85 / 136
84.少しだけ、穏やかな時間も
しおりを挟む
我ながら考え方が後ろ向きすぎるとは思う。でも楽観視なんてとてもできない。
だって、一番愛してほしい人からは一欠けらも優しさをもらえなかったから。
昼食の後、偉明に抱き上げられて部屋へ向かった。このままいつも通りベッドに運ばれてしまうのだろうと思っていたら、偉明は僕を抱えたままベランダへ出た。
「?」
「旦那さま?」
「”天使”がとても弱いということを失念していた。”天使”には確かに精と愛が必要だということは知っていたが、それ以外にも必要なことがあってな」
僕は首を傾げた。
ベランダにはそれなりに日が差し込んできていた。
少し眩しい。
「日の光を浴びるのが重要だと知っているか?」
「そういえば……」
この国では日光浴はしないみたいなのだけど、僕の国では日光浴もするのが普通だ。
「そなたの肌は白い。長時間日の光を浴びるのはよくないだろうが、一日に少しの間はこうして日を浴びた方がいい」
風がそよそよと吹いてきて、気持ちよかった。
「ありがとうございます」
夫たちと共にいると、ほとんど抱かれているからこういう穏やかな時間が代えがたいものに思えた。確かにずっと部屋の中に閉じこもっているのは身体だけでなく精神にもよくないかもしれない。
「だが楼台(ベランダ)だけではよくないな。次は庭へ連れて行こう」
「はい、ありがとうございます」
この館に来てから、僕はずっと部屋と食堂、そして時折風呂場とを往復をしているだけだ。この部屋が二階にあることはわかっている。食堂も風呂場もこの階にあるから、全くといっていいほど移動していない。一階に降りたこともないし、降りようと思ったこともなかった。
ちょっとおかしくなった。
「旦那さま」
「如何か?」
「そのう……例えばなのですが、旦那さまとでしたら外出することは可能なのでしょうか」
「外出したいのか?」
したいかしたくないかと聞かれればしたい。ただ、僕は”天使”だからそれが叶えられるかどうかはわからなかった。
「はい。旦那さまの領地を見て回ったりできればと思いまして……。その、私にとってこちらの国は未知でございますから」
「……そうだな。遠くへは連れていけぬが、近くであれば考えてみよう」
侍従がお茶を運んできた。お茶菓子に丸くて、ごまのようなものがついている物が出された。
「食べてみよ」
「いただきます」
長椅子に腰掛けた偉明に横抱きにされたまま、久しぶりに穏やかな時間を過ごした。偉明は時折僕の髪に口づける。それが甘くてどぎまぎした。
「……そなたが愛しくてたまらぬな」
そんなことを言われたら胸がきゅうっとなってしまう。僕は偉明に頭をもたせかけた。
これからは一日に一回はこういう時間が持てるらしい。それはとても喜ばしいことだった。
お茶を飲み干して落ち着いたところで、偉明は僕を抱いたまま立ち上がった。
「そろそろよいか?」
「……はい、旦那さま」
抱かれるのは怖いと思う。”天使”になったせいか感度が上がっていて、ちょっと触れられただけでも気持ちよくなってしまうし、尻穴なんて触られたらすぐにイッてしまう。こんなえっちな身体でもいいのだろうかとつい不安になってしまう。
僕は”天使”になってしまったから、夫たちに見限られたら生きていけないから。
ベッドに優しく押し倒された。
「……また何かいろいろ考えているのか?」
「あ……」
目に不安の色が出ていたのかもしれない。
「ごめんなさい……」
「そなたの”ごめんなさい”はかわいすぎていかん。つい必要以上に触れてしまいたくなる。だからそなに言うな」
「えっ……」
ごめんなさいと言ってはいけないらしい。どうしたらいいのかと僕は戸惑った。
「いろいろ不安に思う気持ちも少しはわかる。だが我らがそなたを愛しいと思う気持ちだけは変わらぬ故、我らに任せてくれ」
「はい……」
腰帯を取られ、衣服の前を開かれたら裸になってしまう。それなりに鍛えてはいたけど、今は全然筋肉もない気がしていたたまれない。
