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宇宙召喚編
第29話 未来のお風呂
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これは西暦9980年のはるか未来のお話。
仲をふかめるために、一晩一緒に過ごす事になったマイとマイン。
普通だったらパジャマパーティと洒落込むところだが、この作品の女性キャラはアバター姿の召喚者である。
着ている服は、戦闘服のボディスーツしかない。
戦闘の報酬でおしゃれな服をねだっても、着て行く場所もないだろと、却下されてしまう。
これでは、インドアな趣味にはしるしかなかった。
部屋を見渡すマイ。
「もう、恥ずかしいからやめて。」
そう言って顔を伏せるマイン。
「じゃあ、これで最後。ね、もう一つだけいいでしょ?」
興味津々なマイも、マインに悪いと思いつつ、でも好奇心は止められない。
「これで最後よ。最後にしてちょうだい。」
マインは、これで最後にはならない予感がした。
「じゃあ、あれ。」
マイは、別室にある物体を指さす。
ベッドくらいの大きさの、カプセル状の物体。
マイには寝具に見えたが、使い方が分からない。
それに、ベッドなら別の場所にちゃんとある。
「あれ?ボディクリーナーがどうかしたの?」
マインはあって当たり前のその物体に、なぜマイが興味持つのか分からなかった。
「あ、私が使うところを見たいの?マイのエッチぃ。」
マインはそう言うが、マイは普通にキョトンとしている。
「ぼでぃくりーなーって、何?」
そんなマイに、マインは驚く。つか怒る。
「ボディクリーナーはボディクリーナーでしょ。ふざけないでよ。」
「と言われても、僕の時代にはなかったから。」
それでもマインの怒りの感情は収まらない。
「ボディクリーナーが無いって、どんな時代よ。どうやって身体洗うのかしら?マーイ?」
「えと、お風呂でシャワーとかで。」
なぜマインが怒ってるのか分からないマイだが、気圧されながらもなんとか答える。
「お風呂?シャワー?シャワーって水かけるあれ?
あれで身体洗うの?どうやって?」
「どうって、こんな感じで。」
マイは右手を頭の上にあげ、左手で身体をこする。
それ見てふきだすマイン。
「ちょ、ちょっと何それ。ふざけないでよ。」
と言ってみても、マイにふざけた感じはしない。
「ふざけて、ない、みたいだね?」
「うん。」
マイはちょっとふてくされて、ボソりとつぶやく。
「ほんとに知らないの?ボディクリーナー。」
マインは、ちょっと怒りすぎたかなって、少し反省ぎみに尋ねてみる。
「だから、知らないって。僕の時代にそんなもんないから!」
今度はマイが、少し怒りぎみ。
自分の早とちりが、おかしく感じるマインは、笑いながら謝る。
「ごめん、ごめん。ボディクリーナー知らないなんて、ほんと思わなかったから。」
「僕、知らないってちゃんと言ったよね?」
マイはちょっとむくれてる。いや、そこそこむくれてる。
「ごめんって。いやー、マイとは三百年違うだけでしょ?
