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㊹最終話

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痛いぐらいの締め付けとうねる肉壁に純也も限界が近付く。

 「啓介さん、奥で出させて♡♡♡」

 「ふっ???あっ♡ん、あああぅっ♡あっ、あついぃ・・・♡♡」

 純也は一際強く腰を打ち付けると、啓介の最奥で射精した。

 日頃は絶対にスキンを使用するため、熱い液体が流しこまれる不慣れな感覚に啓介は思わず腹筋に力が入る。

 純也は、そのまま、そっと後に倒しベッド上に啓介を寝かせた。
 
 純也は名残り惜しいものの、今だ締め付ける肉壁から自身を抜き出す。

 「あっ♡ひっ♡やっ♡だめっ♡♡だめっっ♡♡っっでるぅっ♡♡♡」

 絶頂にいる状態で中を刺激され、啓介は腰を浮かして立て続けに絶頂を迎える。
 しかし、啓介の陰茎から吹き出したのは、さらさらとした透明な液体だった。
 
 「啓介さん・・・潮?」

 純也は、初めてみた啓介の潮吹きに抜きかけていた自身をとめる。

 ヒクヒクと動く啓介の腹筋に合わせるように少量の液体が押し出される。
 何ともイヤらしい光景だった。

 ・・・エロ♡♡♡・・・

 「あっ♡・・・も、抜いてぇ、じゅんやぁ・・・。」

 一方、啓介の声は弱々しい。

 急いで確認すると涙でぐちゃぐちゃの顔は、今にも気を失ってしまいそうだった。




 「啓介さん・・・大丈夫?ごめんね・・・やりすぎたよね・・・。」

 体を落ち着かせるための休憩をはさみ、二人はお風呂に入り直していた。

 純也は入浴前に絶対にイタズラをしない!!という約束をさせられたので、激しすぎたプレイを反省し大人しく後ろで支え役に徹している。
 
 「ん・・・いつもは、お前が満足するまで付き合ってやれないから、たまには・・・。」

 今日は怒られても仕方ないな、と思っていたところに思いがけない言葉を言われた。

 連休に入るということで、少しやりすぎってしまっただけで、普段から今日のようなレベルを求めているわけではない。

 「そんなことないよ!!!?普段も十分だからね?俺、毎回、幸せだし満足してるから!!」

 年齢的なものもあるが、やはり受け入れる方の負担は大きい。
 啓介の体のことを考えるのは当然のことだ。それは決して不満ではない。

 「そうか・・・?・・・でも・・・。」

 「ほんとだから!!ぜんぜん不満とかないから!!今日、やりすぎちゃっただけだから!!ごめんね・・・そんな気持ちにさせちゃって・・・。でも、信じて!!俺、ほんと不満とかないから!!」

 「・・・良かった・・・俺も毎回幸せだ・・・」

 言葉も嬉しいけれど、自分の体に体重を預けてくれるのが嬉しい。付き合い始めの頃は、見た目のせいか貧弱に思われていたため、こんなことはしてくれなかった。

 一緒に買い物に行った時の荷物さえ持とうとしてくれるし、車の運転もしてくれるし、男として複雑な心境だった。

 今はこうやって頼ってくれることも増えたのが嬉しい。
今の状況は圧倒的に純也のせいだが。

 

 
 「啓介さん、いつまでグリーンキーパーするの?定年まで?」

 純也は国生から誘われて応じたものの、啓介はきっと心底、今の仕事が好きなのだろうと感じていた。

 「いや、そんなに長くはできない。」

 「そうなの?なんで?体力?」

 「ゴルフ場って山に作ってるところが多いだろ?グリーンキーパーは、就任時に山と契約を結ぶんだ。俺も、御祈祷の神主さんの立会で契約した。その間は山を使うことを許してもらえる。それは10年が限界で、それを超えたら山に連れて行かれるだとか、命を持っていかれるとか言われてる。迷信かもしれないが、どこのゴルフ場も今でもちゃんと守ってるんだ。」

 「めっちゃ危ない仕事じゃないですか!!」

 もしかして、やたら正体不明のもの達に好かれてるのってそのせい?

