299 / 299
イルヴルヴ
最終話
しおりを挟むあの日から数か月経った。
セイナはユヤから生き残った町、姶良市にやって来ていた。
ユヤの攻撃に合っても生き延びた別の町から来た人々で町は賑わい、セイナは鹿児島市を思い出した。
超高層ビルの一階にある店の壁に貼られた、バイト募集の文字を見つけ、店内に入って行く。
店長と話し、セイナは店の外へ出る。
晴天の空と、眩しい太陽がセイナを迎えた。
人々の行きかう横断歩道へ歩いていく。
人混みの中、セイナの隣を真っ白な髪、真っ白な瞳と真っ白な服の青年が通り過ぎていく。
セイナはその顔を見て、立ち止まる。
心の底にあったディスリルの面影を思い出した。
セイナは再び歩き出し、遥か遠くへ消えたユヤを思い浮かべる。
隣にいない、あの子へ思いをはせた。
◇◇◇
君は君の名を私にくれた。
もしもう一度、君に出会えたなら、君は私に何と名乗る気なんだい。
私はあと何年、生きられるのかな。
いつか、どこかで再会したなら、私は君を、覚えていられるだろうか。
聖茄。
愛しているよ。
私も君を。
愛しているよ。
いつか。
一緒に船へ乗って。
一緒に。
海を見よう。
0
お気に入りに追加
11
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
お見合い相手はお医者さん!ゆっくり触れる指先は私を狂わせる。
すずなり。
恋愛
母に仕組まれた『お見合い』。非の打ち所がない相手には言えない秘密が私にはあった。「俺なら・・・守れる。」終わらせてくれる気のない相手に・・私は折れるしかない!?
「こんな溢れさせて・・・期待した・・?」
(こんなの・・・初めてっ・・!)
ぐずぐずに溶かされる夜。
焦らされ・・焦らされ・・・早く欲しくてたまらない気持ちにさせられる。
「うぁ・・・気持ちイイっ・・!」
「いぁぁっ!・・あぁっ・・!」
何度登りつめても終わらない。
終わるのは・・・私が気を失う時だった。
ーーーーーーーーーー
「・・・赤ちゃん・・?」
「堕ろすよな?」
「私は産みたい。」
「医者として許可はできない・・!」
食い違う想い。
「でも・・・」
※お話はすべて想像の世界です。出てくる病名、治療法、薬など、現実世界とはなんら関係ありません。
※ただただ楽しんでいただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
それでは、お楽しみください。
【初回完結日2020.05.25】
【修正開始2023.05.08】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
ご感想ありがとうございます!
ルイスのお墓がないのは色々と理由があるのですが、茄遊矢はルイスと会ったことでルイスを傷付けてしまったので、また羅聖を選んだので、最後は壁の外に出ることなく壁の中で生きました。
そう思っているせいで会いには行けませんがルイスが生きているのを信じていたのでお墓は作っていません。
誰よりもバシリアスが浸透しやすい、アイル・トーン・ブルーの瞳の少年はレーザーを受けて焼かれても受けるたびにバシリアスを吸収し、死ぬ方法がなくて誰よりも長生きでした。
ネタバレになるかなとは思ったのですが、最後の方にそれとなく描写があったので、別のお話で書かれていないところだけ書かせていただきました。
そして!ご感想はいただけるのはとても嬉しくて、キャラクター達や物語についてお返事をすることはとても嬉しいことです!負担になるより糧になるのでご安心ください……!✨
バシリアスを最終話まで読んでいただきありがとうございました。
バシリアスを読んでくださってありがとうございます。物語書いてて咲路はこうなるんだ……と考えながら書くのが辛かったのを覚えています。
咲路にとって辛くても生きていて良かったことは茄遊矢に会えたことで、でも茄遊矢や羅聖との未来を考えるとそれは辛いものでもあって……。
咲路……生きてて欲しかった派です。自分で書いていながら悲しくなるお話です。
ご感想ありがとうございました!