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52.全然違う恰好の女性たちがやってきた
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少し広い座敷に通される。
そこには村長と、ジャンニー村の女性たちがいた。なんか思ったより数が多い気がする。ざっと見て、四人はいそうだった。
彼女たちがすでにこちらに来ていたと知って驚いた。取り決めなどはまだ時間がかかると思っていたからだった。
「旦那さまはこちらへ」
ゆかりさんに促されて、夕飯が載ったお膳の前に腰掛ける。やがてロンゲや前髪長男、小平がやってきた。もちろん女性たちを伴って、である。
メイニー村の女性たちは一瞬ではあったが、ジャンニー村の女性にきつい視線を向けた。確かに僕たちは彼女たちにとっても大事な種馬だろうし。
「おお、怖いねぇ。取って食おうってんじゃないんだからいいじゃないか」
ジャンニー村の、赤い短髪の女性が茶化すように言う。彼女たちは布の少ない服を着ていた。胸までのタンクトップに、下はショートパンツ姿である。くびれた腰と見えるへそがえっちだと思った。でも僕としては和服姿のこちらの女性たちの方がそそられるんだよな。
「食べながらでいいので聞いてください。これから十日程度、ジャンニー村の者たちが貴方がたのお世話をします。ジャンニー村の女たちを気に入った場合はあちらに行っていただいてもかまいません。ですがどうか判断は最終日にお願いします」
村長は丁寧に頭を下げた。
「……俺たちがそっちの村の女を抱けばいいのか?」
ロンゲが面倒くさそうに聞く。
「それも貴方がたの判断に任せます。食指が動かなければ抱かなくてもかまいません」
「っおいっ! それは話が違うでしょうがっ!」
村長の側にいる赤い髪の女性が食って掛かった。
「……女を抱くも抱かないも旦那さま次第です。それともなんですか? ジャンニー村では嫌がる旦那さまに無理矢理乗っかって種をおねだりしているのですか?」
「そ、そんなわけないでしょっ!」
「でしたら旦那さまのお気持ちが伴うまで待つべきでしょう」
「……十日しかないのに」
「それ以上養うことは難しいのですよ。もっと滞在されたければ食糧はご自身で用意してください」
「…………」
どうやら口はこちらの村長の方が達者なようだ。
食糧問題もあるらしい。ただ、子種を欲しがるぐらいだからそこまで深刻ではないと思う。本当に食べるのに困るようなら出産の制限もするだろうし。他の村の人を養う金はないってことなんだろうなと解釈した。
でも、もしも本当に食うに困ってるのならば何か手伝いをしたい。かやから伝えられた魔法の中で何か使えるものがないか後で探してみよう。
「ぼ、僕の種は上等だからな……。そ、そう簡単にもらえると思うなよっ」
なんかボソボソと前髪長男が呟いた。僕のいるところまではなんとなく聞こえたけど、ジャンニー村の女性たちにまでは届いていないんじゃなかろうか。僕は呆れて前髪長男の方を見た。ヤツの周りにいるロリたちも少し困ったような顔をしている。
「なっ、何見てんだよ……」
そんな声まで小さい。
「別に」
「な、なんだよ」
こんなことなら見なきゃよかった。ゆかりさんがにっこりと前髪長男に微笑みかけた。
「旦那さまに御用ですか? よろしければ私が承りますが」
「えっ? い、いや……その……別に」
前髪長男はゆかりさんにたじたじになった。僕が対応できなくて申し訳ないと思った。あとで謝っておこう。
「それにしても……しょぼいもん食べてるねぇ。うちに来れば肉なんて食べ放題だよ」
赤髪の女性が小平のお膳を見て言う。なんかそれが嫌だなと思った。
「満足していますから大丈夫です」
小平はそっけなく言い、メシを食べた。
「ふうん……なんか覇気のない奴らだね。まぁいい。これから世話になるよ」
「自分のことは自分でするように。旦那さま方の手を煩わせるようなことは許しません」
「わかった」
村長と赤髪の女性のやりとりを聞いていたせいか、なんか食べた気がしなかった。内心うんざりしながらゆかりさんと部屋に戻る。かやにお茶をもらい、飲んでいたら先ほどの赤髪の女性が僕のところへやってきた。
「邪魔をするよ。アタシはコウって言うんだ。よろしく」
彼女はそう言って僕の前であぐらをかいて座った。僕は目を丸くした。豪快というのか、ガサツというのか、少なくとも僕の好みではない。僕はちら、とゆかりさんとかやを見た。着物姿で、正座をしている。楚々とした美女と美少女を見て和んだ。
「名乗りもしないのかい?」
「ああ、すみません。僕は斉藤といいます」
「サイトー?」
赤髪の女性―コウさんは首を傾げた。言いづらいと思ったのだろうか。よく見なくてもコウさんもかわいい顔をしている。気の強い女性というかんじだ。
「旦那さまを呼び捨てにするなんて……」
かやが小さな声で言う。そんなところもかわいいと思った。
別に全ての女性に僕好みになってほしいとは思わない。正座をしている和服美少女ってクルものがあるけど、正座って決して足には悪いし。崩して座ったとしても痺れるんじゃないかなとか考えたりもする。
さすがに和服であぐらはかけないだろうけど、少しは楽にしてほしい。
ちょっとだけコウさんに興味が湧いた。
「コウさんとお呼びしてもいいですか?」
「ああ、いいよ」
笑顔に色気が混じるのがいいかもしれない。
「失礼ですが、コウさんの村の男たちはコウさんのような恰好や態度を望んでいるんですよね?」
だから、気になったことを聞いてみたのだった。
