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第二章:恋の芽
雪合戦!!(後)
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『それでは最終決戦です!!用意、スタート!!』
ーシュン!!ーー
ランドルフの投げる雪玉は速すぎて玉が見えない。特にランドルフはキースに狙いを定めているようにみえた。
「ぎゃー!団長、目が本気!!怖えぇ~」
キースはちょこまかと逃げまわる。するとキースは良いことを思い付いた!と言い、私の背中にピッタリとくっついた。ランドルフの攻撃が一旦収まる。
「キース貴様、女性の後ろに隠れるなんて良い度胸してるじゃねーか」
「だって団長怖いもん~」
キースは私達の後ろからひょっこり顔を出してランドルフと会話する。すると完全に盾にされた私は相手チームの少年にポスッと雪玉を当てられ失格となってしまった。
(あ~当てられちゃった)
ランドルフはこれを好機にと狙いを定め、ビューン!!と普通より少し重たそうな雪玉をキースの顔面に直撃させた。
「イッテェ・・・」
キースは鼻を真っ赤にして場外へ。残るは騎士団員トムとランドルフのみとなってしまったが、キースが「タイム!」と言い、補欠と選手交代の合図をとった。
そこに出てきたのは、およそ三歳の可愛らしい女の子であった。ランドルフは呆然とする。
ーテクテクテクテクテク
ースポッ
「ママ、旗取ったよ~」
『・・・』
『・・・・・・』
『Aチーム、補欠選手は、まさかの第二王女付き侍女サリーのお嬢ちゃんであるミミちゃん!う~ん可愛らしいです!!そしてフラグを取りました~!!Aチームの優勝!!!!』
(ずるい、ずるすぎる・・・)
どれだけの人が同じことを思ったであろうか。あんな可愛らしい女の子に誰も雪玉を当てれないではないか。ランドルフは唖然としていたが、しばらくして「汚いぞ、キース」と項垂れた。キースは鼻息まじりに「雪合戦も頭脳戦~♪」と鼻息まじりに歌っていた。サリーもミリアに近づき、「うちの息子はまだ赤ん坊だけど娘はもう三歳だから参加させたの~」とニコニコしながら娘を抱っこしてあげていた。
閉会の儀が行われ、ミリアたちは表彰台に立ち、優勝賞品であるチョコレートとシャンパンをシャーロットから受け渡された。サリーの娘ミミの「やったぁ~おやちゅだ!」と言って喜んでいる風景に観客は癒されながらホッコリした顔で帰っていったのだった。
(う~ん、なんか怒濤の1日だったな)
ふぃとミリアはランドルフの背中が見えた。少し気落ちしている様子のランドルフにミリアは近づいていき、ランドルフの背中をポンッと叩くと驚いたようにミリアを見た。
「ランドルフ騎士団長、そんなに優勝賞品のチョコレート欲しかったんですか?これ予約三ヶ月待ちですもんね」
「え・・・いや、そういうことでは・・・」
ランドルフは戸惑う。キースに嫉妬したからだなんて言えない。
「しょうがないですね、一つだけ分けてあげますよ。はい、あ~ん」
「いや、あ、うん、そうなんだ。これが欲しかったんだ」
ランドルフはそう言って口をあけてミリアに手からチョコレートをパクっと食べた。
じっくり味わって食べたランドルフは嬉しそうにミリアに「もう1つ」とねだった。
(もう、しかたないなぁ、ふふ、師匠餌付けされてるみたいで可愛い)
ーーペロッ
指の生暖かい感覚に不思議に思ったミリア。
ランドルフは満足した表情で、ミリアの腕を掴み、指についたチョコレートもペロリと舐めていたのだ。
「ご馳走さま」
あまりにも自然にミリアの指を舐めたので理解するのに数秒かかった。顔がカーっと熱くなっていく。
(ななななな・・・なんで指を・・・)
ミリアは少しパニックになったが、ランドルフは気にした素振りはない。
(師匠に他意はないない。そんだけチョコが好きなんだ)
ランドルフはチョコレートが好きでミリア指についたチョコレートさえも食べてしまったのだ、と結論づけた。
「・・・ランドルフ騎士団長は本当に好きなんですね。このチョコ」
「ん、あ、ああ」
指に残る生暖かい感触にミリアは気づかない振りをした。
【作者からのお知らせ】