まさか三百年でこうも文化が違うとは、思わなかったよ。」
「いや、三百年あったら、結構変わるよ?」
マイは自分の時代の三百年前を思いながら、そう応える。
「だからごめんって。私が使ってるところを見せてあげるから、機嫌なおしてよ。」
マインのその言葉に、マイの膨れっ面も、少しはおさまる。
マインは早速、ボディクリーナーを使ってみせる。
「この時代のボディクリーナーってね、すごいのよ。
なんと、服を脱がなくていいのだ!」
と言っても、マイは無反応。
「って、マイは知らないんだっけ。」
「うん。」
マイは膨れっ面でうなずく。
「ごめんって。
えと、超高速モードでも五分かかるのか。
ほんとは一時間はかけたいんだけど、仕方ないかな。」
マインはタイマーらしきモノをセットすると、ベッドに横になる。
横になったマインは、右手の手元のスイッチを押す。
するとベッドは傾きはじめる。
傾斜角が45度くらいになると、動きが止まる。
足元からカプセル状のふたがせり出し、ベッド全体を覆う。
マインの身体が、ベッドを離れて、宙に浮く。
これにはマイもびっくり。
「驚いた?これはね、」
そんなマイに話しかけるマインだが、中は防音で、外には聞こえない事を思い出し、説明するのをやめ、目を閉じる。
足元から温水が溢れてきて、マインの肩まで漬かったら、温水は止まる。
今度はマインの戦闘服のボディスーツが薄くなる。色素的に。
ボディスーツは消えて、マインは全裸になる。
温水は回転を始め、無数の小さな泡が、マインの全身を洗う。
温水が引くと、顔と髪の毛に霧状のお湯?らしきものが吹きかけられる。
全身を温風が覆う。
見えない手で全身が揉まれているかのように、身体の表面が揺れ動く。
消えていたボディスーツが再び現れ、マインの全身を覆う。
宙に浮いていたマインの身体がベッドに着地すると、ベッドの傾斜がなくなっていく。
完全に水平になると、カプセル状のふたが開く。
「どう?これがボディクリーナーよ。
って、そのままの意味なんだから、この名前から想像つくでしょ。」
マイは言葉が出なかった。
初めて見るそれは、凄いと言えばいいのか、すんげーと言えばいいのか、マイは分からなかった。
マイは目を輝かせて、口を半開きで見ているだけだった。
「マイ、あなたも使ってみたいの?」
そんなマイに、マインは聞いてみる。
「え?いいよいいよ、僕は大丈夫だって。」
マイは両手を振って拒絶する。
「なによ、そんなに嫌がらなくても、」
マインは、マイの慌てっぷりに驚くが、すぐに気がつく。
怖いんだな。
「いいからいいから、使ってみなさいって。」
マインはマイの手を引っ張る。
「マイン、僕はいいから。ね、僕はいいから。」
マイは身体が震える。それを見てマインは思う。
こんな事で震えていてはダメだ。この先何が起きるのか分からない。これくらい、克服してくれないと、マイは絶対困る!
「ダーメ、私の入浴シーン見たんだから、マイの入浴シーンも見せなさい。」
「へ、へー、これも、入浴シーンって呼ぶんだ。」
マイは観念してベッドに横になる。
そんなマイの右手に、マインは自分の手を重ねる。
一瞬ビクつくマイ。
「何怖がってんのよ。」
「こ、怖くなんか、ないし。」
強がるマイの右手を、マインはある場所へと導く。
「これがスイッチよ。」
マインにそう言われると、指先に確かにスイッチらしき感触がある。
「これ、いざと言う時の緊急非常停止ボタンにもなってるから、怖くなったら押してね。」
「き、緊急って、何が起きるの?大丈夫だよね、ねえ?」
マイは少し不安になって少し震えながら尋ねる。
「何もないから、大丈夫、よ。」
そう言いながら、マインはマイの右手に重ねた手に、力を込める。
マイは右手に、スイッチを押した感覚を感じる。
傾きだすベッド。
「ちょっと、何してくれてんの?大丈夫なんだよね、これ。」
傾斜角45度になると、ベッドの動きが止まる。
今度は、足元からカプセル状のふたがせり出してくる。
「な、何か来た。大丈夫なんだよね、マイン、マイン?」
マイは顔を横に向ける。そこにいるはずのマインの姿がない!
