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最初の――
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本圀寺には僕の他に襲撃を聞いて駆けつけてくれた明智さまと数名の幕臣、そして明智さまがかき集めた少ない手勢しか居なかった。一方の三好三人衆の軍勢は数千人。今から退去しても京周辺を包囲している三好勢から逃げられるとは思えない。
「一覚。勝龍寺城の与一郎に援軍を頼んでくれ」
奥の間で義昭さんは鎧を纏い、刀を腰に差しながら言う。
「公方さま、まさか篭城するおつもりですか!?」
「逃げられないのだろう? だったら篭城するしかない」
そして傍に控えていた明智さまに「指揮はそなたに任す」と命じた。
「なるべく時間を稼いで援軍を待つ。与一郎も変事を聞いた摂津の幕臣も必ずやってくるだろう」
「……義輝公と同じ状況ですぞ?」
「ああ。そうだな。しかし今回ばかりは違う。兄上のときは頼る者が居なかった」
義昭さんの準備は整ったようだ。僕も既に武具を付けている。
「一覚よ。そなたには厳しいことを言う。なるべく早く与一郎に知らせよ。死ぬ気で走り続けろ!」
一覚さんは頭を下げて「かしこまりました! 御武運を!」と言って駆け出した。
明智さまも「では兵に指示を下しにいきます」と言って立ち上がる。
二人が立ち去ったのを確認してから、困ったように義昭さんは僕に笑いかけた。
「……悪いな雲之介。そなたも逃がしてやりたいのだが」
「僧の一覚さんはともかく、僕はどうせ捕まってしまいますよ」
僕は肩を竦めながら義昭さんに言う。
「もしものときは女性の格好になって、逃げてください。流石に女を殺そうとはしないでしょう」
「将軍である兄上を殺した者たちだぞ? 望みは薄い……」
確かにそうだった。それでも義昭さんには生きてもらいたい。
「何としても、何をしても、生き延びてください」
「まあ私が死ぬと信長殿が困るからな」
「違います。友として生き残ってほしいのです」
義昭さんは驚いたように目を見開いて、それから大笑いした。
「あっはっは! そうだな。だったら友としてそなたも生き残ってくれよ!」
それから僕は明智さまの手伝いをした。門が簡単に壊れないように補強したり、鉄砲などの武器の準備をしたりする。
明智さまはこの戦を予見していたのだろうか? だから鉄砲を大量に運び入れていたのか?
後で訊ねたら「胸騒ぎがしたのですよ」とよく分からないことを言われた。
「三好三人衆の軍勢、目前まで迫ってきました!」
物見の報告――いよいよ合戦が始まる。
「雲之介殿、鉄砲を使ってください。何、当てるのは難しいですが、怯ませるのは容易です」
「分かりました。任せてください」
明智さまから鉄砲を受け取り、自分の配置に付く。
そして、敵が、迫ってきた。
「絶対に敵を近づけさせるな! 鉄砲隊、火蓋を切れ!」
明智さまの号令で、轟音が鳴る。僕も目の前の敵に向かって引き金を引いた。
しかし敵は倒れない。どうやら外れたようだ。
「弾を込めろ! その間に矢で応戦しろ!」
鉄砲の弱点は連続して撃てないということだ。それを補うために弓矢で対応する。流石に鉄砲の名手、明智さま。分かっている。
加えて明智さまの采配は見事で、三好三人衆の軍勢を寄せ付けなかった。
幕臣たちも四方で各々奮戦している。
これなら援軍が来るまで、持つかもしれない。
やがて日が暮れた。すると法螺貝が鳴り、軍勢が引き上げていく。
「ふう。なんとか守りきれました。しかし夜襲があるかもしれませんから、交代で見張りましょう」
明智さまはそう言ったけど、朝方になるまで戦は再開されなかった。どうやらじっくりと攻めるつもりなんだろう。まあ戦力差があるから当然の戦略である。
翌朝。三好の軍勢は昨日よりも凄まじい勢いで攻めてきた。
「皆の者! 堪えよ! もうすぐ援軍は来るはずだ!」
明智さまが必死で兵士たちを鼓舞する。しかし塀を乗り越えて、寺内に雪崩れ込んでくる敵が多くなった。
その内の数名が義昭さんの居る本堂へと駆けていく。
――不味い! 誰も追ってない、気づいていない!