そこには村長と、ジャンニー村の女性たちがいた。なんか思ったより数が多い気がする。ざっと見て、四人はいそうだった。
彼女たちがすでにこちらに来ていたと知って驚いた。取り決めなどはまだ時間がかかると思っていたからだった。
「旦那さまはこちらへ」
ゆかりさんに促されて、夕飯が載ったお膳の前に腰掛ける。やがてロンゲや前髪長男、小平がやってきた。もちろん女性たちを伴って、である。
メイニー村の女性たちは一瞬ではあったが、ジャンニー村の女性にきつい視線を向けた。確かに僕たちは彼女たちにとっても大事な種馬だろうし。
「おお、怖いねぇ。取って食おうってんじゃないんだからいいじゃないか」
ジャンニー村の、赤い短髪の女性が茶化すように言う。彼女たちは布の少ない服を着ていた。胸までのタンクトップに、下はショートパンツ姿である。くびれた腰と見えるへそがえっちだと思った。でも僕としては和服姿のこちらの女性たちの方がそそられるんだよな。
「食べながらでいいので聞いてください。これから十日程度、ジャンニー村の者たちが貴方がたのお世話をします。ジャンニー村の女たちを気に入った場合はあちらに行っていただいてもかまいません。ですがどうか判断は最終日にお願いします」
村長は丁寧に頭を下げた。
「……俺たちがそっちの村の女を抱けばいいのか?」
ロンゲが面倒くさそうに聞く。
「それも貴方がたの判断に任せます。食指が動かなければ抱かなくてもかまいません」
「っおいっ! それは話が違うでしょうがっ!」
村長の側にいる赤い髪の女性が食って掛かった。
「……女を抱くも抱かないも旦那さま次第です。それともなんですか? ジャンニー村では嫌がる旦那さまに無理矢理乗っかって種をおねだりしているのですか?」
「そ、そんなわけないでしょっ!」
「でしたら旦那さまのお気持ちが伴うまで待つべきでしょう」
「……十日しかないのに」
「それ以上養うことは難しいのですよ。もっと滞在されたければ食糧はご自身で用意してください」
「…………」
どうやら口はこちらの村長の方が達者なようだ。
食糧問題もあるらしい。ただ、子種を欲しがるぐらいだからそこまで深刻ではないと思う。本当に食べるのに困るようなら出産の制限もするだろうし。他の村の人を養う金はないってことなんだろうなと解釈した。
でも、もしも本当に食うに困ってるのならば何か手伝いをしたい。かやから伝えられた魔法の中で何か使えるものがないか後で探してみよう。
「ぼ、僕の種は上等だからな……。そ、そう簡単にもらえると思うなよっ」
なんかボソボソと前髪長男が呟いた。僕のいるところまではなんとなく聞こえたけど、ジャンニー村の女性たちにまでは届いていないんじゃなかろうか。僕は呆れて前髪長男の方を見た。ヤツの周りにいるロリたちも少し困ったような顔をしている。
「なっ、何見てんだよ……」
そんな声まで小さい。
「別に」
「な、なんだよ」
こんなことなら見なきゃよかった。ゆかりさんがにっこりと前髪長男に微笑みかけた。
「旦那さまに御用ですか? よろしければ私が承りますが」
「えっ? い、いや……その……別に」
前髪長男はゆかりさんにたじたじになった。僕が対応できなくて申し訳ないと思った。あとで謝っておこう。
「それにしても……しょぼいもん食べてるねぇ。うちに来れば肉なんて食べ放題だよ」
赤髪の女性が小平のお膳を見て言う。なんかそれが嫌だなと思った。
「満足していますから大丈夫です」
小平はそっけなく言い、メシを食べた。
「ふうん……なんか覇気のない奴らだね。まぁいい。これから世話になるよ」
「自分のことは自分でするように。旦那さま方の手を煩わせるようなことは許しません」
「わかった」
村長と赤髪の女性のやりとりを聞いていたせいか、なんか食べた気がしなかった。内心うんざりしながらゆかりさんと部屋に戻る。かやにお茶をもらい、飲んでいたら先ほどの赤髪の女性が僕のところへやってきた。
「邪魔をするよ。アタシはコウって言うんだ。よろしく」
彼女はそう言って僕の前であぐらをかいて座った。僕は目を丸くした。豪快というのか、ガサツというのか、少なくとも僕の好みではない。僕はちら、とゆかりさんとかやを見た。着物姿で、正座をしている。楚々とした美女と美少女を見て和んだ。
「名乗りもしないのかい?」
「ああ、すみません。僕は斉藤といいます」
「サイトー?」
赤髪の女性―コウさんは首を傾げた。言いづらいと思ったのだろうか。よく見なくてもコウさんもかわいい顔をしている。気の強い女性というかんじだ。
「旦那さまを呼び捨てにするなんて……」
かやが小さな声で言う。そんなところもかわいいと思った。
別に全ての女性に僕好みになってほしいとは思わない。正座をしている和服美少女ってクルものがあるけど、正座って決して足には悪いし。崩して座ったとしても痺れるんじゃないかなとか考えたりもする。
さすがに和服であぐらはかけないだろうけど、少しは楽にしてほしい。
ちょっとだけコウさんに興味が湧いた。
「コウさんとお呼びしてもいいですか?」
「ああ、いいよ」
笑顔に色気が混じるのがいいかもしれない。
「失礼ですが、コウさんの村の男たちはコウさんのような恰好や態度を望んでいるんですよね?」
だから、気になったことを聞いてみたのだった。
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不定期ですが、書ける範囲で書いていきます。
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