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52話
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「ねえ、キスしてもいい?」
ある日のこと、彼が突然そんなことを言い出した。
突然のことに戸惑いながらも、私は小さく首を縦に振った。
そうすると、彼は優しく唇を重ねてきた。
最初は触れるだけの軽いものだったが、徐々に深いものへと変わっていった。
お互いの唾液を交換し合い、舌を絡め合う濃厚な口づけだ。
頭がボーッとしてくる中、私は必死に応え続けたのだった。
しばらくして唇が離れると、銀色の糸を引いたまま離れていった。
その光景はとても淫靡で美しく見えた気がした。
息を整えていると、今度は首筋を舐められた。
ゾクッとした感覚に襲われて思わず声が出てしまうが、彼は構わず舌を這わせていった。
そして耳元まで到達したところで動きを止めたかと思うと、こう囁いたのだ。
「好きだよ」
その言葉を囁かれた瞬間、胸の奥底から幸福感が溢れてきて止まらなくなったのである。
(ああ……幸せすぎてどうにかなっちゃいそう……!)
そんなことを考えているうちにも行為は続いていき、いつの間にか服を脱がされていたようだ。
「これ以上は今ダメよ、キスだけならいいけど……」
「わかった、じゃあキスだけね」
そう言って再び唇を重ねてきた。
今度は触れるだけの軽いものだったが、それでも十分すぎるほど幸せを感じた。
その後も何度かキスをした後、ようやく解放されたのだが、
その頃になるとすっかり蕩けてしまっていたようで、何も考えられなくなっていたのだった。
そんな私を見て彼は微笑むと、優しく抱きしめてくれた。
その温もりを感じながら私は眠りについたのだった。
翌朝、目が覚めると隣には裸身のまま眠る彼の姿があった。
昨日の夜のことを思い出してしまい顔が熱くなるのを感じたが、
同時に下腹部にも熱が集まっていくような感覚に襲われたため慌てて首を振った。
(いけないわ……こんなことじゃ彼に嫌われちゃう)
そう思いつつも体は正直で、無意識のうちに手が股の間に伸びようとしていたその時だった、
不意に彼が目を覚ましたのだ!
びっくりして手を引っ込めるよりも早く腕を掴まれてしまったため、
逃げることもできずに捕まってしまったのである。
そのまま押し倒されるような体勢になり身動きが、
取れなくなってしまったところで耳元で囁かれた言葉に耳を疑った。
「おはよう、朝から積極的だね?」
そう言われてしまってはもう言い訳などできなかった。
「ち、違うの! これは……」
必死に弁解しようとしたが、上手く言葉が出てこない。
そんな私を他所に彼はクスクス笑っていた。
そして、そのまま唇を重ねてきたのだ。
舌を絡ませ合い、唾液を交換し合う濃厚なディープキスである。
「ねえ、昨日の続きをしようよ」
そう言って彼は私の乳房に手を伸ばしてきた。
その瞬間、全身に甘い痺れが走るような感覚に襲われたのだ。
(ああ……もう逃げられないんだ)
そう思うと抵抗する気も失せてしまい、私は彼に身を委ねることにしたのだった。
それから数時間後、私たちは疲れ果ててベッドで横になっていたのだが、不意に彼が話しかけてきた。
「そういえば、今日は何の日か知ってる?」
そう聞かれて考えてみたが何も思い浮かばなかった。
素直に知らないと答えると、彼は少し残念そうな顔をした後でこう続けた。
「実はね、今日はキスの日なんだよ」
それを聞いて納得したと同時に嬉しくもあったので思わず笑顔になってしまったのだが、
それを見た彼も嬉しそうな顔をしていたのでますます幸せな気分になったのだった。
その後もしばらくの間イチャイチャしていたのだが、やがて彼が口を開いた。
「そろそろデートしないか?」
「うん、行きたい!」
即答だった。
断る理由などあるはずがない。
彼とのデートはいつだって楽しいのだから!