僕は持ち場を離れて、刀を抜きつつ、義昭さんの元へ向かった。
本堂の前で敵は明智さまが配置した味方に阻まれていた。
良かったと安心する間もなく、分が悪いと感じた敵の一人がこっちに逃げてくる。
「なっ! てめえ、こっち来るな!」
刀をでたらめに振り回す、僕と同世代の若者。
はっきり言えば、僕は――おかしくなっていた。
義昭さんを守るという使命感と戦場特有の興奮で、訳が分からなくなってしまった。
弱いくせに、目の前の兵士を倒そうと決意した。
「畜生! 俺は――」
その言葉を待たずに、僕は大声を上げながら斬りかかる。
兵士は応じようと――
どんっと、敵の兵士は、前に押された。
逃げようとした他の者とぶつかった。
僕は止めることができずに――
その兵士を、斬った。
「ぐわああああああああ!」
悲鳴。
降りかかる血。
顔に返り血が付く。
倒れる兵士。
僕はとどめを刺そうと。
兵士の胸を。
突いた。
「はあ、はあ、はあ……」
誰かが荒い呼吸をしている――僕だった。
兵士が、目の前で死に掛けている……僕がやったんだ。
刀を、手放してしまう。
「え、あ、何を……?」
口から零れるのは、不明瞭な、言葉。
どくどく流れる血。
胸から溢れる血。
僕じゃない。倒れている兵士からだ。
「あ、あああ……」
敵が血だけじゃなくて、涙を流している。
膝から、崩れ落ちる。
立って、いられなかった。
「お、おい――」
僕は敵に向かって這う。
敵は苦しんで、足掻いている。
もう――助からない。
「――いや、だ」
敵が――最期に言う。
今わの際の言葉を、言う。
「おっかあ……」
伸ばした手は空を切り。
力無く、落ちた。
死んだ。
死んだ死んだ。
死んだ死んだ死んだ。
死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ――殺した。
僕が――殺した。
「うあ、ああ、ああああ――」
一気に気分が悪くなって――吐いた。
いつ殺されてもおかしくない状況で、無防備に、吐いた。
血の臭い。
悲鳴が聞こえる。
誰かが殺して、誰かが殺される、戦場。
僕は、初めて、人を殺した――
そんなつもりはなかった――斬りかかった。
まさか死ぬなんて――最後に突いた。
相手は三好の兵士だった――死んでもいい人間なんていない。
頭の中がくるくると。ぐるぐると。
どうして、殺してしまったんだ?
「だって、攻めてきたから」
本当にそうだろうか?
殺さなくてもいいんじゃないか?
最後に母親を呼んで、死んでいったんだぞ?
もしかしたら、徴兵されてやってきただけかも。
食うに困って、志願しただけかも。
「ああああああああああああああああああ!」
耐え切れずに叫ぶ。
周りの様子など見えない。
僕はただ、守りたかっただけなのに。
殺したくなかったのに。
「雲之介! しっかりしろ!」
肩が揺すられた。
義昭さんだった。
「どうしたんだ!? どこか怪我したのか!?」
心配している、らしい。
「人を、殺しました」
「――っ!」
驚いている、らしい。
「初めて、人を、殺した……」
「もういい! 喋るな!」
義昭さんは、誰かを呼んだ。
手に残る感触。
離れない。
血の臭いも。
悲鳴も。
離れない。
名も分からない敵の最期の言葉も。
離れない。
気がついたら、戦は終わっていた。
死臭が臭う。
僕は死んだ兵士の数を数える――数え切れなくなって、やめた。
「雲之介。信長殿と秀吉が来たぞ」
義昭さんの声。
何故か仮御所の中にいた。
「雲之介――」
大殿の声。
「おぬし――大丈夫か?」
秀吉の声。
心配している。
心配をかけてはいけない。
だから――
「大丈夫ですよ。大殿。平気だから。秀吉」
無理矢理笑って――なんでもない振りをした。
「僕はもう――大丈夫なんだ」
大殿と秀吉と義昭さんは――同情の目を向ける。
なんでそんな目で見るんだろう?