「マイン!ねえ、どこ行ったの、マイン!ひとりにしないでよ。」
マイは泣き声でマインの姿を探す。
「ちゃんといるよー。」
いきなり姿を見せるマイン。
その場でしゃがんで、マイの視界から消えた後、普通に立っただけだった。
「マイン、お願いだから、そこにいて。」
安心したマイは、そうマインに懇願してたら、カプセルがベッド全体を覆い包む。
「いるよー。」
そう言うマインの声は、もうマイには聞こえない。
マイは突然、浮遊感を感じる。と同時に、
「あ、マインの匂い。」
このボディクリーナーは一度使用後、自動洗浄機能が働く。
しかし今回は、マインが使った後の連続使用。
この浮遊機能が作動した時、マインの残り香がカプセル内に充満したのだ。
これは注意事項として、やってはいけない行為であった。
正常に機能しないおそれがあるからだ。
ちなみにマインは、この自動洗浄機能を、一度も使った事がない。
マインの時代のボディクリーナーにあったこの機能は、普通にめんどくさい機能だったからだ。
自分の匂いとは、普通は分からないものである。
マイがマインの残り香を堪能していると、足元から温水が溢れてくる。
「ひゃ?」
マインの残り香に包まれてたマイは、現実に戻される。
衣服を着たまま水に浸かるのは、なんか気色のいいものではない。
マイは温水が肩の位置で本当に止まるのか、怖くなる。
緊急非常停止ボタンに手を伸ばそうとするが、指が動かない!
宙に固定されたマイの身体は、数センチ身動きは出来るものの、自由に動かす事は出来なかった。
これで、どうやって緊急非常停止ボタンを押すのだろう?
その方法はちゃんとあるのだが、今のマイには気がつかない。
こうなったら、マインを信じるしかない。
マイは目を閉じると、温水が肩の位置で止まってくれる事を願う。
ほどなくして、温水は肩の位置で止まる。
マイはほっとして目を開けると、覗き込むマインと目があった。
マイは安心するが、なんかマインの目つきがエロい。
マイは気がついた。自分の戦闘服のボディスーツが透けてる事に。
「きゃー、マインのエッチぃ!」
マイはマインに温水をぶっかけようとするが、身体は動かない。
ボディスーツは完全に消え、マイは全裸になる。
「見ないでくださいのー、見ないでくださいのー。」
マイはそう言うが、マインはにっこりと手を振って応える。
「ちゃんと見てるからねー、安心してねー。」
温水が回転を始めると、マイの全身を細かい泡が洗浄し始める。
マインが自動洗浄機能を使わなかったこのボディクリーナーは、マイの全身を強烈に洗う。つまり、かなり痛かった。
「ちょ、痛いって、やめてって。」
それはマイが耐えられるギリギリの痛さだった。
飛び跳ねた温水が、マイの目に入る。
「わ、拭いてよ、ねえ、目に入ったよ、拭いてよ。」
マイは身体を動かせない。自分で目を拭く事も出来ず、拭いてくれる誰かもいない。
今のマイには、目を閉じてじっと耐える事しか出来なかった。
やがて細かい泡の攻撃にも慣れた頃、温水が引き、顔に何かぶっかけられる。
生暖かいそれは、なんか気持ちよかった。
と思うやいなや、温風の嵐がマイの全身を襲う!
