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番は特別らしい
2 お披露目会の出来事
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事前に番が見つかった人も、お披露目会には出席する。
レンとハナはまだ相手が見つかっていない。
というか、見つけてもらっていない。
「心配ナッシング☆」とカールおじさんは言う。
まだまだ国中から集まってはいないそうだ。
お披露目会目指してぞくぞくと集まる。
なにせ12人だ。もう当たったら一生の運を遣い果たすんじゃ無いかって言うくらいの確率だ。それでもぞくぞくとやって来る。
ハナは黒い滝のようなサラサラな髪をしている。
黒曜石のような目は切れ長で、雛人形のような顔をしている。
メイド達は文献から十二単っぽいひらひらした衣装を縫い上げた。
すげぇ。そしてめちゃ、似合ってる。
髪も複雑に結い上げるんじゃ無くそのまま流している。
髪飾りは簪のような物だ。
メイド愛が炸裂した衣装が出来上がった。
コスプレだよな。とレンはとばっちりの来ないところで見ていた。
戦国武将のコスチュームを仮縫いしているリーマンは嬉しそうで。
まぁ、好きならいいよね。と生温く見てしまった。
もちろんレンはこの世界のプレーンな衣装だ。
フロットコートでクラバットの、出来るだけ目立たずにしている。
いつもいる別館と違ってお披露目会の迎賓館はデカい。
そしてすんごくきんきらきんでゴージャスだ。
お披露目会は三日続く。
昼で二日。最後は夜に。
番候補以外にも、沢山の貴族達がくる。
自領に来てくれる異世界人を見に来ているのだ。
だってその子孫が回り回って自分の子孫を生み出してくれるからだ。
番のいる人はエスコートされて、すでに人前に出ていた。
今時の日本人はあまり人前を意識しなくなったそうだ。
でもハナは緊張で出入り口から出れなくて、カーテンを握ってブルブルしている。
ハナは婚活に乗り気だった。
今までの自分と決別して、新たなスタートが切れるのだ。
レンもハナを案じずに、自分の事だけを考えられるようになる。
~~でも、人見知りで怖くて足が出ない。
「大丈夫ですよ。焦らなくて良いですよ」
「とてもお綺麗です。にっこりすれば皆様がハナ様を大好きになりますよ」
ニャウムさん達はこの一か月でハナが怖がりなのをわかっている。
目でレンを促した。
レンはそっと腕を差し出してハナに捕まらせた。
本当はレンも人の波が影絵のようで。
うごうご蠢く魔物の集団のようで。
その影から沢山の目がこっちに集中していて
全身に視線が刺さってると思うほどに痛かった。
出来るならこの見せ物のような場所から、わーっと叫んで逃げ出したい。
怯む心を、ハナを守らなきゃという矜恃だけで歩き出す。
人・人・人と色の氾濫だ。
色が沸き立って視線をどこに合わせたらいいのかわからない。
それでも背筋を伸ばして歩いていたら、ハナの足先が衣装の裾を踏んでがくりと揺れた。
「きゃっ」短い声で黒い髪がふわりと広がるのを、なんとか受け止める。
大丈夫だよ、と声をあげようとした時。
騒めきの中に鋭い怒号が上がって肩が引かれた。
顔が爆発した。
衝撃で白い閃光が目の裏で破裂する。
体が宙に浮いたのを感じながら、闇が意識を食い尽くした。
「きやあぁぁぁぁぁっ レンちゃあん‼︎」
ハナの声が遠くでした。
レンとハナはまだ相手が見つかっていない。
というか、見つけてもらっていない。
「心配ナッシング☆」とカールおじさんは言う。
まだまだ国中から集まってはいないそうだ。
お披露目会目指してぞくぞくと集まる。
なにせ12人だ。もう当たったら一生の運を遣い果たすんじゃ無いかって言うくらいの確率だ。それでもぞくぞくとやって来る。
ハナは黒い滝のようなサラサラな髪をしている。
黒曜石のような目は切れ長で、雛人形のような顔をしている。
メイド達は文献から十二単っぽいひらひらした衣装を縫い上げた。
すげぇ。そしてめちゃ、似合ってる。
髪も複雑に結い上げるんじゃ無くそのまま流している。
髪飾りは簪のような物だ。
メイド愛が炸裂した衣装が出来上がった。
コスプレだよな。とレンはとばっちりの来ないところで見ていた。
戦国武将のコスチュームを仮縫いしているリーマンは嬉しそうで。
まぁ、好きならいいよね。と生温く見てしまった。
もちろんレンはこの世界のプレーンな衣装だ。
フロットコートでクラバットの、出来るだけ目立たずにしている。
いつもいる別館と違ってお披露目会の迎賓館はデカい。
そしてすんごくきんきらきんでゴージャスだ。
お披露目会は三日続く。
昼で二日。最後は夜に。
番候補以外にも、沢山の貴族達がくる。
自領に来てくれる異世界人を見に来ているのだ。
だってその子孫が回り回って自分の子孫を生み出してくれるからだ。
番のいる人はエスコートされて、すでに人前に出ていた。
今時の日本人はあまり人前を意識しなくなったそうだ。
でもハナは緊張で出入り口から出れなくて、カーテンを握ってブルブルしている。
ハナは婚活に乗り気だった。
今までの自分と決別して、新たなスタートが切れるのだ。
レンもハナを案じずに、自分の事だけを考えられるようになる。
~~でも、人見知りで怖くて足が出ない。
「大丈夫ですよ。焦らなくて良いですよ」
「とてもお綺麗です。にっこりすれば皆様がハナ様を大好きになりますよ」
ニャウムさん達はこの一か月でハナが怖がりなのをわかっている。
目でレンを促した。
レンはそっと腕を差し出してハナに捕まらせた。
本当はレンも人の波が影絵のようで。
うごうご蠢く魔物の集団のようで。
その影から沢山の目がこっちに集中していて
全身に視線が刺さってると思うほどに痛かった。
出来るならこの見せ物のような場所から、わーっと叫んで逃げ出したい。
怯む心を、ハナを守らなきゃという矜恃だけで歩き出す。
人・人・人と色の氾濫だ。
色が沸き立って視線をどこに合わせたらいいのかわからない。
それでも背筋を伸ばして歩いていたら、ハナの足先が衣装の裾を踏んでがくりと揺れた。
「きゃっ」短い声で黒い髪がふわりと広がるのを、なんとか受け止める。
大丈夫だよ、と声をあげようとした時。
騒めきの中に鋭い怒号が上がって肩が引かれた。
顔が爆発した。
衝撃で白い閃光が目の裏で破裂する。
体が宙に浮いたのを感じながら、闇が意識を食い尽くした。
「きやあぁぁぁぁぁっ レンちゃあん‼︎」
ハナの声が遠くでした。
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