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第一部 目覚めの少女と嘆きの神
18話 絆と縁3
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休憩中、先ほどの模擬戦で、自分たちと戦闘経験者との差を、散々思い知った生徒たちは、驚きや反省を述べていた。
イナホ達第三班も似たような話をしているが、悠は集団とは一人距離を置き、明らかに不満そうな雰囲気で腕組みをして立っていた。その姿をちらっと見た百花は、憎らしそうな笑みを浮かべた。
「ちょっといい気味。アイツが教官に投げられるとこ、もう一回見たいなぁ」
悠の作戦に挑発的だった香南芽も話に乗ってくる。
「ふふ、確かに。でも悔しいけど、うちらの連携や能力がもう少しあれば、あの作戦、結構いい線行ってたかもね。しかし、ももっちの蹴り・・・」
「ももっち?ああ、アタシね!?うん、まさか、あんなに綺麗に入るとは思わなかったよ。二人にはあとで謝らなきゃ・・・。そー言えば、香南芽は隣のクラスだからお初だけど、イナホ達とは同じクラスなのに、まだあんまり喋ったことなかったよね」
中の下らしい平凡な結果を出してしまった事を、少し気に病んでいたイナホは、笑顔を作って百花の方を向いた。
「そうだったね。ツグミちゃんと斐瀬里ちゃんは、一年の時も同じクラスだったんだ。まだみんな知ってる顔同士で集まっちゃうよね。そうだ、百花ちゃん、さっきはありがとう」
「ん?ああ、あの隊長さんの事ね。アタシ、昔からああいうの黙ってられなくてさ!だからお礼とか、別にいいって」
イナホの隣で、先程からチラチラと何かを観察するようにしている斐瀬里の事を、香南芽は気に留める。
「ひせりん、さっきからどうしたの?」
「ひせりん!?わ、私のことだよね?いや、その、今日は豊受さんと八幡さんは、いつものスキンシップしないのかなぁって」
イナホとツグミは、何のことだか分からず、首を傾げた。すると百花が、
「二人って一緒に住んでるって聞いたけど、そーなの?ひせりん?」
「ああ、もうその呼び方、定着したんだね・・・。お二人は遠い親戚らしいですよ。八幡さんの諸事情で居候してるとか。(ま、まさか、家ではもっとスゴイことを!?だから最近、学校ではあえてクールに・・・?)はわわぁぁぁ!」
斐瀬里の妄想を誰も知る由もなく、その反応に香南芽が驚く。
「ど、どうしたっ!?ひせりんっ!」
そこに慶介と司もやって来る。
「なんだか楽しそうだね」
そう笑顔の慶介の横で、司は無言で立っている。百花は二人に気づくと、速攻で深々と頭を下げた。
「さっきは申し訳ありませんでしたっ!特に、会心の一撃をお見舞いしてしまった司くん」
司は気恥ずかしそうに、苦笑いしながら、
「べ、別にいいって。防具のおかげで怪我とかも無かったし」
慶介は自分の大きなお腹を叩きながら、
「僕のお腹クッションも役に立っただろう?」
「あはは・・・。確かにね」
百花はため息混じりに、
「それなら良かった、ほんとゴメン・・・」
少し離れたところから、その様子を見ていた斐瀬里。
「(おっとり大柄男子と照れ屋さん美少年・・・・。これもアリなのでは!?)ふぁっ!」
「さっきからどうした!?ひせりんっ!」
香南芽の斐瀬里を気に掛ける声と同時に、チャイムが休憩終了を告げ、今度は佐江崎教官が副教官を伴い、演習所に戻ってきた。
佐江崎教官は後ろに手を組みながら、次の実習内容を述べる。
「さて、知識や経験が無いとどうなるか、まして丸腰ではどのような結果になるか、先ほどの模擬戦で分かってもらえたかと思う。次は近衛隊通常兵装の、取り扱い訓練を行う。訓練用ではあるが、取り扱いを間違えれば、命に関わる。気を引き締めろ。己の身と、大切なものを守る力である、武器の扱いだ。その身に叩き込め。では、これから一斑二班は、ここで副教官から剣術訓練だ。三班四班はあっちで、私と射撃訓練だ」