秘密の師弟関係のスピンオフ作品『王子の影として生きてきたけれど影を照らす光に出会いました』はじめました!サクッと読める全11話予定です。宜しくおねがいしますm(_ _)m
ーシュン!!ーー
ランドルフの投げる雪玉は速すぎて玉が見えない。特にランドルフはキースに狙いを定めているようにみえた。
「ぎゃー!団長、目が本気!!怖えぇ~」
キースはちょこまかと逃げまわる。するとキースは良いことを思い付いた!と言い、私の背中にピッタリとくっついた。ランドルフの攻撃が一旦収まる。
「キース貴様、女性の後ろに隠れるなんて良い度胸してるじゃねーか」
「だって団長怖いもん~」
キースは私達の後ろからひょっこり顔を出してランドルフと会話する。すると完全に盾にされた私は相手チームの少年にポスッと雪玉を当てられ失格となってしまった。
(あ~当てられちゃった)
ランドルフはこれを好機にと狙いを定め、ビューン!!と普通より少し重たそうな雪玉をキースの顔面に直撃させた。
「イッテェ・・・」
キースは鼻を真っ赤にして場外へ。残るは騎士団員トムとランドルフのみとなってしまったが、キースが「タイム!」と言い、補欠と選手交代の合図をとった。
そこに出てきたのは、およそ三歳の可愛らしい女の子であった。ランドルフは呆然とする。
ーテクテクテクテクテク
ースポッ
「ママ、旗取ったよ~」
『・・・』
『・・・・・・』
『Aチーム、補欠選手は、まさかの第二王女付き侍女サリーのお嬢ちゃんであるミミちゃん!う~ん可愛らしいです!!そしてフラグを取りました~!!Aチームの優勝!!!!』
(ずるい、ずるすぎる・・・)
どれだけの人が同じことを思ったであろうか。あんな可愛らしい女の子に誰も雪玉を当てれないではないか。ランドルフは唖然としていたが、しばらくして「汚いぞ、キース」と項垂れた。キースは鼻息まじりに「雪合戦も頭脳戦~♪」と鼻息まじりに歌っていた。サリーもミリアに近づき、「うちの息子はまだ赤ん坊だけど娘はもう三歳だから参加させたの~」とニコニコしながら娘を抱っこしてあげていた。
閉会の儀が行われ、ミリアたちは表彰台に立ち、優勝賞品であるチョコレートとシャンパンをシャーロットから受け渡された。サリーの娘ミミの「やったぁ~おやちゅだ!」と言って喜んでいる風景に観客は癒されながらホッコリした顔で帰っていったのだった。
(う~ん、なんか怒濤の1日だったな)
ふぃとミリアはランドルフの背中が見えた。少し気落ちしている様子のランドルフにミリアは近づいていき、ランドルフの背中をポンッと叩くと驚いたようにミリアを見た。
「ランドルフ騎士団長、そんなに優勝賞品のチョコレート欲しかったんですか?これ予約三ヶ月待ちですもんね」
「え・・・いや、そういうことでは・・・」
ランドルフは戸惑う。キースに嫉妬したからだなんて言えない。
「しょうがないですね、一つだけ分けてあげますよ。はい、あ~ん」
「いや、あ、うん、そうなんだ。これが欲しかったんだ」
ランドルフはそう言って口をあけてミリアに手からチョコレートをパクっと食べた。
じっくり味わって食べたランドルフは嬉しそうにミリアに「もう1つ」とねだった。
(もう、しかたないなぁ、ふふ、師匠餌付けされてるみたいで可愛い)
ーーペロッ
指の生暖かい感覚に不思議に思ったミリア。
ランドルフは満足した表情で、ミリアの腕を掴み、指についたチョコレートもペロリと舐めていたのだ。
「ご馳走さま」
あまりにも自然にミリアの指を舐めたので理解するのに数秒かかった。顔がカーっと熱くなっていく。
(ななななな・・・なんで指を・・・)
ミリアは少しパニックになったが、ランドルフは気にした素振りはない。
(師匠に他意はないない。そんだけチョコが好きなんだ)
ランドルフはチョコレートが好きでミリア指についたチョコレートさえも食べてしまったのだ、と結論づけた。
「・・・ランドルフ騎士団長は本当に好きなんですね。このチョコ」
「ん、あ、ああ」
指に残る生暖かい感触にミリアは気づかない振りをした。
【作者からのお知らせ】
秘密の師弟関係のスピンオフ作品『王子の影として生きてきたけれど影を照らす光に出会いました』はじめました!サクッと読める全11話予定です。宜しくおねがいしますm(_ _)m
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