目を開けられないマイには、無数の手で揉まれている感覚におちいる。
「ちょ、だめ、あ、ああ、そこ、だめ、」
マイは身体をよじって逃れたいのだが、宙に固定された身体は、動かす事が出来ない。
「や、やめ、て、あ、あ、ああー!」
温風のせめに耐えられなかったマイ。
消えてたボディスーツも現れ、宙に浮いてたマイの身体がベッドの上に横たわる。
ベッドの傾きが水平になり、カプセルのふたが開くも、マイの呼吸は乱れたままだった。
「終わったよー、マイ。」
呼吸が荒く、目を閉じたままのマイに、マインが声をかける。
マイが目を開けると、マインと目が合った。
途端に恥ずかしさがこみあげてくるマイ。
両手で顔を隠すと、両膝を曲げ、マインと反対方向に身体を向ける。
「は、恥ずかしい。」
マインに背を向けたマイは、それだけ言うのが、精一杯だった。
「マイだって、私の恥ずかしいところ見たのよ、おあいこよ。」
それを聞いたら、今のマイの格好は、馬鹿らしく感じた。
マイはベッドに座り直す。
「うん、おあいこだね。」
マイは照れた笑顔でそう言った。
仲をふかめるために、一晩一緒に過ごす事になったマイとマイン。
普通だったらパジャマパーティと洒落込むところだが、この作品の女性キャラはアバター姿の召喚者である。
着ている服は、戦闘服のボディスーツしかない。
戦闘の報酬でおしゃれな服をねだっても、着て行く場所もないだろと、却下されてしまう。
これでは、インドアな趣味にはしるしかなかった。
部屋を見渡すマイ。
「もう、恥ずかしいからやめて。」
そう言って顔を伏せるマイン。
「じゃあ、これで最後。ね、もう一つだけいいでしょ?」
興味津々なマイも、マインに悪いと思いつつ、でも好奇心は止められない。
「これで最後よ。最後にしてちょうだい。」
マインは、これで最後にはならない予感がした。
「じゃあ、あれ。」
マイは、別室にある物体を指さす。
ベッドくらいの大きさの、カプセル状の物体。
マイには寝具に見えたが、使い方が分からない。
それに、ベッドなら別の場所にちゃんとある。
「あれ?ボディクリーナーがどうかしたの?」
マインはあって当たり前のその物体に、なぜマイが興味持つのか分からなかった。
「あ、私が使うところを見たいの?マイのエッチぃ。」
マインはそう言うが、マイは普通にキョトンとしている。
「ぼでぃくりーなーって、何?」
そんなマイに、マインは驚く。つか怒る。
「ボディクリーナーはボディクリーナーでしょ。ふざけないでよ。」
「と言われても、僕の時代にはなかったから。」
それでもマインの怒りの感情は収まらない。
「ボディクリーナーが無いって、どんな時代よ。どうやって身体洗うのかしら?マーイ?」
「えと、お風呂でシャワーとかで。」
なぜマインが怒ってるのか分からないマイだが、気圧されながらもなんとか答える。
「お風呂?シャワー?シャワーって水かけるあれ?
あれで身体洗うの?どうやって?」
「どうって、こんな感じで。」
マイは右手を頭の上にあげ、左手で身体をこする。
それ見てふきだすマイン。
「ちょ、ちょっと何それ。ふざけないでよ。」
と言ってみても、マイにふざけた感じはしない。
「ふざけて、ない、みたいだね?」
「うん。」
マイはちょっとふてくされて、ボソりとつぶやく。
「ほんとに知らないの?ボディクリーナー。」
マインは、ちょっと怒りすぎたかなって、少し反省ぎみに尋ねてみる。
「だから、知らないって。僕の時代にそんなもんないから!」
今度はマイが、少し怒りぎみ。
自分の早とちりが、おかしく感じるマインは、笑いながら謝る。
「ごめん、ごめん。ボディクリーナー知らないなんて、ほんと思わなかったから。」
「僕、知らないってちゃんと言ったよね?」
マイはちょっとむくれてる。いや、そこそこむくれてる。
「ごめんって。いやー、マイとは三百年違うだけでしょ?