そんなわけで、私たちは出かける準備を始めたのだった。
街に繰り出すと、彼は私の手を取り歩き始めた。
最初は恥ずかしかったのだが、今ではすっかり慣れてしまったので平気である。
むしろ嬉しいくらいだし……。
そんなことを考えているうちに目的地に到着したようだ。
そこは小さなカフェで、落ち着いた雰囲気のある場所だった。
席に着くと早速注文をする事にしたのだが、メニュー表を見た私は驚いた。
というのも、その値段が安かったからだ。
普通であればそれなりの金額になるはずなのだが、
この店ではそれが当たり前のようだったのである。
不思議に思って聞いてみると、どうやら店主の意向らしいことが分かった。
なんでも採算度外視でやっているらしく、
利益よりもお客さんに喜んでもらえることの方が大切だと語っていたそうだ。
それを聞いた私は、感動してしまったと同時に嬉しくもあったのだ。
何故ならそれはつまり私達のことを想ってくれているということに他ならないからである。
ある日のこと、彼が突然そんなことを言い出した。
突然のことに戸惑いながらも、私は小さく首を縦に振った。
そうすると、彼は優しく唇を重ねてきた。
最初は触れるだけの軽いものだったが、徐々に深いものへと変わっていった。
お互いの唾液を交換し合い、舌を絡め合う濃厚な口づけだ。
頭がボーッとしてくる中、私は必死に応え続けたのだった。
しばらくして唇が離れると、銀色の糸を引いたまま離れていった。
その光景はとても淫靡で美しく見えた気がした。
息を整えていると、今度は首筋を舐められた。
ゾクッとした感覚に襲われて思わず声が出てしまうが、彼は構わず舌を這わせていった。
そして耳元まで到達したところで動きを止めたかと思うと、こう囁いたのだ。
「好きだよ」
その言葉を囁かれた瞬間、胸の奥底から幸福感が溢れてきて止まらなくなったのである。
(ああ……幸せすぎてどうにかなっちゃいそう……!)
そんなことを考えているうちにも行為は続いていき、いつの間にか服を脱がされていたようだ。
「これ以上は今ダメよ、キスだけならいいけど……」
「わかった、じゃあキスだけね」
そう言って再び唇を重ねてきた。
今度は触れるだけの軽いものだったが、それでも十分すぎるほど幸せを感じた。
その後も何度かキスをした後、ようやく解放されたのだが、
その頃になるとすっかり蕩けてしまっていたようで、何も考えられなくなっていたのだった。
そんな私を見て彼は微笑むと、優しく抱きしめてくれた。
その温もりを感じながら私は眠りについたのだった。
翌朝、目が覚めると隣には裸身のまま眠る彼の姿があった。
昨日の夜のことを思い出してしまい顔が熱くなるのを感じたが、
同時に下腹部にも熱が集まっていくような感覚に襲われたため慌てて首を振った。
(いけないわ……こんなことじゃ彼に嫌われちゃう)
そう思いつつも体は正直で、無意識のうちに手が股の間に伸びようとしていたその時だった、
不意に彼が目を覚ましたのだ!
びっくりして手を引っ込めるよりも早く腕を掴まれてしまったため、
逃げることもできずに捕まってしまったのである。
そのまま押し倒されるような体勢になり身動きが、
取れなくなってしまったところで耳元で囁かれた言葉に耳を疑った。
「おはよう、朝から積極的だね?」
そう言われてしまってはもう言い訳などできなかった。
「ち、違うの! これは……」
必死に弁解しようとしたが、上手く言葉が出てこない。
そんな私を他所に彼はクスクス笑っていた。
そして、そのまま唇を重ねてきたのだ。
舌を絡ませ合い、唾液を交換し合う濃厚なディープキスである。
「ねえ、昨日の続きをしようよ」
そう言って彼は私の乳房に手を伸ばしてきた。
その瞬間、全身に甘い痺れが走るような感覚に襲われたのだ。
(ああ……もう逃げられないんだ)
そう思うと抵抗する気も失せてしまい、私は彼に身を委ねることにしたのだった。
それから数時間後、私たちは疲れ果ててベッドで横になっていたのだが、不意に彼が話しかけてきた。
「そういえば、今日は何の日か知ってる?」
そう聞かれて考えてみたが何も思い浮かばなかった。
素直に知らないと答えると、彼は少し残念そうな顔をした後でこう続けた。
「実はね、今日はキスの日なんだよ」
それを聞いて納得したと同時に嬉しくもあったので思わず笑顔になってしまったのだが、
それを見た彼も嬉しそうな顔をしていたのでますます幸せな気分になったのだった。
その後もしばらくの間イチャイチャしていたのだが、やがて彼が口を開いた。
「そろそろデートしないか?」
「うん、行きたい!」
即答だった。
断る理由などあるはずがない。
彼とのデートはいつだって楽しいのだから!
そんなわけで、私たちは出かける準備を始めたのだった。
街に繰り出すと、彼は私の手を取り歩き始めた。
最初は恥ずかしかったのだが、今ではすっかり慣れてしまったので平気である。
むしろ嬉しいくらいだし……。
そんなことを考えているうちに目的地に到着したようだ。
そこは小さなカフェで、落ち着いた雰囲気のある場所だった。
席に着くと早速注文をする事にしたのだが、メニュー表を見た私は驚いた。
というのも、その値段が安かったからだ。
普通であればそれなりの金額になるはずなのだが、
この店ではそれが当たり前のようだったのである。
不思議に思って聞いてみると、どうやら店主の意向らしいことが分かった。
なんでも採算度外視でやっているらしく、
利益よりもお客さんに喜んでもらえることの方が大切だと語っていたそうだ。
それを聞いた私は、感動してしまったと同時に嬉しくもあったのだ。
何故ならそれはつまり私達のことを想ってくれているということに他ならないからである。
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