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第一話「記憶のない怪獣」
第二章「ジャガーノート」・⑦
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※ ※ ※
コツ、コツ、コツ、コツ────
「ええっと隊長・・・今積み込んだのは・・・?」
コツ、コツ、コツ、コツ────
「ジャガーノートだ」
車を走らせながら、キャンベルがぴしゃりと答える。
コツ、コツ、コツ、コツ────
ハンドルを握る手の人差し指が、規則正しいリズムを刻んでいた。
コツコツと音が聴こえる度に、竜ヶ谷は今にも胃液が逆流しそうなストレスに苛まれていた。
後部座席では柵山とユーリャが並んで座りつつ、小声で会話する。
「た、隊長どうしちゃったのかな? こないだから少しおかしいとは思ってたけど、今日は・・・特にその・・・何というか・・・何というかな感じだよね?」
「・・・意味不明。・・・・・・でも、意味理解」
普段は無口で無感情のように見えるユーリャも、目の前の隊長の様子には恐怖を感じていた。
「そっ・・・その・・・一体どうやって探し出したんです・・・? 俺たちも観測は続けてたんですが・・・その・・・反応がなかったんで・・・」
何とか胃の潰れそうな沈黙を緩和しようと、竜ヶ谷が必死に話しかける。
「近接計測器だ。広域センサーでは拾えない高エネルギーでもわかる」
竜ヶ谷は恐怖した。
近接計測器は、家屋などに侵入した小型ジャガーノートの位置を壁越しに確かめるためのもので、有効範囲はせいぜい200メートルといったところだ。
途方も無い作業になる事はわかっていただろうに、それを実行する目の前の男の執念に縮み上がった。
「まだ神は私を見捨てていなかったようだな・・・イヒッ! イヒヒヒヒヒヒ‼」
キャンベルは片手で制服の上から首元を撫でる。
見た事はないが、首から十字架でも提げてるんだろうかと竜ヶ谷は思った。
初詣に行く時くらいしか神様を信じない彼にとってはわからない感覚ではあったが、鳴かず飛ばずで来てたキャンベルが幸運にも異動前最後の夜に快挙を成し遂げたかもしれないのだ。
そう考えると、確かに神に感謝したくなる気持ちも理解できた。
「・・・に、しても、ちょっと暑くないですかね?」
支局へ帰投するため三笠公園の入り口に差し掛かったあたりで、柵山が口を開いた。
「お前はいつでも暑がってんだろ! ちょっと黙ってろ!」
「い、いやでも・・・急に温度が上がった気がすると言うか・・・」
「・・・同意」
後部座席の二人が揃って違和感を口にする。
言われてみれば、と竜ヶ谷は内心思ったが、隣で今の発言に一切反応する気配を見せない鉄面皮を見て、口にするのは憚られた。
と、正面ゲートを通って敷地内に入って1分程進んだ所で、
<ウウウウウウウ・・・・・・>
後部座席の更に後ろから、低いうめき声が聞こえてくる。
「ッ! た、隊長! もしかしてジャガノートのやつ、目が覚めたんじゃ⁉」
「うろたえるな・・・車のドアを両断するNo.005でも破れない移送用フルメタルケージだ。脱け出す事など──」
言いかけて、シュー、という音が車内で聞こえ、次いで、ヒリヒリとした痛みを臀部に感じた柵山とユーリャが飛び上がった。
「熱ッッ‼」
振り返って見れば、音の正体は明白だった。
後部座席のシートが熱せられ、煙が出ていたのだ。
さらに、シートのすぐ背後、仕切りの向こうに見えるフルメタルケージの表面が、見る見るうちに赤熱していく。
「・・・驚愕」
「何が起こって───」
柵山が言いかけた所で、車両が突然後ろ側に向かってガクンと下がった。
乗員全員が後方に向かって吹っ飛ばされるような衝撃を受け、シートベルトを外していた柵山とユーリャは加熱されていた後部座席に体ごと突っ込んだ。
「ぐあああああっ‼」
「ッッ‼」
直後、車体後方から擦るような金属音が響く。
これ以上の走行は不可能と判断したキャンベルは、「全員緊急降車!」と叫び全てのドアのロックを解除した。
急展開に肝を潰しながら、全員がドアから飛び出す。
回転して勢いを殺すも、全員が打撲を負った。柵山とユーリャは、それに加えて半身を火傷している。
「・・・チクショウ! どうなって・・・うおおっ‼」
竜ヶ谷が呟いたのとほぼ同時、ドカン!と大きな音がして、数十メートル先で運転手を失った<グルトップ>がカーブ出来ずに小山に突っ込み、爆発炎上した。
たちまち炎に包まれた車両から黒煙が濛々と立ち上がり、焦げ臭さと熱気が風に乗って隊員たちを襲った。
「これ・・・は・・・」
