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第4話
しおりを挟む「こんにちはぁ!」
そう言いながらドアを開けると窓際にいたキラキラと光る絹のような金髪をした美青年がちょこちょこと駆け寄ってきてそのまま僕に覆い被さるように抱きついてきた。
僕は元々小柄なので仕方がないことだが、すっぽり包まれてる状況はいただけない。いくら可愛くとも僕だって男の子なのだ。
少しムッとしながら僕をぎゅっとしたままの青年の間を縫って抜きだした腕で青年の肩を押す。悲しそうに離れる青年の首に手を回してそのままぎゅっと顔を引き寄せる。
「ふふっ。びっくりした?僕だってクリスくんのことぎゅってできるんだよ?」
耳元で囁いてどやぁっと胸を張る。無反応なクリスくんにわかった?と首を傾げながら尋ねると真っ赤になったまま、とれるんじゃないかってぐらいこくこく頷いた。
さすがに心配になってクリスくんの頬を両手で包むようにして掴んで止める。そんなに頷かなくても大丈夫だよ?と上目遣いで伝えると固まって既に赤かった顔がこれ以上ないくらい真っ赤になる。いちごみたい。
そのままクリスくんの顔を覗き込んでいちご味のくっきー作ったらぴんく色になって可愛くなるかなとか考えていると後ろからパシンッと軽く頭を叩かれた。
僕の可愛い身体を叩くとは…なにやつッ!!と頭をおさえながら振り返ると調理部の部長の後藤 武満先輩が呆れ顔で立っていた。
「なんで僕の頭叩いたんですかぁ!たけくん先輩!」
僕の遥か上にある男前な顔をぶすっとした顔のまま睨みつける。はぁ…、とため息をつくたけくん先輩が今度は優しくぽんぽんと跳ねるようにして僕の頭を撫でた。さっきまで睨んでたのに撫でられてるのが心地よくて表情が崩れる。
たけくん先輩は高等部の3年生で調理部の部長を務めている先輩だ。格闘系の部活ではないのかと疑うほどの体格と威圧感だが、それらを上回る面倒みの良さとお菓子作りの腕で部員からもとても慕われている。僕も勝手にお父さんみたいだなって思ってるんだよね。
そんな先輩の父性(?)の虜になっている僕が撫でられたまま、先輩…っ!と抱きつこうとするとおでこを押さえられて止められた。それが不満で頬を膨らましていると、僕を片手で押さえながら固まったままのクリスに話しかける。
「西園寺。大丈夫か?そろそろ戻ってこい。
天宮。お前は無闇矢鱈に人に抱きつくなとずっと言っているだろう。」
「…………はッ!」
「はーい…。」
やっと動き出したクリスくんとしゅんとしながら返事をする僕を見てたけくん先輩はさらに深いため息をついた。
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