分からない。
分からなかった。
「一覚。勝龍寺城の与一郎に援軍を頼んでくれ」
奥の間で義昭さんは鎧を纏い、刀を腰に差しながら言う。
「公方さま、まさか篭城するおつもりですか!?」
「逃げられないのだろう? だったら篭城するしかない」
そして傍に控えていた明智さまに「指揮はそなたに任す」と命じた。
「なるべく時間を稼いで援軍を待つ。与一郎も変事を聞いた摂津の幕臣も必ずやってくるだろう」
「……義輝公と同じ状況ですぞ?」
「ああ。そうだな。しかし今回ばかりは違う。兄上のときは頼る者が居なかった」
義昭さんの準備は整ったようだ。僕も既に武具を付けている。
「一覚よ。そなたには厳しいことを言う。なるべく早く与一郎に知らせよ。死ぬ気で走り続けろ!」
一覚さんは頭を下げて「かしこまりました! 御武運を!」と言って駆け出した。
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「……悪いな雲之介。そなたも逃がしてやりたいのだが」
「僧の一覚さんはともかく、僕はどうせ捕まってしまいますよ」
僕は肩を竦めながら義昭さんに言う。
「もしものときは女性の格好になって、逃げてください。流石に女を殺そうとはしないでしょう」
「将軍である兄上を殺した者たちだぞ? 望みは薄い……」
確かにそうだった。それでも義昭さんには生きてもらいたい。
「何としても、何をしても、生き延びてください」
「まあ私が死ぬと信長殿が困るからな」
「違います。友として生き残ってほしいのです」
義昭さんは驚いたように目を見開いて、それから大笑いした。
「あっはっは! そうだな。だったら友としてそなたも生き残ってくれよ!」
それから僕は明智さまの手伝いをした。門が簡単に壊れないように補強したり、鉄砲などの武器の準備をしたりする。
明智さまはこの戦を予見していたのだろうか? だから鉄砲を大量に運び入れていたのか?
後で訊ねたら「胸騒ぎがしたのですよ」とよく分からないことを言われた。
「三好三人衆の軍勢、目前まで迫ってきました!」
物見の報告――いよいよ合戦が始まる。
「雲之介殿、鉄砲を使ってください。何、当てるのは難しいですが、怯ませるのは容易です」
「分かりました。任せてください」
明智さまから鉄砲を受け取り、自分の配置に付く。
そして、敵が、迫ってきた。
「絶対に敵を近づけさせるな! 鉄砲隊、火蓋を切れ!」
明智さまの号令で、轟音が鳴る。僕も目の前の敵に向かって引き金を引いた。
しかし敵は倒れない。どうやら外れたようだ。
「弾を込めろ! その間に矢で応戦しろ!」
鉄砲の弱点は連続して撃てないということだ。それを補うために弓矢で対応する。流石に鉄砲の名手、明智さま。分かっている。
加えて明智さまの采配は見事で、三好三人衆の軍勢を寄せ付けなかった。
幕臣たちも四方で各々奮戦している。
これなら援軍が来るまで、持つかもしれない。
やがて日が暮れた。すると法螺貝が鳴り、軍勢が引き上げていく。
「ふう。なんとか守りきれました。しかし夜襲があるかもしれませんから、交代で見張りましょう」
明智さまはそう言ったけど、朝方になるまで戦は再開されなかった。どうやらじっくりと攻めるつもりなんだろう。まあ戦力差があるから当然の戦略である。
翌朝。三好の軍勢は昨日よりも凄まじい勢いで攻めてきた。
「皆の者! 堪えよ! もうすぐ援軍は来るはずだ!」
明智さまが必死で兵士たちを鼓舞する。しかし塀を乗り越えて、寺内に雪崩れ込んでくる敵が多くなった。
その内の数名が義昭さんの居る本堂へと駆けていく。
――不味い! 誰も追ってない、気づいていない!