「綺麗だな。白くて、触れればしっとりと吸い付くようだ」
「あっ……」
ちゅ、ちゅと顔中に口づけられ、唇も塞がれた。
「んっ、んんっ……」
口腔内を舌で辿られながら、さわさわと肌に触れられる。そうして乳首を摘ままれた。
「んっ、んっ……」
口づけも気持ちいいし、くにくにと揉まれる乳首も気持ちよくて困ってしまう。乳輪から引っ張るようにして揉まれているのに、痛みなんて欠片もなかった。夫たちにいっぱいいじられて何度も治癒魔法をかけられて敏感になっているからなのか、乳首をいじられるのが気持ちよくてたまらない。
「んんっ……ぁっ……」
「そなたは唾液も甘いな。乳首も触れる度に大きく育っていて、かわいいぞ」
「ぁっ……やぁっ……」
口づけが首筋、鎖骨と下りていき、片方の乳首に触れた。舌で舐め転がされてびくびく震える。
「あっ、あぁっ、あんっ……!」
もう乳首はすっかり性感帯になっていて、触れられれば感じるようになっている。片方の乳首をちゅくちゅくとしゃぶられながら、もう片方の乳首は太い指でいじられている。
「……赤く色づいてとてもおいしそうだ」
「あぁんっ……!」
乳首を甘噛みされてびくびく震えた。
「ここから早く乳が出るようになるといいが、まだ大きさが足りぬようだ」
「ぁあっ、そんなっ、そんなぁっ……」
引っ張られながらくにくに揉まれたり、少し強く吸ったりされて、また僕の乳首は腫れてしまった。それをまた治癒魔法で治されて……。
夫たちはどれほど僕の乳を飲みたいのだろうと思ったのだった。
ーーーーー
また明日~
だって、一番愛してほしい人からは一欠けらも優しさをもらえなかったから。
昼食の後、偉明に抱き上げられて部屋へ向かった。このままいつも通りベッドに運ばれてしまうのだろうと思っていたら、偉明は僕を抱えたままベランダへ出た。
「?」
「旦那さま?」
「”天使”がとても弱いということを失念していた。”天使”には確かに精と愛が必要だということは知っていたが、それ以外にも必要なことがあってな」
僕は首を傾げた。
ベランダにはそれなりに日が差し込んできていた。
少し眩しい。
「日の光を浴びるのが重要だと知っているか?」
「そういえば……」
この国では日光浴はしないみたいなのだけど、僕の国では日光浴もするのが普通だ。
「そなたの肌は白い。長時間日の光を浴びるのはよくないだろうが、一日に少しの間はこうして日を浴びた方がいい」
風がそよそよと吹いてきて、気持ちよかった。
「ありがとうございます」
夫たちと共にいると、ほとんど抱かれているからこういう穏やかな時間が代えがたいものに思えた。確かにずっと部屋の中に閉じこもっているのは身体だけでなく精神にもよくないかもしれない。
「だが楼台(ベランダ)だけではよくないな。次は庭へ連れて行こう」
「はい、ありがとうございます」
この館に来てから、僕はずっと部屋と食堂、そして時折風呂場とを往復をしているだけだ。この部屋が二階にあることはわかっている。食堂も風呂場もこの階にあるから、全くといっていいほど移動していない。一階に降りたこともないし、降りようと思ったこともなかった。
ちょっとおかしくなった。
「旦那さま」
「如何か?」
「そのう……例えばなのですが、旦那さまとでしたら外出することは可能なのでしょうか」
「外出したいのか?」
したいかしたくないかと聞かれればしたい。ただ、僕は”天使”だからそれが叶えられるかどうかはわからなかった。
「はい。旦那さまの領地を見て回ったりできればと思いまして……。その、私にとってこちらの国は未知でございますから」
「……そうだな。遠くへは連れていけぬが、近くであれば考えてみよう」
侍従がお茶を運んできた。お茶菓子に丸くて、ごまのようなものがついている物が出された。
「食べてみよ」
「いただきます」
長椅子に腰掛けた偉明に横抱きにされたまま、久しぶりに穏やかな時間を過ごした。偉明は時折僕の髪に口づける。それが甘くてどぎまぎした。
「……そなたが愛しくてたまらぬな」
