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第12話 甘い彼女と心の内

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「へぇ…やっぱり女子ってだけあって綺麗な格好してるんだなぁ…」

俺は一際目立っている彼女のことを見つめながらそんなことを口にした。これは本心からの言葉で、彼女がちゃんとファッションに興味を持っていろいろと努力しているのがうかがえる。

服も全体的に『かわいい』と感じさせるような選び方で、思わず胸がドキッとなるほどだった。勿論彼女の事が好きになるなんてことはない。
彼女は俺のことを騙そうとしていた人間たちの一人だ。そして彼女自身もそれを楽しんでいたんだ。

それに彼女自身、スラッとした体つきをしていて可愛いさもありながらどこか美しさもある。何も知らずにいられたらどれだけ良かったことか…もし知らずに付き合っていれば一時でも幸せになれていたのかもしれない。

たとえそれが一時の幸せなのだとしても、俺は満足していただろう。
そして影で笑われていることに気づかず、学校生活を終えていたのかもしれない。

だが俺は彼女の裏の顔を知ってしまった。
世の中には知らなくて良いこともあるとはこの事なのだろうか…

そして彼女はスマホを見た後、ゆっくりとこちらへと視線を向けた。
そして俺に気づいた彼女は大きく手のひらをふって歩いてきた。

「ごめんね‼私のわがままで付き合わせることになっちゃってさ‼」
「いや大丈夫だよ。俺だって夏休みの時、反応が遅れたりそもそも返せてなかったり色々とあったからさ。それに元々夏休みの内に遊びに誘ってくれてたしね。本当はその時に遊べてたら良かったんだけどね。」
「うん‼別に気にしてないから大丈夫だよ‼それよりも、一緒に遊びに行けて嬉しい‼」
「そう言ってくれると嬉しいな。さて…それじゃあ早速電車に乗ろっか。」

移動にはそこそこの時間がかかる。その時間全てを会話で費やすことは難しいだろう。
勿論すべてを費やすことが難しいだけであって、一部だけであれば問題ない。

「そう言えば昨日、行きたい所あれば教えてって聞いたんだけど…」
「うん‼調べてきたよ‼行きたい場所はちゃんと調べてきたから安心して‼」
「了解。ちなみにどこに行きたいの?」
「それはついてからのお楽しみ~私ね、前々から行きたいと思ってたんだ。というかなんでこれが浮かばなかったんだろう?」
「はは…そういうときもあるよ。」

そんな会話を続けながら、俺たちは電車へと乗り込み目的地へと向かった。そして電車に揺られること数十分、ようやく東京にたどり着いた。

「ここだよ‼」
「へぇ…えっとここはカフェかな?」
「うん‼私ね、ここのカフェに一度でいいから来てみたかったんだ‼」
「そうなんだな……俺もカフェは好きだよ。」
「本当!?良かった~」
「ちょっ……!!急にどうした!?」

俺は咄嗟に彼女の手を引っ込めた。彼女が急に俺の手を掴んできたからびっくりした。
その後俺はあたりを見回した。少し大きな声を出してしまったものの、流石東京‼ほとんどの人は気にしていなかった。

「急に手なんか握ってきてどうしたんだ?」
「酷いよ~カップルだよ?どこ行くにも手をつなぐのは普通だよ?」

彼女はそう言いながらも、少し不満げな表情を浮かべていた。

(ふぅ…確かにカップルだもんな。一応はカップルなわけだし、ちゃんとそういった行為もしないとだよな。手…つなぐか‼)

俺は覚悟を決めて彼女の手をとった。

「おっ…思ったよりも恥ずかしいね。」

彼女は顔を少し赤らめながらそう言った。そんな表情は今までに一度も見たことがない。確かに改めて彼女の事を意識すると、少し顔が赤くなっている気がする。
俺は今一度辺りを見回した。そして誰も気にしてない事を確認することができた。

(ふぅ…これでひと安心だな。)

「じゃあ行こうか‼」
「うん‼そうだね‼」

俺と彼女は2人で手をつなぎながらカフェへと入っていった。
俺たちは店の中に入った。

そして店員に案内され、2人で隣り合った席に座った。

「始めてくるところだから、少し緊張しちゃうね。」
「そうだね。俺も少し緊張してるよ。」

俺たちは辺りを見回しながらそう言った。周りには以外にもカップルが多くいる。
他にも会社員のような人や、おじいさんやおばあさんもいる。
彼女はテーブルの横に置かれているメニュー表を取り出してきた。

「これ見て‼美味しそうなのがいっぱいあるよ‼」

彼女は嬉しそうな表情を浮かべながらそう言った。
メニューには美味しそうなスイーツの写真が載せられている。
俺と彼女はメニュー表の中から気になったものをいくつか頼みんだ。ちなみに彼女は甘党らしく、甘めのものを沢山頼んでいた。



作者の聖羅です!!
12話目をお読みくださりありがとうございます!!
次の投稿は明日の24:15になります‼
是非見に来てくださいね‼

深夜に投稿するのは理由があり、ちょっとした調査を兼ねていますのでご容赦ください。
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