 一刻も早く、契約を終わらせてほしい。

 「そうか?普段は、普通だぞ?死んだ人知らないし。」

 他の人間はどうでもいい。啓介だけが大事なのだ。

 「啓介さん、今、何年目?」

 「四年目だ。」

 「もう、早く国生さんに譲りましょう!!」

 国生が後何年いられるのかは知らないが、譲ってしまえば取り敢えず啓介は安全だ。
 国生は家の事があるし、タイミングを見て自分で辞めるだろう。

 「でも、あいつ、家督継ぐだろ?」

 知ってたの!!! 

 純也は、てっきり啓介は国生の実家の事は知らないからサブキーパーをさせているのだと思っていた。

 「だったら、なんでサブキーパーにしたんですか!!」

 「会社から勧めれて・・・真面目に働いてたし、祭囃子とかすぐ気付くから・・・いいかなって・・・。」

 確かに、純也からしても国生の存在は有り難い。しかし、真面目で怪異に気付く部下なんて他に何人もいるはずだ。

 今からでも、グリーンキーパーを譲るに相応しい、誰か別の人に変わってもらったらどうだろうか・・・。

 「もぅ~!!」

 「お前は?いつまでもいないだろう?」

 「啓介さんが、いる間はいますよ!!他に行くなら付いてくし!!」

 「俺に合わせなくても・・・離れてたって・・・。」

 「離れたくないんだってば!!俺は絶対浮気しないけど、啓介さんから目を離したくないの!!絶対、ついてくから!!」

 「じゃあ、またどっかゴルフ場でも行くか?」

 その言葉に、啓介はやはり今の仕事が好きなんだろうと思う。

 「・・・啓介さん、実は俺・・・国生さんに、もし実家を継ぐことになったら、啓介さんと一緒に付いて来てほしいって言われたんてます。国生さんは、料理長つれてくらしくて・・・そうなったら、一緒に店でもすればって言われたんですけど・・・俺、啓介さんと離れたくないです!!一緒に来てください!!」

 啓介に断られたら、国生とは行けない。

 「ん・・・俺は、できることないし・・・あっ、野菜作る!農業してみたかった!!」

 「!!!それって俺の料理のため?」

 めちゃくちゃ嬉しい!!そんなの考えたこともなかったけど、啓介さんが俺のために作ってくれた野菜で料理するなんて最高だ!!

 しかも、農業なら人前に出るような仕事じゃない!!

 「あぁ、野菜とハーブと・・・鶏もいいな・・・美味しい卵がとれるだろうから・・・一人じゃ無理そうだから、そうなったら誰か雇うか・・・。」

 「国生さんに家の仕事しながら、農業もしてもらったらいいですよ!!料理長から言ってもらえば、絶対するし。」

 新しい人間は信用できない。自分のいない時間になにかあったらと思うと気が気でない。

 「国生、大変だな!」

 「ウエイトレス二人も来てもらいましょう!」

 「来るか?」

 「説得します!そしたら、ぶなぴも一緒ですよ!」

 「いいな!!風見達は、客人気も高いし!!ぶなぴがいるなら、ぶなぴが店長だな。」

 「えっ、そうなの?」

 「次は、ぶなぴの部下として働く!!」

 なにそれ!!めっちゃ可愛い!!言ってること、めっちゃ可愛い!!

 俺達、全員、ぶなぴの部下でいい!!

 飼い主である友緖の知らないところで、話はどんどん進んでいく。

 純也は啓介と未来の約束ができたことで幸せに溢れ、国生との約束通り篠原のことは微塵も考えず、すっかり忘れていた。

 幸せであることは、残酷であり最強だ。
  
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