まさか三百年でこうも文化が違うとは、思わなかったよ。」
「いや、三百年あったら、結構変わるよ?」
マイは自分の時代の三百年前を思いながら、そう応える。
「だからごめんって。私が使ってるところを見せてあげるから、機嫌なおしてよ。」
マインのその言葉に、マイの膨れっ面も、少しはおさまる。
マインは早速、ボディクリーナーを使ってみせる。
「この時代のボディクリーナーってね、すごいのよ。
なんと、服を脱がなくていいのだ!」
と言っても、マイは無反応。
「って、マイは知らないんだっけ。」
「うん。」
マイは膨れっ面でうなずく。
「ごめんって。
えと、超高速モードでも五分かかるのか。
ほんとは一時間はかけたいんだけど、仕方ないかな。」
マインはタイマーらしきモノをセットすると、ベッドに横になる。
横になったマインは、右手の手元のスイッチを押す。
するとベッドは傾きはじめる。
傾斜角が45度くらいになると、動きが止まる。
足元からカプセル状のふたがせり出し、ベッド全体を覆う。
マインの身体が、ベッドを離れて、宙に浮く。
これにはマイもびっくり。
「驚いた?これはね、」
そんなマイに話しかけるマインだが、中は防音で、外には聞こえない事を思い出し、説明するのをやめ、目を閉じる。
足元から温水が溢れてきて、マインの肩まで漬かったら、温水は止まる。
今度はマインの戦闘服のボディスーツが薄くなる。色素的に。
ボディスーツは消えて、マインは全裸になる。
温水は回転を始め、無数の小さな泡が、マインの全身を洗う。
温水が引くと、顔と髪の毛に霧状のお湯?らしきものが吹きかけられる。
全身を温風が覆う。
見えない手で全身が揉まれているかのように、身体の表面が揺れ動く。
消えていたボディスーツが再び現れ、マインの全身を覆う。
宙に浮いていたマインの身体がベッドに着地すると、ベッドの傾斜がなくなっていく。
完全に水平になると、カプセル状のふたが開く。
「どう?これがボディクリーナーよ。
って、そのままの意味なんだから、この名前から想像つくでしょ。」
マイは言葉が出なかった。
初めて見るそれは、凄いと言えばいいのか、すんげーと言えばいいのか、マイは分からなかった。
マイは目を輝かせて、口を半開きで見ているだけだった。
「マイ、あなたも使ってみたいの?」
そんなマイに、マインは聞いてみる。
「え?いいよいいよ、僕は大丈夫だって。」
マイは両手を振って拒絶する。
「なによ、そんなに嫌がらなくても、」
マインは、マイの慌てっぷりに驚くが、すぐに気がつく。
怖いんだな。
「いいからいいから、使ってみなさいって。」
マインはマイの手を引っ張る。
「マイン、僕はいいから。ね、僕はいいから。」
マイは身体が震える。それを見てマインは思う。
こんな事で震えていてはダメだ。この先何が起きるのか分からない。これくらい、克服してくれないと、マイは絶対困る!
「ダーメ、私の入浴シーン見たんだから、マイの入浴シーンも見せなさい。」
「へ、へー、これも、入浴シーンって呼ぶんだ。」
マイは観念してベッドに横になる。
そんなマイの右手に、マインは自分の手を重ねる。
一瞬ビクつくマイ。
「何怖がってんのよ。」
「こ、怖くなんか、ないし。」
強がるマイの右手を、マインはある場所へと導く。
「これがスイッチよ。」
マインにそう言われると、指先に確かにスイッチらしき感触がある。
「これ、いざと言う時の緊急非常停止ボタンにもなってるから、怖くなったら押してね。」
「き、緊急って、何が起きるの?大丈夫だよね、ねえ?」
マイは少し不安になって少し震えながら尋ねる。
「何もないから、大丈夫、よ。」
そう言いながら、マインはマイの右手に重ねた手に、力を込める。
マイは右手に、スイッチを押した感覚を感じる。
傾きだすベッド。
「ちょっと、何してくれてんの?大丈夫なんだよね、これ。」
傾斜角45度になると、ベッドの動きが止まる。
今度は、足元からカプセル状のふたがせり出してくる。
「な、何か来た。大丈夫なんだよね、マイン、マイン?」
マイは顔を横に向ける。そこにいるはずのマインの姿がない!
