの、並プロちゃん?」
手元の朱色に話しかける違崎。
「ずっと、演算パワーをつぎ込んでわ、いられませんものぉー♪ ふぅーっ!」
返事をしたのは、カパリと開いた黒い箱。
足下の小型プロジェクタレンズから浮かび上がる半透明が、機体を旋回させた。
コッチを見つめる小さな半透明は、さっきまで人間サイズだった姿形と同じモノ。
等身はデフォルメされ、いつものアニメかゲームキャラみたいに戻ってたけど。
長めのボブカットにミニスカート&スナイパーライフルという、MR実行部の普段着(?)とは違っていた。
もともと並プロちゃん達は、全部で一個の人格を構成している。
今は、主幹部のお嬢様キャラクタが、最前面に表れているのだ。
「並プロちゃん、お疲れ様――――コレは電子回路図? ――パリパリ♪」
ねぎらいの言葉を掛ける地味子。
食べているのは、厚切りポテトチップス(沢庵炒飯味)。
視線は、ホワイトボードへ向けられている。
「…………いや、ココに距離尺が書いてある。五千分の一の地図か? ――バリボリボリ♪」
瓦煎餅はやたらと堅かった。
「…………でも、これ迷路みたいになってますよ……ものすごく細かい――パリパリ、サクサク♪」
違崎が摘まんでるのは、四角いピンク色。
ソレうまそうだな……一個くれ。
――――キュキュッ♪
くるくると旋回していたMR実行部@お嬢様Verが、急停止した。
体に巻き付いたツインテールが、ハラリとほどけていく。
「身体認知度85%に到達――――身体性拡張プロトコル起動……起動中……起動中……」
またなんかの受諾画面が出た。
「えーっと、通常のマイナーバージョンアップですが、強化学習ライブラリの更新が必要なので、その認証をしてあげてください。LV3指紋認証が使えます」
LV3の指紋認証ってのはアレだ。地味子が素手で並プロちゃんのプレイヤブルキャラをひっ掴んだ時の。
俺は、プラカードを掲げる小さな半透明を、直接指で突いた。
MR実行部@お嬢様Verが頭を抱えた……と思ったら、そのままバックして作業台のヘリから落ちる。
カシャッ、キュルッ――――キュロララァァァァァァ!
着地と同時に華麗な180度ターンを決め、ホワイトボードへ急接近。
「未定義の概念PTE1-02が――――」
――――ズシャッ!
大の字になって飛び上がるMR実行部@お嬢様Ver。
「――――言語化、可能になりましたわぁ~♪」
カシャリと、電動アーム(白)にキャッチされる。
キュキュ、キュキュキュッ♪
白い腕が器用に、巨大ペンを抱えたMR実行部で、『謎地図タイトル』を書き込んだ。
『先進的齟齬頒布図』
未定義の概念PTE1-02てのが、『不規則な不可避状況』だとして――
「……プログレッシブエラー?」
謎の地図だか電子回路図だかに付けられたタイトル――
「……頒布図?」
俺と地味子は首をひねった。
「あ、あーっ、僕わかりましたよ! コレ――――サクサク、パリパリ♪」
じっとホワイトボードを見つめて頭を動かしてた違崎が、抜かしやがる。
「な、なんだと――ヒントだ! ヒントよこせっ!」
「そ、そうね――ちょっとだけヒントちょうだいっ!」
「そんなに難しくないよね、並プロちゃーん――――もぐもぐ♪」
「じゃあ、言ってみてー♪」
朱色の箱からカメラ腕が伸びた。
カメラには当然マイクも搭載されている。
「――――迷路をとくと、〝電気街で僕たちが歩いた道順〟になってるんでしょ?」
「違崎クーンッ、大ッ正ッ解ー!」
はじける笑顔のMR実行部@お嬢様Ver。
やい違崎、声がでけえ。聞こえちまったじゃねーか!
そういや前にも、図形を使ったクイズなんかで真っ先に答えたコトが、あった気がする。
「もうっ、アトちょっとで私にだって、わかったんですからねっ!」
地味子も、子供みたいに憤慨してる。
まあ、わからんではない。
この後輩1にして営業部長|(見習い)は、普段の調子からは想像も付かない様な凄い事を、ごく稀にするのだ。
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