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第二章 新しい生活

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「よし、俺等そろそろ帰るわ。はよ帰らんと荷物きてまうし」


 あの後、ゼルがシャワーを浴びて帰ってくると、ゼンが俺をサラッと担いで、さっさと帰りたいといった雰囲気を出した。


「あぁ、その前に進藤が凛にお礼を言いたいらしい」


 監督さんにそう言われて、進藤さんは担がれた俺の近くにきた。


「凛くんが監督に言ってくれたって、ありがとう。正直自分でも不調の原因が、よく分かってなかったから本当に助かった!! 俺は今年がラストだから、凛くんと一緒には出来ないけど、これから仲間として出来る奴等が羨ましいな」


「あ、いえ……俺は何もしてないです。こんな格好ですみませんが、これから頑張ってください」


「ありがとうな!!」


 俺はゼンが離してくれないので、担がれた状態で申し訳なく思いながらも、挨拶だけして帰る事になった。


 新幹線に乗ると、俺はゼンによって強制的に寝かされて、起きた時にはお風呂にも入れられていて、ご飯を食べるだけの状態にされていた。そして何故か、家に居るのにゼンの膝の上にいる。


「凛くん、はよご飯食べようか。ちゃんと俺が作ったやつやから、普通に食べれるやろ??」


「ゼンが作ったやつなら……ゼン、どうしたの??」  


 ゼンが作ったご飯以外も、時間をかければ食べれるけど、少量でも1時間はかかっちゃうからな。でもどうしたんだろ?? 今日ずっと俺に抱きついてたけど……


「ゼルはバレーやっとったから、多少発散できとったけど、俺は限界や。荷物ももう届いたし……凛くん抱きたい。ゼルならまだええけど、他の奴見て俺んとこ見てくれんかったもん」


 それはずるいよ。でかい図体して、そんな妬き方されたら可愛いって思っちゃうじゃん。ゼルなんか真顔でゼンのところ見てるんだけど。


「ごめん。食べるから少し待ってて。歯磨き終わったら、好きにしていいし、ゼンとゼルしか見ないから」


 俺が抱きついてくるゼンの頭を、クシャクシャと撫でると、首元に軽くキスをしてきて、ゾワゾワするが好きにさせてご飯を食べ続ける。ゼルはというと、何故か無言で俺の食べてるところを、怖いくらいガン見してくる。


「凛、食べたばっかりやとキツイよな」


「そこまでお腹いっぱいになる程は食べてないけど……ゼル、目つきが……ゼンと同じ感じに」


「凛くん、はよ歯磨きしよな。ゼル、最初から激しくはせんから大丈夫や。それともなんや?? 初っ端凛くん飛ばしたいんか??」


「いいや、そんなんする訳ないやん。ただ俺が抑えられるか分からんから……兄貴もやろ??」


 自分から誘っといてなんだけど……なんか怖い話してる。しかも俺が歯磨きしてる後ろで。どうしよう、もう歯磨き終わろうと思ってるんだけど……怖くて終われない。


「まあ、そうやけど……ちゅーか凛くん、もう歯磨きええんやない?? それともなんや?? ここで犯して欲しいんか??」


「ぐッ……ま、まっへ待ってほわるはら終わるから


 俺が歯磨きを終えると、速攻でゼンに持ち上げられて、ベッドに連れて行かれる。そして、ゼンにしては乱暴なキスにビックリしてしがみつくと、そこでスイッチを入れてしまったのか、初めて前側の首を噛まれ、思いっきり痕をつけるように吸い上げられて、そこから顎にかけて舐められる。その後はだんだんと下へ唇を這わせ、胸のところで止まり、ピンと主張している部分を舌で転がされる。


「アッ……ぜ、ゼン」


 俺がゼンに押し倒されそうになると、後ろからゼルに支えられて口を塞がれると、舌を入れてくるでもなく、ついばむようにわざとチュッチュと音をたてる。それを何度も繰り返した後、思いっきり舌を入れられて、激しく絡めてきた。


 ダメだ……脳みそ溶けそう。はやく……ほしい。


 いつまで経っても入れてくれない二人に、俺は我慢できずに自分で後ろに指を入れようとすると、ゼルに手を掴まれてしまった。


「凛、そんな欲しいんか?? 自分でやろうとしたん?? 悪い子やなあ……いれんでもイけたら、ご褒美や」


「うぅ……むり……イけない。いれて」


「凛くん、俺は今日ずっとそんな状態でも我慢してたで。歯磨き長引かせた罰や」


「や、やら……ごめんなさい……おねがい。もうむり」


 泣きながらお願いすると、何に興奮したのか、ゼンが俺の涙を舐めとり、暴走する時の目つきになった。


「アカン……この泣き顔好きやわ。なあ、凛くん……泣くくらい気持ちええんか??」


「うん……きもち……ンむッ」


「ほんまや。凛のこの泣き顔ええなあ。今まで涙目になるくらいやったのに、泣いてしもうたんか??」


「ほんなら……このままいれたら、凛くんどんだけ気持ちええんやろうな。可愛い泣き顔見せてな」


 そう言ってゼンは俺に覆い被さり、ゼルが俺の両足を持ち上げて後ろに倒れる事によって、ゼンのモノがすんなりと奥まで入ってくる。奥まで届くと同時に、ピリピリとした刺激がきて、涙が溢れた。


「キッツ……凛くんイったん……ッ!!」


 俺がイった事で少し身体を離すと、俺と目が合ったゼンは目を見開いた後に、うっとりとしたような表情でありながら、目をギラギラさせて、俺に深く激しいキスをしてきた。


「最高……写真撮りたいわ……凛くん、俺の次はゼルにもその顔見せたれよ」


「ふぇ……あ、まっ……ンあッ……アッ」


 それだけ言うと、ゼンは激しく動き始め、ゼルに固定されている俺は、その勢いで揺れる事も出来ず、奥の更に奥まで突かれ、そのまま奥に熱いものを出される。


「やっぱ凛くんのその声もええなあ。声出ないんも可愛いけど……ほい、ゼル……凛くんの泣き顔」


 そう言ってゼンは俺を持ちあげて、ゼルの方を向かせると、俺の両足を持ちあげて両腕も一緒に固定される。そして、そのままゼルのモノが入ってきて、ゼルはタイミングを合わせるように、ズンッと奥を突き上げてくる。


「ひアッ!!……あッ……まってまって」


「待てると思うか?? そんな顔見たら我慢出来んよ」


 ゼンは俺が動かないよう固定しているため、ただでさえ弱い体位なのに、上に逃げ場なんてなく、ゼンよりも更に奥に吐き出された。

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