右腕をかばいながら立ち上がった柵山が、車道の「それ」を見つけた。
フレームとゴムがドロドロに融けたリアタイヤだ。
「まさか・・・タイヤが走りながら融けたっていうのか・・・⁉」
ありえない現象を目の当たりにしてパニックに陥る面々。
とにかく司令室に連絡すべきだと思い立った竜ヶ谷が、腕につけた端末から非常用通信をかけようとした瞬間───
<グオオオオオオオオオオオオオオオ‼>
まるで管楽器の中に入り込んだかのような巨大な音圧が鼓膜を、体を、地面を震わせ、その場にいた全員を地に伏せさせる。
脳が上下に振られまともな思考ができなくなり、全身の感覚が失われていく。
地面に触れている所以外、自分という存在の感覚が曖昧になる。
しかしそれは序章に過ぎず、この音が「産声」だと知った時には、全てが遅かった。
音の重力が止むと、目の前で燃え盛る炎が不可思議にも竜巻の様に渦を描いて夜空へ昇る。
ジャガーノートを移送していた《グルトップ》は見る見るうちにそのシルエットを失くし、黒い墨となって炎の海に没した。
分かたれた炎は九つの柱へ変わり、神殿を形造る。
その様は、天上に還らんとする龍を彷彿とさせた。
「何が・・・起きてんだ・・・・・・⁉」
柱が互いに食らいつく様に重なり合うと、再び一つになった炎は歪み、その姿を成していく。
脚が生え、地が揺れる。
腕が生え、山肌を薙ぐ。
尻尾が生え、空を焦がす。
───最後に首が伸び、ひときわ輝く眼光をその身に宿すと──炎の戒めが解ける。
<グオオオオオオオオオオオオオオオ‼>
再び、咆哮。
同時に、炎の中から産まれた巨大な影のいたる所に真っ赤な光が灯り、そこから蒸気機関車のように白煙が立ち上る。
巨影が、一つ歩みを進めた。
大地を踏みしめた衝撃で世界が鳴動し、足下のコンクリートが粉々に砕け散る。
飛び跳ねた巨大な破片が、路上に停めてあった車を瞬時にスクラップに変えた。
また一歩、一歩と──人の造った道を、人智を超えたものが蹂躙していく。
世界の理から大きく外れた光景に、その場にいた全員が幻覚を疑ったが、目の前で起こっている事全てが真実であり、そして神話だった。
竜ヶ谷の端末からは、「応答して下さい!」という声が虚しく響いている。だが、この場においてその悲鳴に反応できる者はいなかった。
渇き切った喉で、竜ヶ谷は自らが討つべき存在の名前を口にしていた。
「あれが・・・・・・抑止不能の巨大な力───」
~第三章へつづく~
コツ、コツ、コツ、コツ────
「ええっと隊長・・・今積み込んだのは・・・?」
コツ、コツ、コツ、コツ────
「ジャガーノートだ」
車を走らせながら、キャンベルがぴしゃりと答える。
コツ、コツ、コツ、コツ────
ハンドルを握る手の人差し指が、規則正しいリズムを刻んでいた。
コツコツと音が聴こえる度に、竜ヶ谷は今にも胃液が逆流しそうなストレスに苛まれていた。
後部座席では柵山とユーリャが並んで座りつつ、小声で会話する。
「た、隊長どうしちゃったのかな? こないだから少しおかしいとは思ってたけど、今日は・・・特にその・・・何というか・・・何というかな感じだよね?」
「・・・意味不明。・・・・・・でも、意味理解」
普段は無口で無感情のように見えるユーリャも、目の前の隊長の様子には恐怖を感じていた。
「そっ・・・その・・・一体どうやって探し出したんです・・・? 俺たちも観測は続けてたんですが・・・その・・・反応がなかったんで・・・」
何とか胃の潰れそうな沈黙を緩和しようと、竜ヶ谷が必死に話しかける。
「近接計測器だ。広域センサーでは拾えない高エネルギーでもわかる」
竜ヶ谷は恐怖した。
近接計測器は、家屋などに侵入した小型ジャガーノートの位置を壁越しに確かめるためのもので、有効範囲はせいぜい200メートルといったところだ。
途方も無い作業になる事はわかっていただろうに、それを実行する目の前の男の執念に縮み上がった。
「まだ神は私を見捨てていなかったようだな・・・イヒッ! イヒヒヒヒヒヒ‼」
キャンベルは片手で制服の上から首元を撫でる。
見た事はないが、首から十字架でも提げてるんだろうかと竜ヶ谷は思った。
初詣に行く時くらいしか神様を信じない彼にとってはわからない感覚ではあったが、鳴かず飛ばずで来てたキャンベルが幸運にも異動前最後の夜に快挙を成し遂げたかもしれないのだ。
そう考えると、確かに神に感謝したくなる気持ちも理解できた。
「・・・に、しても、ちょっと暑くないですかね?」
支局へ帰投するため三笠公園の入り口に差し掛かったあたりで、柵山が口を開いた。
「お前はいつでも暑がってんだろ! ちょっと黙ってろ!」
