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110.初めての外出
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「リューイ、そなたと出かけたくないわけではないのだ」
「できるだけ人気がないところへならば、まだ……」
偉明と清明にそう言われて、僕は目を丸くした。巨人族というのは非常に嫉妬深いのと独占欲がすごいので、あまり妻を表に出したがらないということは聞いていたし、侍従長にも頭を下げられてしまった。かえって申し訳ないと思ったぐらいである。
偉明と清明はあそこがいいかここがいいかなど話し合ってくれて、そうして僕を連れて行く場所が決まったらしい。
「ゆっくりできるといえばあそこだろう」
「そうですね。ですが、予約などは大丈夫ですか?」
「押さえてございます」
清明の疑問には侍従長が答えた。いったいどこへ連れていってくれるのだろう。
予約が必要なところって?
わくわくしてきた。
「お召替えを」
と言われていつもの衣服よりも華美なものを着せられた。こんなに美しい衣装を僕が着てもいいのだろうかと戸惑う。髪も大分長くなった。一部の髪をお団子にしてもらい、頭の上で布に包んでもらう。夫たちとは違い、全ての髪をしまうようにはされなかった。
邪魔にならない程度に結ってもらったようなかんじである。
偉明に白いレースの靴下を履かされ、抱き上げられた。頭には薄絹がかけられる。ここに来る時に被せられた物のようだった。
「そなたからは周りは見えようが、これには不可視の魔法がかけられている。他の者からは見えない」
「……では、旦那様からも僕の姿は見えないのでしょうか?」
あの時は初めて見る景色に夢中になっていて、この薄絹のことまでよく考えてはいなかった。いくら夫たちが僕を知らない誰かに見せない為だとしても、夫たちからも見えないのは嫌だと思ったのだ。
「この薄絹には範囲魔法も同時にかけてある。我ら兄弟にはそなたの姿は見える故、安心するといい」
それを聞いてほっとしてから、はっとした。全く特徴のない地味で平凡な顔をしているのに、誰が見ても素敵と称するだろう夫たちに見てもらいたいだなんて図々しいにも程がある。
僕は調子に乗っているみたいだ。
「そ、その……やっぱり僕の顔は見えなくてもいいのではないでしょうか……」
おずおずと言えば、偉明と清明だけでなく侍従長までいぶかし気な表情をした。
「リューイ、それはいったいどういう意味か?」
「も、もしや私たちを嫌いになってしまったのか?」
そんなことは絶対にありえない。僕は首を振った。
「そ、そのようなことはありえません……! ただ、僕は顔も普通ですし……見る必要なんてないのではないかと思って……」
偉明たちははーっとため息を吐いた。
「……かえすがえすもアレが憎い」
「……同感です」
夫たちはなんのことを言っているのだろう。
「リューイに自信を持てと言うのは酷かもしれぬが……我らの、そなたに向ける愛だけは疑わぬように」
「……は、はい……」
いくら卑屈な僕だって夫たちに愛されている自覚はある。
「もし疑った時は……わかっているな?」
僕は首を傾げた。
「そなたがどんなに泣いて嫌がっても、我ら兄弟全員でそなたを抱き続ける故覚悟せよ」
「ええっ……?」
カーッと頬だけでなく頭まで熱が上がったみたいだった。夫たち全員で僕を抱き続けるって……想像しただけで頭が沸騰してしまいそうだった。
「わ、わかっています、から……」
声が上擦ってしまった。
どれぐらいの間抱かれてしまうのかなんて絶対聞いてはいけない。好奇心はあるけど、それを聞いた途端部屋から出してもらえなくなるような気がした。
「哥、そろそろ出かけましょう。このままここにいたらまたベッドに連れ込みたくなってしまいます」
清明がため息交じりに言ったことで、偉明はようやく僕を抱いたまま立ち上がった。内心ほっとしたのは内緒だ。
館を出て、少し大きな門を出ると、大きめの屋根のない馬車が待っていた。
「では参る」
偉明はそう言い、僕を抱いたまま馬車に乗った。清明も後に続く。
「夕方までには一度お戻りください。今後泊まりの際は事前におっしゃってください」
「わかった」
侍従長に言われ、見送りをされる。御者は無言で静かに馬車を走らせ始めた。
今日は本当にいったいどこへ連れて行ってくれるのだろう。薄絹は簡単に飛んでいかないようにとボタンで留められたから安心である。
風が気持ちいい。
「どちらへ連れて行ってくださるのですか?」
「我が領地にある庭園だ。大きな貯水池がある。そういったものを見たことはあるか?」
僕は首を振った。
「貯水池は、見たことはありません。池は見たことがありますけれど……」
「ではその池と比べて大きさがどうか教えてくれ」
「わかりました」
夫と出かけるなんて初めてかもしれない。前夫のトラッシュとも、結婚してからは一度も一緒に出かけたことはなかった。
思い出したら少し胸が痛んだけれど、風を感じているうちにわくわくしてきた。
偉明が頭にそっと口づけてくれたり、清明に手をさすってもらったりした。そんなちょっとした仕草にいちいち胸が高鳴ってしまう。僕は夫たちの妻なんだって、そう思っただけで胸がきゅーんとなった。
いったいどんなところなのだろうか。
とても楽しみだった。
ーーーーー
何回かエロなしが続きます。リューイのわくわくを一緒に体験していただけると幸いですー
「できるだけ人気がないところへならば、まだ……」
偉明と清明にそう言われて、僕は目を丸くした。巨人族というのは非常に嫉妬深いのと独占欲がすごいので、あまり妻を表に出したがらないということは聞いていたし、侍従長にも頭を下げられてしまった。かえって申し訳ないと思ったぐらいである。
偉明と清明はあそこがいいかここがいいかなど話し合ってくれて、そうして僕を連れて行く場所が決まったらしい。
「ゆっくりできるといえばあそこだろう」
「そうですね。ですが、予約などは大丈夫ですか?」
「押さえてございます」
清明の疑問には侍従長が答えた。いったいどこへ連れていってくれるのだろう。
予約が必要なところって?