僕は持ち場を離れて、刀を抜きつつ、義昭さんの元へ向かった。
本堂の前で敵は明智さまが配置した味方に阻まれていた。
良かったと安心する間もなく、分が悪いと感じた敵の一人がこっちに逃げてくる。
「なっ! てめえ、こっち来るな!」
刀をでたらめに振り回す、僕と同世代の若者。
はっきり言えば、僕は――おかしくなっていた。
義昭さんを守るという使命感と戦場特有の興奮で、訳が分からなくなってしまった。
弱いくせに、目の前の兵士を倒そうと決意した。
「畜生! 俺は――」
その言葉を待たずに、僕は大声を上げながら斬りかかる。
兵士は応じようと――
どんっと、敵の兵士は、前に押された。
逃げようとした他の者とぶつかった。
僕は止めることができずに――
その兵士を、斬った。
「ぐわああああああああ!」
悲鳴。
降りかかる血。
顔に返り血が付く。
倒れる兵士。
僕はとどめを刺そうと。
兵士の胸を。
突いた。
「はあ、はあ、はあ……」
誰かが荒い呼吸をしている――僕だった。
兵士が、目の前で死に掛けている……僕がやったんだ。
刀を、手放してしまう。
「え、あ、何を……?」
口から零れるのは、不明瞭な、言葉。
どくどく流れる血。
胸から溢れる血。
僕じゃない。倒れている兵士からだ。
「あ、あああ……」
敵が血だけじゃなくて、涙を流している。
膝から、崩れ落ちる。
立って、いられなかった。
「お、おい――」
僕は敵に向かって這う。
敵は苦しんで、足掻いている。
もう――助からない。
「――いや、だ」
敵が――最期に言う。
今わの際の言葉を、言う。
「おっかあ……」
伸ばした手は空を切り。
力無く、落ちた。
死んだ。
死んだ死んだ。
死んだ死んだ死んだ。
死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ死んだ――殺した。
僕が――殺した。
「うあ、ああ、ああああ――」
一気に気分が悪くなって――吐いた。
いつ殺されてもおかしくない状況で、無防備に、吐いた。
血の臭い。
悲鳴が聞こえる。
誰かが殺して、誰かが殺される、戦場。
僕は、初めて、人を殺した――
そんなつもりはなかった――斬りかかった。
まさか死ぬなんて――最後に突いた。
相手は三好の兵士だった――死んでもいい人間なんていない。
頭の中がくるくると。ぐるぐると。
どうして、殺してしまったんだ?
「だって、攻めてきたから」
本当にそうだろうか?
殺さなくてもいいんじゃないか?
最後に母親を呼んで、死んでいったんだぞ?
もしかしたら、徴兵されてやってきただけかも。
食うに困って、志願しただけかも。
「ああああああああああああああああああ!」
耐え切れずに叫ぶ。
周りの様子など見えない。
僕はただ、守りたかっただけなのに。
殺したくなかったのに。
「雲之介! しっかりしろ!」
肩が揺すられた。
義昭さんだった。
「どうしたんだ!? どこか怪我したのか!?」
心配している、らしい。
「人を、殺しました」
「――っ!」
驚いている、らしい。
「初めて、人を、殺した……」
「もういい! 喋るな!」
義昭さんは、誰かを呼んだ。
手に残る感触。
離れない。
血の臭いも。
悲鳴も。
離れない。
名も分からない敵の最期の言葉も。
離れない。
気がついたら、戦は終わっていた。
死臭が臭う。
僕は死んだ兵士の数を数える――数え切れなくなって、やめた。
「雲之介。信長殿と秀吉が来たぞ」
義昭さんの声。
何故か仮御所の中にいた。
「雲之介――」
大殿の声。
「おぬし――大丈夫か?」
秀吉の声。
心配している。
心配をかけてはいけない。
だから――
「大丈夫ですよ。大殿。平気だから。秀吉」
無理矢理笑って――なんでもない振りをした。
「僕はもう――大丈夫なんだ」
大殿と秀吉と義昭さんは――同情の目を向ける。
なんでそんな目で見るんだろう?
分からない。
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