そんなことを言われたら胸がきゅうっとなってしまう。僕は偉明に頭をもたせかけた。
これからは一日に一回はこういう時間が持てるらしい。それはとても喜ばしいことだった。
お茶を飲み干して落ち着いたところで、偉明は僕を抱いたまま立ち上がった。
「そろそろよいか?」
「……はい、旦那さま」
抱かれるのは怖いと思う。”天使”になったせいか感度が上がっていて、ちょっと触れられただけでも気持ちよくなってしまうし、尻穴なんて触られたらすぐにイッてしまう。こんなえっちな身体でもいいのだろうかとつい不安になってしまう。
僕は”天使”になってしまったから、夫たちに見限られたら生きていけないから。
ベッドに優しく押し倒された。
「……また何かいろいろ考えているのか?」
「あ……」
目に不安の色が出ていたのかもしれない。
「ごめんなさい……」
「そなたの”ごめんなさい”はかわいすぎていかん。つい必要以上に触れてしまいたくなる。だからそなに言うな」
「えっ……」
ごめんなさいと言ってはいけないらしい。どうしたらいいのかと僕は戸惑った。
「いろいろ不安に思う気持ちも少しはわかる。だが我らがそなたを愛しいと思う気持ちだけは変わらぬ故、我らに任せてくれ」
「はい……」
腰帯を取られ、衣服の前を開かれたら裸になってしまう。それなりに鍛えてはいたけど、今は全然筋肉もない気がしていたたまれない。
「綺麗だな。白くて、触れればしっとりと吸い付くようだ」
「あっ……」
ちゅ、ちゅと顔中に口づけられ、唇も塞がれた。
「んっ、んんっ……」
口腔内を舌で辿られながら、さわさわと肌に触れられる。そうして乳首を摘ままれた。
「んっ、んっ……」
口づけも気持ちいいし、くにくにと揉まれる乳首も気持ちよくて困ってしまう。乳輪から引っ張るようにして揉まれているのに、痛みなんて欠片もなかった。夫たちにいっぱいいじられて何度も治癒魔法をかけられて敏感になっているからなのか、乳首をいじられるのが気持ちよくてたまらない。
「んんっ……ぁっ……」
「そなたは唾液も甘いな。乳首も触れる度に大きく育っていて、かわいいぞ」
「ぁっ……やぁっ……」
口づけが首筋、鎖骨と下りていき、片方の乳首に触れた。舌で舐め転がされてびくびく震える。
「あっ、あぁっ、あんっ……!」
もう乳首はすっかり性感帯になっていて、触れられれば感じるようになっている。片方の乳首をちゅくちゅくとしゃぶられながら、もう片方の乳首は太い指でいじられている。
「……赤く色づいてとてもおいしそうだ」
「あぁんっ……!」
乳首を甘噛みされてびくびく震えた。
「ここから早く乳が出るようになるといいが、まだ大きさが足りぬようだ」
「ぁあっ、そんなっ、そんなぁっ……」
引っ張られながらくにくに揉まれたり、少し強く吸ったりされて、また僕の乳首は腫れてしまった。それをまた治癒魔法で治されて……。
夫たちはどれほど僕の乳を飲みたいのだろうと思ったのだった。
ーーーーー
また明日~
42
お気に入りに追加
2,666
あなたにおすすめの小説
【完結】素直になれない皇子は四人の夫たちに溺愛される~巨人族貴族の結婚事情
浅葱
BL
【12/20 完結しました】
男しか存在しない世界「ナンシージエ」の物語。
巨人族の皇子である勇志(ヨンジー)は、成人前に「抱かれる身体」をしていると言い渡され、成人してすぐに貴族の四人兄弟に嫁がされた。
皇子でありながら「抱かれる身体」なのだと認定されたショックで、夫たちに抱かれても素直になれない。
そうしている間に妊娠して卵を産んだ後(卵生)、身体が必要以上に疼くようになってしまった。それでも素直になれないまま歳を重ねた。
ある日長いこと結婚しないでいた兄皇子たちが妻を娶ったと聞いた。五個目の卵を産んだ直後、勇志はたまらなくなって兄たちの妻に会いに行く。
そこで兄たちの妻への溺愛ぶりを目の当たりにした。
勇志は兄たちの妻に聞かれるがままに夫たちとの結婚生活を話し、たまには強引にしてくれてもいいのにと愚痴ったら……?