わくわくしてきた。
「お召替えを」
と言われていつもの衣服よりも華美なものを着せられた。こんなに美しい衣装を僕が着てもいいのだろうかと戸惑う。髪も大分長くなった。一部の髪をお団子にしてもらい、頭の上で布に包んでもらう。夫たちとは違い、全ての髪をしまうようにはされなかった。
邪魔にならない程度に結ってもらったようなかんじである。
偉明に白いレースの靴下を履かされ、抱き上げられた。頭には薄絹がかけられる。ここに来る時に被せられた物のようだった。
「そなたからは周りは見えようが、これには不可視の魔法がかけられている。他の者からは見えない」
「……では、旦那様からも僕の姿は見えないのでしょうか?」
あの時は初めて見る景色に夢中になっていて、この薄絹のことまでよく考えてはいなかった。いくら夫たちが僕を知らない誰かに見せない為だとしても、夫たちからも見えないのは嫌だと思ったのだ。
「この薄絹には範囲魔法も同時にかけてある。我ら兄弟にはそなたの姿は見える故、安心するといい」
それを聞いてほっとしてから、はっとした。全く特徴のない地味で平凡な顔をしているのに、誰が見ても素敵と称するだろう夫たちに見てもらいたいだなんて図々しいにも程がある。
僕は調子に乗っているみたいだ。
「そ、その……やっぱり僕の顔は見えなくてもいいのではないでしょうか……」
おずおずと言えば、偉明と清明だけでなく侍従長までいぶかし気な表情をした。
「リューイ、それはいったいどういう意味か?」
「も、もしや私たちを嫌いになってしまったのか?」
そんなことは絶対にありえない。僕は首を振った。
「そ、そのようなことはありえません……! ただ、僕は顔も普通ですし……見る必要なんてないのではないかと思って……」
偉明たちははーっとため息を吐いた。
「……かえすがえすもアレが憎い」
「……同感です」
夫たちはなんのことを言っているのだろう。
「リューイに自信を持てと言うのは酷かもしれぬが……我らの、そなたに向ける愛だけは疑わぬように」
「……は、はい……」
いくら卑屈な僕だって夫たちに愛されている自覚はある。
「もし疑った時は……わかっているな?」
僕は首を傾げた。
「そなたがどんなに泣いて嫌がっても、我ら兄弟全員でそなたを抱き続ける故覚悟せよ」
「ええっ……?」
カーッと頬だけでなく頭まで熱が上がったみたいだった。夫たち全員で僕を抱き続けるって……想像しただけで頭が沸騰してしまいそうだった。
「わ、わかっています、から……」
声が上擦ってしまった。
どれぐらいの間抱かれてしまうのかなんて絶対聞いてはいけない。好奇心はあるけど、それを聞いた途端部屋から出してもらえなくなるような気がした。
「哥、そろそろ出かけましょう。このままここにいたらまたベッドに連れ込みたくなってしまいます」
清明がため息交じりに言ったことで、偉明はようやく僕を抱いたまま立ち上がった。内心ほっとしたのは内緒だ。
館を出て、少し大きな門を出ると、大きめの屋根のない馬車が待っていた。
「では参る」
偉明はそう言い、僕を抱いたまま馬車に乗った。清明も後に続く。
「夕方までには一度お戻りください。今後泊まりの際は事前におっしゃってください」
「わかった」
侍従長に言われ、見送りをされる。御者は無言で静かに馬車を走らせ始めた。
今日は本当にいったいどこへ連れて行ってくれるのだろう。薄絹は簡単に飛んでいかないようにとボタンで留められたから安心である。
風が気持ちいい。
「どちらへ連れて行ってくださるのですか?」
「我が領地にある庭園だ。大きな貯水池がある。そういったものを見たことはあるか?」
僕は首を振った。
「貯水池は、見たことはありません。池は見たことがありますけれど……」
「ではその池と比べて大きさがどうか教えてくれ」
「わかりました」
夫と出かけるなんて初めてかもしれない。前夫のトラッシュとも、結婚してからは一度も一緒に出かけたことはなかった。
思い出したら少し胸が痛んだけれど、風を感じているうちにわくわくしてきた。
偉明が頭にそっと口づけてくれたり、清明に手をさすってもらったりした。そんなちょっとした仕草にいちいち胸が高鳴ってしまう。僕は夫たちの妻なんだって、そう思っただけで胸がきゅーんとなった。
いったいどんなところなのだろうか。
とても楽しみだった。
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何回かエロなしが続きます。リューイのわくわくを一緒に体験していただけると幸いですー
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