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第二章 新しい生活
70☆
しおりを挟む「ん……りん……凛、起きて」
ゼル?? あ……俺寝て……ッ!!
起きて少し動こうとすると、腰から全身に痛みが広がる。
「凛くん、今お昼なんやけど、ご飯食べれそうか??」
「ゼンが作ったの??」
「そうやで。俺がちゃんと作った。お粥とオムライス、どっちがええ??」
「お粥がいい……俺起き上がれない」
お風呂にも入れられたのか、身体はスッキリしていて、シーツが綺麗で気持ちがいい。そこから起き上がるのに、痛みを我慢してまで起きようとは思えないし、まず力が全く入らなかった。
「俺があっちまで運んだるし、兄貴が食べさせてくれるやろ」
「そうそう、俺が食べさせたるよ。流石にご飯は食べんと、身体壊してまうやろ??」
現在進行形で、俺の身体は壊れていってるんだけど……というか二人とも絶対寝てないよな。なんか俺の身体、異常な程敏感になってるんだけど。それに……まだ元気そう。これが自業自得ってやつなのか。誘ったのは俺だし。
「じゃあ、お願い。お腹は空いてるみたいなんだ」
「ゼル、ソファに連れてったげてや。俺は夕飯の分も作ったやつ冷蔵庫入れてくるわ」
ゼン、夕ご飯の分も作ったんだ……あれ?? 俺いつまで……まさか00時ぴったりまで?? それとも明日の朝??……考えるのはやめよう。流石にそこまで絶倫じゃない……と思いたい。
その後は、ゼンにお粥を食べさせてもらったが、俺が口を開く度に、ゼンとゼルがキスしてこようとしては、直前で我慢していて、本当にまだまだ元気なんだなと思った。
「凛くん、美味かった??」
「うん、美味しかったし、食べやすかったよ」
「……なら次は俺等の番やな。凛くんの事まだ食べ足りんから、食べさせてな」
そう言ってゼンは俺にキスをして、ベッドに連れて行かれると、敏感になりすぎた場所に突っ込まれる。
「ンあッ!!……え、うそ……ンッ……ゼン、ぜん……俺のからだ……おかしい」
ゼンは俺の頬に手を当てて、不敵な笑みを浮かべながら腰を揺らす。
「おかしくなんかないで。凛くんの身体が、俺等を欲してるだけや」
「凛、そんな気持ちええの?? 淫乱になってもうて……でも俺等だけしかアカンで」
「や……ちがッ……アッ……ふた……ふたりだけ……ぜんとぜる……だけ、だから……ッ」
「ええ子やなあ凛くん。ちゃんと身体も、俺等の事覚えたんか??」
「兄貴、横んなってや。俺も凛の中入りたい」
ゼルの言葉に、ゼンが軽く舌打ちをした後、覆い被さったまま横に倒れ、後ろからゼルが容赦なく入ってくる。
「ッ!!……はぁ……はぁ……ンッ」
「あーあ、もう噛むとこないやんか。兄貴噛みすぎや」
俺がゼンに口を塞がれていると、ゼルは噛むところがないと言いながらも、噛んでは舐めてくる。
「はぁ……やっぱ凛くんは起きとる方がええな。キスしても応えてくれるし、目が合うんも最高や」
「起きとるのに、感じすぎてクタッとなっとるんもええんよな。可愛い。凛、好きやで」
「凛くん、愛しとる。俺等の全部、受け入れて」
「ッ!!……ばか……だなあ……ンッ」
全部受け入れてるから。どんな事考えてても、どんな事をされても、みんなが二人を怖いと言おうが、俺は二人から離れたりしない。
「凛くんにバカって言われるんは、なんや愛があってええな」
「凛、覚えといてや。俺等を止められるんは凛だけやし、俺等をここまで狂わせられるんも凛だけや」
その後、俺の意識が朦朧としながらも、夜ご飯まで続き、二人はまだ余裕そうだったが、俺が明日一日で回復出来るか怪しくなってきた為、寝るまでずっとマッサージしてもらって、気持ちよく眠りについた。
ーーーーーーーーーーー
(sideゼンとゼル)
ゼンは寝てしまった凛の身体を、マッサージしながら身体中の噛み痕に薬を塗る。ゼルは首の前後4箇所の噛み痕を、消毒だけして凛の頭を撫でてやる。
「明日凛くんがこの噛み痕見たら、どんな反応するんやろ」
「まあ、謝ったりしたら、また謝るなって言われるやろうな。凛なら仕方ないで終わると思うで」
「そうやろな。凛くんは……俺等の事勘づいとるよなあ。ハッキリは分かっとらんやろうけど……俺等って普通は関わったらアカンような人種やんか」
(兄貴……一応自覚しとったんか。俺はそっちの方が驚きやわ)
「お前失礼な事思っとるやろ。俺は凛くんに対してだけや。ちゅーかお前も同類やろが」
ゼンもゼルも、真顔で何を考えているのか分からない怖さがあるが、凛を見る時だけは愛しそうにする。
「兄貴と一緒にせんでや。俺は兄貴ほどぶっ飛んどらんわ」
(こいつアホやろ。ゼルはどう見ても同じくらいか、俺以上やろが。まあ、俺等は自覚しとるからまだええ方やけどな)
「お前……凛くん居らんくなったら、どないするん??」
「ハッ……そんなん許す訳ないやんか。どうしても離れるんやったら……」
「ほらな、俺と同じやんか。生きとらんと意味ないから、どっか海外にでも連れてって、なんて思っとるやろ??」
「いや、海外に連れてくんは合っとるけど……生死は考えとらんから。やっぱ兄貴の方が怖いやんか」
「嫌やなあ……生きとらんと意味ない言うたやんか。それだけは絶対や。それに凛くんを怖がらせる訳ないやん。ちゃんと大事に凛くんが幸せになれるようするだけやで。まあ、凛くんが……俺等から離れるなんか考えたないけどな」
「それは俺も考えたないっちゅうか、寧ろそうならんようにしとるんやし」
この二人の会話は、凛は勿論聞いておらず、スヤスヤと心地良さそうに寝ているのを、ゼンとゼルは眺めながら眠りについた。
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