すごく妻を甘やかしたかった四人の夫(臣下)×素直になれないけど本当は甘やかされたい妻(皇子)の溺愛物語。
妻の気持ちを知った夫たちはこれ以上ないってぐらい妻をどろどろに溺愛します。
妻が夫たちの愛を受け止めてあっぷあっぷしていますが、本当は甘やかされたいのでラブラブボンバーです(何
ラブラブハッピーエンドです。
中華ファンタジー/受け視点/産卵/溺愛/乳首責め/アナル責め/結腸責め/おもらし(小スカ)/潮吹き/総受け/授乳プレイ/舌フェラ/尿道責め/駅弁
「巨人族の皇子たち四人と、異世界ラブラブ性活にいたるまで」のスピンオフですが、そちらを読んでいなくてもお楽しみいただけます。
天使さまの生態についてfujossyに設定を載せてあります。
「天使さまの愛で方」
外部登録してあります。よろしくですー
表紙のイラストはNEO ZONEさんにお願いしました。向かって左から智明、勇志、智軒です。さすがに五人は画面に入らない(笑)
とっても美しく描いていただけて嬉しいです!(自分にご褒美
新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~
焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。
美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。
スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。
これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語…
※DLsite様でCG集販売の予定あり
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
獅子帝の宦官長
ごいち
BL
皇帝ラシッドは体格も精力も人並外れているせいで、夜伽に呼ばれた側女たちが怯えて奉仕にならない。
苛立った皇帝に、宦官長のイルハリムは後宮の管理を怠った罰として閨の相手を命じられてしまう。
強面巨根で情愛深い攻×一途で大人しそうだけど隠れ淫乱な受
R18:レイプ・モブレ・SM的表現・暴力表現多少あります。
2022/12/23 エクレア文庫様より電子版・紙版の単行本発売されました
電子版 https://www.cmoa.jp/title/1101371573/
紙版 https://comicomi-studio.com/goods/detail?goodsCd=G0100914003000140675
単行本発売記念として、12/23に番外編SS2本を投稿しております
良かったら獅子帝の世界をお楽しみください
ありがとうございました!
【完結】化物の里に嫁ぎます~意地っ張りな童貞処女は毎日化物たちに愛でられる
浅葱
BL
慕っている人がいた。
あと何日かしたら村から出て働くのだと楽しそうに言っていたその人は、化物に嫁がされた。
そうして俺もまた、その化物たちのいる里へ嫁がされる。
慕っていたその人の負担が少しでも減るならと、俺はそれを了承した。
でも化物の里に着いたら……?
鬼(混血)+聖職者×意地っ張り青年。総受け。おもらし(小スカ)あり/結腸責め/乳首責め/アナル責め/尿道責め/巨根責め/肛門拡張あり/愛撫マシマシです。最後の方でお乳も出ちゃうかも?
男の性しか存在しない異世界「ナンシージエ」の物語です。
「化物の生贄花嫁」のスピンオフですが、単体でもお楽しみいただけるように書いていきます。
溺愛エロエロハッピーエンドです。よろしくー
天使設定:この世界の住人は三十歳までに童貞を失わないと「天使」になり、それは尻穴に男根を受け入れて精を注がれないと死んでしまう。「天使」は尻穴が丈夫でとても感じやすい。魔物がいくら乱暴に犯しても死なないで感じまくるという魔物好みの生態。ただし少しでも傷つけると感染症などにかかって死にやすくなるので、尻穴以外は大事に扱う必要がある。
詳しい設定については「天使さまの愛で方」参照のこと→https://fujossy.jp/books/17868
(同世界観のお話時系列:冴えないサラリーマン~→イケメンだけど短小→化物の生贄花嫁~→巨人族に二人がかりで~→敏感なイケメン騎士は~→ナルシストな僕のオナホ)
この他に同人誌で発表したもの(完売済)、電子書籍があります。よろろん。
表紙の写真はフリー写真素材イメージスタイル様からお借りしました。
僕を拾ってくれたのはイケメン社長さんでした
なの
BL
社長になって1年、父の葬儀でその少年に出会った。
「あんたのせいよ。あんたさえいなかったら、あの人は死なずに済んだのに…」
高校にも通わせてもらえず、実母の恋人にいいように身体を弄ばれていたことを知った。
そんな理不尽なことがあっていいのか、人は誰でも幸せになる権利があるのに…
その少年は昔、誰よりも可愛がってた犬に似ていた。
ついその犬を思い出してしまい、その少年を幸せにしたいと思うようになった。
かわいそうな人生を送ってきた少年とイケメン社長が出会い、恋に落ちるまで…
ハッピーエンドです。
R18の場面には※をつけます。
召喚された美人サラリーマンは性欲悪魔兄弟達にイカされる
KUMA
BL
朱刃音碧(あかばねあおい)30歳。
ある有名な大人の玩具の開発部門で、働くサラリーマン。
ある日暇をモテ余す悪魔達に、逆召喚され混乱する余裕もなく悪魔達にセックスされる。
性欲悪魔(8人攻め)×人間
エロいリーマンに悪魔達は釘付け…『お前は俺達のもの。』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる