121 / 299
リョウゲ
10
しおりを挟む
お泊まり用の部屋に連れて行き、着たばかりの服を脱ぎ出す青海。それを一所懸命に着せればその間にこちらの服に手を掛けてくる。その手に嚙みつけばクスリと笑われ憎悪が増した。
「この間したばかりだろう?」
「触れるな発情期が過ぎるぞ」
「黄泉は私の性壁を一番理解していると思ってたけど。まだまだだね。私は抵抗する子を組み敷いて無理矢理するのが大好きだ」
「それを強姦と言うんだ。砂金姉さんじゃ駄目な理由はそれか」
「黄泉は必ず面倒だって言って抵抗してくれるからね」
自分の怠けを恨んだのは初めてだ。
にしても最近やたらとこう言うのが増えた気がしたが、まさか。
「……青海は私のことがその」
面と向かって言う勇気はなくて俯く。
「違うよ。黄泉は良い玩具ってところかな」
優しく微笑んで言う。
「黄泉?」
別に、青海のことは好きではないが。こいつに好かれても嬉しくも何ともないが。玩具扱いされることで面倒なことが起こるなら、こいつに抵抗せず甘えてみれば変わるのだろうか。
青海に初めてを奪われたのは初めてのキスをされたあの日だ。銀杏姉さんが私を疑い監視しているのを知っていて青海は私に愛を囁いた。
姉はそう言うことの中心にあるような人物だったが、本人は全くと言っていいほど疎く純情だった。それを手玉に取り、青海は私に声を上げさせる間もなく耳元で脅しながら行為を行った。
姉はそれから変わった。今思えば彼女の母親の影響もあったのかもしれない。銀杏は来る者拒まずになった。
青海が彼女に誘われた処を見たことがあった。その時も体良く利用され、私を理由に断っていた。
私達は悪魔から自分を守る為の手段として互いを利用しているに過ぎない。嘘の言葉を吐き、嘘の行為をして嘘の好意を示すのだ。
そうだった筈だ。
「もうやめよう青海。もう誰も私達を貶める者はいない。私達は自分の力で自分を守ることが出来る」
血筋の者は皆、全ての者がタフィリィを服用していると思い込んでいる。私達に態々与えに来る奴はもういない。
青海は私の頬を撫でて言った。
「黄泉。何故私が君に目を掛けるか分かるかい。何故私がタフィリィを使用しないか分かるかな」
「分からないな」
この男こそ化け物の異名が似合うと言う者だ。彼が使っていない等、誰も思ってはいないだろう。
「君に止められたからだよ」
青海はそう言って私を自由にする。ベッドに腰掛けて背を向けて。
「もう覚えてはいないだろうけど。銀杏姉さんの部屋に入ろうとして君に引き止められた。あの時、君だけは守らなければと考えた。何故そんな風に考えたのかは分からない。だが、タフィリィを使えば君は私を恐れるだろう。それが嫌だった。だから私はタフィリィを使わない」
初耳だ。あの日青海を引き止めたことが、彼にとっての命綱だったなんて知る筈もない。青海は自分のことを誰にも話そうとしないからだ。青海はあの日よりもっと前から周りは敵だらけだと知っていたのだろう。國哦伐家が化け物の巣窟であると知っていたのだ。
「覚えている。私が姉さんの部屋を覗いた日のことだろう。あんなベロベロなファーストキスをされて忘れられるか」
「今してもいいけど」
その言葉はスルーする。
「何故あの時私を助けた」
ずっと疑問だった。それが今の告白でも解決されなかった。だから聞いた。なのに奴は再びベッドへ潜り込み、初めての時よりもっと深い口付けで私の疑問を閉じ込めてそれ以上口を開かせることはなかった。
「この間したばかりだろう?」
「触れるな発情期が過ぎるぞ」
「黄泉は私の性壁を一番理解していると思ってたけど。まだまだだね。私は抵抗する子を組み敷いて無理矢理するのが大好きだ」
「それを強姦と言うんだ。砂金姉さんじゃ駄目な理由はそれか」
「黄泉は必ず面倒だって言って抵抗してくれるからね」
自分の怠けを恨んだのは初めてだ。
にしても最近やたらとこう言うのが増えた気がしたが、まさか。
「……青海は私のことがその」
面と向かって言う勇気はなくて俯く。
「違うよ。黄泉は良い玩具ってところかな」
優しく微笑んで言う。
「黄泉?」
別に、青海のことは好きではないが。こいつに好かれても嬉しくも何ともないが。玩具扱いされることで面倒なことが起こるなら、こいつに抵抗せず甘えてみれば変わるのだろうか。
青海に初めてを奪われたのは初めてのキスをされたあの日だ。銀杏姉さんが私を疑い監視しているのを知っていて青海は私に愛を囁いた。
姉はそう言うことの中心にあるような人物だったが、本人は全くと言っていいほど疎く純情だった。それを手玉に取り、青海は私に声を上げさせる間もなく耳元で脅しながら行為を行った。
姉はそれから変わった。今思えば彼女の母親の影響もあったのかもしれない。銀杏は来る者拒まずになった。
青海が彼女に誘われた処を見たことがあった。その時も体良く利用され、私を理由に断っていた。
私達は悪魔から自分を守る為の手段として互いを利用しているに過ぎない。嘘の言葉を吐き、嘘の行為をして嘘の好意を示すのだ。
そうだった筈だ。
「もうやめよう青海。もう誰も私達を貶める者はいない。私達は自分の力で自分を守ることが出来る」
血筋の者は皆、全ての者がタフィリィを服用していると思い込んでいる。私達に態々与えに来る奴はもういない。
青海は私の頬を撫でて言った。
「黄泉。何故私が君に目を掛けるか分かるかい。何故私がタフィリィを使用しないか分かるかな」
「分からないな」
この男こそ化け物の異名が似合うと言う者だ。彼が使っていない等、誰も思ってはいないだろう。
「君に止められたからだよ」
青海はそう言って私を自由にする。ベッドに腰掛けて背を向けて。
「もう覚えてはいないだろうけど。銀杏姉さんの部屋に入ろうとして君に引き止められた。あの時、君だけは守らなければと考えた。何故そんな風に考えたのかは分からない。だが、タフィリィを使えば君は私を恐れるだろう。それが嫌だった。だから私はタフィリィを使わない」
初耳だ。あの日青海を引き止めたことが、彼にとっての命綱だったなんて知る筈もない。青海は自分のことを誰にも話そうとしないからだ。青海はあの日よりもっと前から周りは敵だらけだと知っていたのだろう。國哦伐家が化け物の巣窟であると知っていたのだ。
「覚えている。私が姉さんの部屋を覗いた日のことだろう。あんなベロベロなファーストキスをされて忘れられるか」
「今してもいいけど」
その言葉はスルーする。
「何故あの時私を助けた」
ずっと疑問だった。それが今の告白でも解決されなかった。だから聞いた。なのに奴は再びベッドへ潜り込み、初めての時よりもっと深い口付けで私の疑問を閉じ込めてそれ以上口を開かせることはなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる