8 / 215
宇宙召喚編
第8話 試作型と改良型
しおりを挟む
これははるか未来の物語。
西暦9980年の未来に召喚されたマイは、そこで初めての実戦に挑む。
それは、初めて聞くトライフォースでの戦闘。
そのトライフォースを知るにつれ、そのトライフォースの可能性の奥深さに感動するマイであった。
ここでマイは疑問が生じる。
ユアは、三機同時に操縦するのは難しいと言っていた。
なぜだ?
三角形のイメージで操縦するのだから、それは一度に出来る。
難しくはない。と思う。
そして、このトライフォースについては、ユアに一日の長がある。
初めて触れるマイにも気づいた事。
これをユアが気づいていないとは、思えない。
何か、もっと奥深いものがあるのだろうか?
「ユアは、おそらく気づいていませんよ。」
マイの心を察して、アイが答える。
「うお、びっくりしたぁ。」
精神が同調しているので、マイの考える事は、言葉になる前にアイに伝わってしまう。
「いい加減、慣れて下さい。」
「って言われても。」
マイからは、アイの思考を感じる事は出来ない。アイからの情報のインストールを遡って、アイの思考を感じるのは難しい。
ただ、なんとなく、こうかなぁ?って思う程度であった。
「なんかずるい。」
それがマイの本音だ。
「で、なんでユアは気づいてないの?」
「ユアの機体には、投影システムが搭載されていません。」
「え?なんで?」
機体は同じじゃないのか?
「ユアの機体は、成長に応じてカスタマイズしていく機体です。
まだ投影システムは搭載されていないので、トライフォースについては、まだ理解していないと思われます。」
マイの機体には、既に搭載されている。
なのにユアの機体は成長に応じてカスタマイズだと?
この違いはなんなんだ?
その疑問に答えるため、アイは説明する。
「ちなみに、マイの機体の名称はシリウスαIです。」
「あるふぁーわん、つまり1号機なんだな!」
「ユアの機体は、シリウスγⅢです。」
「がんますりーって、三号機かよ。」
マイは、自分の機体が先の番号である事に、優越感を感じる。
が、アイの次の言葉が、その優越感を打ち消した。
「つまり、マイの機体は試作品で、ユアの機体は改良型です。」
「え、1号機ってそんな扱いなの?」
シリウス構想。
人体転送装置の設置を軸にした、戦闘システムの構築。
それが出発点だった。
人体の転送は、物質を転送させる事とは違った。
生命体を転送させると、肉体のみの転送になり、魂がともなわなかった。
これは、動物でも植物でも、虫でも同じだった。
そこで、魂についての研究が進められた。
精神と肉体との同調についての研究が進み、脱出用ポッドが実用化された時、魂と精神力を軍事利用する事も、可能となっていた。
この時、考えうる全ての可能性を詰め込んだ機体。
それがシリウスα1(アルファーワン)である。
しかしこのアルファーワン、機体と魂の同調が操作不能で、乗り手を選ぶ機体となった。
魂の波長が近い操縦士が選出されたが、うまく同調出来ず、脱出用ポッドと連動出来ずに戦死。
そこで、魂の波長が合うものを、過去の人間に求めるようになった。この時代に、魂の波長の合う人間がいなかったのだ。
この乗り手を選ぶ仕様を改良し、魂の波長を考慮せずに運用出来るようにした機体が、シリウスβ(ベータ)シリーズである。
しかし、精神との連動機能がほとんどカットされたため、戦闘機としては弱体化してしまった。
そして改良された機体が、シリウスγ(ガンマ)シリーズである。
機体と魂との同調に幅を持たせる事で、ベータシリーズには搭載出来なかった、精神に依存したシステムを搭載出来るようになった。
しかし、精神の波長が、ある程度同調した者にしか操縦出来なかった。アルファーワン程、シビアではなかったが。
「って、マイ。説明聞いてますか?」
ここまでの説明をマイにするアイ。
マイはうとうとし始めていた。
「えと、難しくて、よく分かんない。」
マイはバカづらの笑顔で答えた。
「はあ、これくらい理解して下さい。もっと長くなる所を、半分くらいはしょったんですからね。」
アイは、言いたい事の半分も言えなかったのにと、少し悲しくなる。
同時に、うまく伝えられなかった自分にも、悲しくなった。
「でも、これだけは分かったよ。」
マイはバカづらをやめ、ひきしまった顔つきでアイに言う。
「つまり、僕の機体の方が高性能てんこ盛りなんだな。」
アイが伝えたかった事と少し違うが、そんな事も言ってた気はする。
「ですが、扱いきれない機能は、邪魔になるだけです。無い方がマシです。
ユアの機体は、この考え方から作られてます。」
アイは、マイが慢心しないよう、忠告する。
「使いこなしてみせるよ、分かる範囲で!」
マイがそう答えた時、ユアとの決戦の時間がせまっていた。
決戦用の演習場へと移動する
西暦9980年の未来に召喚されたマイは、そこで初めての実戦に挑む。
それは、初めて聞くトライフォースでの戦闘。
そのトライフォースを知るにつれ、そのトライフォースの可能性の奥深さに感動するマイであった。
ここでマイは疑問が生じる。
ユアは、三機同時に操縦するのは難しいと言っていた。
なぜだ?
三角形のイメージで操縦するのだから、それは一度に出来る。
難しくはない。と思う。
そして、このトライフォースについては、ユアに一日の長がある。
初めて触れるマイにも気づいた事。
これをユアが気づいていないとは、思えない。
何か、もっと奥深いものがあるのだろうか?