「い、いやでも・・・急に温度が上がった気がすると言うか・・・」
「・・・同意」
後部座席の二人が揃って違和感を口にする。
言われてみれば、と竜ヶ谷は内心思ったが、隣で今の発言に一切反応する気配を見せない鉄面皮を見て、口にするのは憚られた。
と、正面ゲートを通って敷地内に入って1分程進んだ所で、
<ウウウウウウウ・・・・・・>
後部座席の更に後ろから、低いうめき声が聞こえてくる。
「ッ! た、隊長! もしかしてジャガノートのやつ、目が覚めたんじゃ⁉」
「うろたえるな・・・車のドアを両断するNo.005でも破れない移送用フルメタルケージだ。脱け出す事など──」
言いかけて、シュー、という音が車内で聞こえ、次いで、ヒリヒリとした痛みを臀部に感じた柵山とユーリャが飛び上がった。
「熱ッッ‼」
振り返って見れば、音の正体は明白だった。
後部座席のシートが熱せられ、煙が出ていたのだ。
さらに、シートのすぐ背後、仕切りの向こうに見えるフルメタルケージの表面が、見る見るうちに赤熱していく。
「・・・驚愕」
「何が起こって───」
柵山が言いかけた所で、車両が突然後ろ側に向かってガクンと下がった。
乗員全員が後方に向かって吹っ飛ばされるような衝撃を受け、シートベルトを外していた柵山とユーリャは加熱されていた後部座席に体ごと突っ込んだ。
「ぐあああああっ‼」
「ッッ‼」
直後、車体後方から擦るような金属音が響く。
これ以上の走行は不可能と判断したキャンベルは、「全員緊急降車!」と叫び全てのドアのロックを解除した。
急展開に肝を潰しながら、全員がドアから飛び出す。
回転して勢いを殺すも、全員が打撲を負った。柵山とユーリャは、それに加えて半身を火傷している。
「・・・チクショウ! どうなって・・・うおおっ‼」
竜ヶ谷が呟いたのとほぼ同時、ドカン!と大きな音がして、数十メートル先で運転手を失った<グルトップ>がカーブ出来ずに小山に突っ込み、爆発炎上した。
たちまち炎に包まれた車両から黒煙が濛々と立ち上がり、焦げ臭さと熱気が風に乗って隊員たちを襲った。
「これ・・・は・・・」
右腕をかばいながら立ち上がった柵山が、車道の「それ」を見つけた。
フレームとゴムがドロドロに融けたリアタイヤだ。
「まさか・・・タイヤが走りながら融けたっていうのか・・・⁉」
ありえない現象を目の当たりにしてパニックに陥る面々。
とにかく司令室に連絡すべきだと思い立った竜ヶ谷が、腕につけた端末から非常用通信をかけようとした瞬間───
<グオオオオオオオオオオオオオオオ‼>
まるで管楽器の中に入り込んだかのような巨大な音圧が鼓膜を、体を、地面を震わせ、その場にいた全員を地に伏せさせる。
脳が上下に振られまともな思考ができなくなり、全身の感覚が失われていく。
地面に触れている所以外、自分という存在の感覚が曖昧になる。
しかしそれは序章に過ぎず、この音が「産声」だと知った時には、全てが遅かった。
音の重力が止むと、目の前で燃え盛る炎が不可思議にも竜巻の様に渦を描いて夜空へ昇る。
ジャガーノートを移送していた《グルトップ》は見る見るうちにそのシルエットを失くし、黒い墨となって炎の海に没した。
分かたれた炎は九つの柱へ変わり、神殿を形造る。
その様は、天上に還らんとする龍を彷彿とさせた。
「何が・・・起きてんだ・・・・・・⁉」
柱が互いに食らいつく様に重なり合うと、再び一つになった炎は歪み、その姿を成していく。
脚が生え、地が揺れる。
腕が生え、山肌を薙ぐ。
尻尾が生え、空を焦がす。
───最後に首が伸び、ひときわ輝く眼光をその身に宿すと──炎の戒めが解ける。
<グオオオオオオオオオオオオオオオ‼>
再び、咆哮。
同時に、炎の中から産まれた巨大な影のいたる所に真っ赤な光が灯り、そこから蒸気機関車のように白煙が立ち上る。
巨影が、一つ歩みを進めた。
大地を踏みしめた衝撃で世界が鳴動し、足下のコンクリートが粉々に砕け散る。
飛び跳ねた巨大な破片が、路上に停めてあった車を瞬時にスクラップに変えた。
また一歩、一歩と──人の造った道を、人智を超えたものが蹂躙していく。
世界の理から大きく外れた光景に、その場にいた全員が幻覚を疑ったが、目の前で起こっている事全てが真実であり、そして神話だった。
竜ヶ谷の端末からは、「応答して下さい!」という声が虚しく響いている。だが、この場においてその悲鳴に反応できる者はいなかった。
渇き切った喉で、竜ヶ谷は自らが討つべき存在の名前を口にしていた。
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