「マイン!ねえ、どこ行ったの、マイン!ひとりにしないでよ。」
マイは泣き声でマインの姿を探す。
「ちゃんといるよー。」
いきなり姿を見せるマイン。
その場でしゃがんで、マイの視界から消えた後、普通に立っただけだった。
「マイン、お願いだから、そこにいて。」
安心したマイは、そうマインに懇願してたら、カプセルがベッド全体を覆い包む。
「いるよー。」
そう言うマインの声は、もうマイには聞こえない。
マイは突然、浮遊感を感じる。と同時に、
「あ、マインの匂い。」
このボディクリーナーは一度使用後、自動洗浄機能が働く。
しかし今回は、マインが使った後の連続使用。
この浮遊機能が作動した時、マインの残り香がカプセル内に充満したのだ。
これは注意事項として、やってはいけない行為であった。
正常に機能しないおそれがあるからだ。
ちなみにマインは、この自動洗浄機能を、一度も使った事がない。
マインの時代のボディクリーナーにあったこの機能は、普通にめんどくさい機能だったからだ。
自分の匂いとは、普通は分からないものである。
マイがマインの残り香を堪能していると、足元から温水が溢れてくる。
「ひゃ?」
マインの残り香に包まれてたマイは、現実に戻される。
衣服を着たまま水に浸かるのは、なんか気色のいいものではない。
マイは温水が肩の位置で本当に止まるのか、怖くなる。
緊急非常停止ボタンに手を伸ばそうとするが、指が動かない!
宙に固定されたマイの身体は、数センチ身動きは出来るものの、自由に動かす事は出来なかった。
これで、どうやって緊急非常停止ボタンを押すのだろう?
その方法はちゃんとあるのだが、今のマイには気がつかない。
こうなったら、マインを信じるしかない。
マイは目を閉じると、温水が肩の位置で止まってくれる事を願う。
ほどなくして、温水は肩の位置で止まる。
マイはほっとして目を開けると、覗き込むマインと目があった。
マイは安心するが、なんかマインの目つきがエロい。
マイは気がついた。自分の戦闘服のボディスーツが透けてる事に。
「きゃー、マインのエッチぃ!」
マイはマインに温水をぶっかけようとするが、身体は動かない。
ボディスーツは完全に消え、マイは全裸になる。
「見ないでくださいのー、見ないでくださいのー。」
マイはそう言うが、マインはにっこりと手を振って応える。
「ちゃんと見てるからねー、安心してねー。」
温水が回転を始めると、マイの全身を細かい泡が洗浄し始める。
マインが自動洗浄機能を使わなかったこのボディクリーナーは、マイの全身を強烈に洗う。つまり、かなり痛かった。
「ちょ、痛いって、やめてって。」
それはマイが耐えられるギリギリの痛さだった。
飛び跳ねた温水が、マイの目に入る。
「わ、拭いてよ、ねえ、目に入ったよ、拭いてよ。」
マイは身体を動かせない。自分で目を拭く事も出来ず、拭いてくれる誰かもいない。
今のマイには、目を閉じてじっと耐える事しか出来なかった。
やがて細かい泡の攻撃にも慣れた頃、温水が引き、顔に何かぶっかけられる。
生暖かいそれは、なんか気持ちよかった。
と思うやいなや、温風の嵐がマイの全身を襲う!
目を開けられないマイには、無数の手で揉まれている感覚におちいる。
「ちょ、だめ、あ、ああ、そこ、だめ、」
マイは身体をよじって逃れたいのだが、宙に固定された身体は、動かす事が出来ない。
「や、やめ、て、あ、あ、ああー!」
温風のせめに耐えられなかったマイ。
消えてたボディスーツも現れ、宙に浮いてたマイの身体がベッドの上に横たわる。
ベッドの傾きが水平になり、カプセルのふたが開くも、マイの呼吸は乱れたままだった。
「終わったよー、マイ。」
呼吸が荒く、目を閉じたままのマイに、マインが声をかける。
マイが目を開けると、マインと目が合った。
途端に恥ずかしさがこみあげてくるマイ。
両手で顔を隠すと、両膝を曲げ、マインと反対方向に身体を向ける。
「は、恥ずかしい。」
マインに背を向けたマイは、それだけ言うのが、精一杯だった。
「マイだって、私の恥ずかしいところ見たのよ、おあいこよ。」
それを聞いたら、今のマイの格好は、馬鹿らしく感じた。
マイはベッドに座り直す。
「うん、おあいこだね。」
マイは照れた笑顔でそう言った。
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