イナホ達第三班も似たような話をしているが、悠は集団とは一人距離を置き、明らかに不満そうな雰囲気で腕組みをして立っていた。その姿をちらっと見た百花は、憎らしそうな笑みを浮かべた。
「ちょっといい気味。アイツが教官に投げられるとこ、もう一回見たいなぁ」
悠の作戦に挑発的だった香南芽も話に乗ってくる。
「ふふ、確かに。でも悔しいけど、うちらの連携や能力がもう少しあれば、あの作戦、結構いい線行ってたかもね。しかし、ももっちの蹴り・・・」
「ももっち?ああ、アタシね!?うん、まさか、あんなに綺麗に入るとは思わなかったよ。二人にはあとで謝らなきゃ・・・。そー言えば、香南芽は隣のクラスだからお初だけど、イナホ達とは同じクラスなのに、まだあんまり喋ったことなかったよね」
中の下らしい平凡な結果を出してしまった事を、少し気に病んでいたイナホは、笑顔を作って百花の方を向いた。
「そうだったね。ツグミちゃんと斐瀬里ちゃんは、一年の時も同じクラスだったんだ。まだみんな知ってる顔同士で集まっちゃうよね。そうだ、百花ちゃん、さっきはありがとう」
「ん?ああ、あの隊長さんの事ね。アタシ、昔からああいうの黙ってられなくてさ!だからお礼とか、別にいいって」
イナホの隣で、先程からチラチラと何かを観察するようにしている斐瀬里の事を、香南芽は気に留める。
「ひせりん、さっきからどうしたの?」
「ひせりん!?わ、私のことだよね?いや、その、今日は豊受さんと八幡さんは、いつものスキンシップしないのかなぁって」
イナホとツグミは、何のことだか分からず、首を傾げた。すると百花が、
「二人って一緒に住んでるって聞いたけど、そーなの?ひせりん?」
「ああ、もうその呼び方、定着したんだね・・・。お二人は遠い親戚らしいですよ。八幡さんの諸事情で居候してるとか。(ま、まさか、家ではもっとスゴイことを!?だから最近、学校ではあえてクールに・・・?)はわわぁぁぁ!」
斐瀬里の妄想を誰も知る由もなく、その反応に香南芽が驚く。
「ど、どうしたっ!?ひせりんっ!」
そこに慶介と司もやって来る。
「なんだか楽しそうだね」
そう笑顔の慶介の横で、司は無言で立っている。百花は二人に気づくと、速攻で深々と頭を下げた。
「さっきは申し訳ありませんでしたっ!特に、会心の一撃をお見舞いしてしまった司くん」
司は気恥ずかしそうに、苦笑いしながら、
「べ、別にいいって。防具のおかげで怪我とかも無かったし」
慶介は自分の大きなお腹を叩きながら、
「僕のお腹クッションも役に立っただろう?」
「あはは・・・。確かにね」
百花はため息混じりに、
「それなら良かった、ほんとゴメン・・・」
少し離れたところから、その様子を見ていた斐瀬里。
「(おっとり大柄男子と照れ屋さん美少年・・・・。これもアリなのでは!?)ふぁっ!」
「さっきからどうした!?ひせりんっ!」
香南芽の斐瀬里を気に掛ける声と同時に、チャイムが休憩終了を告げ、今度は佐江崎教官が副教官を伴い、演習所に戻ってきた。
佐江崎教官は後ろに手を組みながら、次の実習内容を述べる。
「さて、知識や経験が無いとどうなるか、まして丸腰ではどのような結果になるか、先ほどの模擬戦で分かってもらえたかと思う。次は近衛隊通常兵装の、取り扱い訓練を行う。訓練用ではあるが、取り扱いを間違えれば、命に関わる。気を引き締めろ。己の身と、大切なものを守る力である、武器の扱いだ。その身に叩き込め。では、これから一斑二班は、ここで副教官から剣術訓練だ。三班四班はあっちで、私と射撃訓練だ」
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