「ユアは、おそらく気づいていませんよ。」
マイの心を察して、アイが答える。
「うお、びっくりしたぁ。」
精神が同調しているので、マイの考える事は、言葉になる前にアイに伝わってしまう。
「いい加減、慣れて下さい。」
「って言われても。」
マイからは、アイの思考を感じる事は出来ない。アイからの情報のインストールを遡って、アイの思考を感じるのは難しい。
ただ、なんとなく、こうかなぁ?って思う程度であった。
「なんかずるい。」
それがマイの本音だ。
「で、なんでユアは気づいてないの?」
「ユアの機体には、投影システムが搭載されていません。」
「え?なんで?」
機体は同じじゃないのか?
「ユアの機体は、成長に応じてカスタマイズしていく機体です。
まだ投影システムは搭載されていないので、トライフォースについては、まだ理解していないと思われます。」
マイの機体には、既に搭載されている。
なのにユアの機体は成長に応じてカスタマイズだと?
この違いはなんなんだ?
その疑問に答えるため、アイは説明する。
「ちなみに、マイの機体の名称はシリウスαIです。」
「あるふぁーわん、つまり1号機なんだな!」
「ユアの機体は、シリウスγⅢです。」
「がんますりーって、三号機かよ。」
マイは、自分の機体が先の番号である事に、優越感を感じる。
が、アイの次の言葉が、その優越感を打ち消した。
「つまり、マイの機体は試作品で、ユアの機体は改良型です。」
「え、1号機ってそんな扱いなの?」
シリウス構想。
人体転送装置の設置を軸にした、戦闘システムの構築。
それが出発点だった。
人体の転送は、物質を転送させる事とは違った。
生命体を転送させると、肉体のみの転送になり、魂がともなわなかった。
これは、動物でも植物でも、虫でも同じだった。
そこで、魂についての研究が進められた。
精神と肉体との同調についての研究が進み、脱出用ポッドが実用化された時、魂と精神力を軍事利用する事も、可能となっていた。
この時、考えうる全ての可能性を詰め込んだ機体。
それがシリウスα1(アルファーワン)である。
しかしこのアルファーワン、機体と魂の同調が操作不能で、乗り手を選ぶ機体となった。
魂の波長が近い操縦士が選出されたが、うまく同調出来ず、脱出用ポッドと連動出来ずに戦死。
そこで、魂の波長が合うものを、過去の人間に求めるようになった。この時代に、魂の波長の合う人間がいなかったのだ。
この乗り手を選ぶ仕様を改良し、魂の波長を考慮せずに運用出来るようにした機体が、シリウスβ(ベータ)シリーズである。
しかし、精神との連動機能がほとんどカットされたため、戦闘機としては弱体化してしまった。
そして改良された機体が、シリウスγ(ガンマ)シリーズである。
機体と魂との同調に幅を持たせる事で、ベータシリーズには搭載出来なかった、精神に依存したシステムを搭載出来るようになった。
しかし、精神の波長が、ある程度同調した者にしか操縦出来なかった。アルファーワン程、シビアではなかったが。
「って、マイ。説明聞いてますか?」
ここまでの説明をマイにするアイ。
マイはうとうとし始めていた。
「えと、難しくて、よく分かんない。」
マイはバカづらの笑顔で答えた。
「はあ、これくらい理解して下さい。もっと長くなる所を、半分くらいはしょったんですからね。」
アイは、言いたい事の半分も言えなかったのにと、少し悲しくなる。
同時に、うまく伝えられなかった自分にも、悲しくなった。
「でも、これだけは分かったよ。」
マイはバカづらをやめ、ひきしまった顔つきでアイに言う。
「つまり、僕の機体の方が高性能てんこ盛りなんだな。」
アイが伝えたかった事と少し違うが、そんな事も言ってた気はする。
「ですが、扱いきれない機能は、邪魔になるだけです。無い方がマシです。
ユアの機体は、この考え方から作られてます。」
アイは、マイが慢心しないよう、忠告する。
「使いこなしてみせるよ、分かる範囲で!」
マイがそう答えた時、ユアとの決戦の時間がせまっていた。
決戦用の演習場へと移動する
0
あなたにおすすめの小説
異世界宇宙SFの建艦記 ――最強の宇宙戦艦を建造せよ――
黒鯛の刺身♪
SF
主人公の飯富晴信(16)はしがない高校生。
ある朝目覚めると、そこは見たことのない工場の中だった。
この工場は宇宙船を作るための設備であり、材料さえあれば巨大な宇宙船を造ることもできた。
未知の世界を開拓しながら、主人公は現地の生物達とも交流。
そして時には、戦乱にも巻き込まれ……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
蒼穹の裏方
Flight_kj
SF
日本海軍のエンジンを中心とする航空技術開発のやり直し
未来の知識を有する主人公が、海軍機の開発のメッカ、空技廠でエンジンを中心として、武装や防弾にも口出しして航空機の開発をやり直す。性能の良いエンジンができれば、必然的に航空機も優れた機体となる。加えて、日本が遅れていた電子機器も知識を生かして開発を加速してゆく。それらを利用して如何に海軍は戦ってゆくのか?未来の知識を基にして、どのような戦いが可能になるのか?航空機に関連する開発を中心とした物語。カクヨムにも投稿しています。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる