王さまに憑かれてしまいました

九重

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第一巻 児童書風ダイジェスト版

3 ホルテン侯爵

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…………そのはずでしたのに
「コーネリア。あんたご領主さまのお邸で働いてくれないかい?」
「はい?」
翌日、コーネリアは食堂の女将からそう言われてしまいます。
「ああ。突然で悪いね。……ご領主さまがお帰りになっている話は聞いているかい?ご領主さまは、今度はしばらくこっちにご滞在なさるそうなんだよ。私の妹はご領主さまのお邸で働いていてね。急なことで人手が足りないって泣きついてきたのさ。どうだい行ってくれるかい?」
出刃包丁を持って料理をしながら話していた女将は、その包丁を持ったままコーネリアの方を向きました。ギラリと物騒に刃が光ります。
コーネリアは、引きつった笑顔を浮かべました。
(フム。確かにこの状況に慣れたコーネリアならば、ホルテンのあの外見でも大丈夫かもしれぬの?)
フヨフヨとコーネリアの周りに浮かびながら、王さまも頷きます。
(ご領主さまって、そんなにスゴイ外見をしていらっしゃるんですか?)
(うむ。ホルテンは文官なのに武官の誰より大きな体をしておるのだ。横幅はさほどでもないのだがな。ともかく背が高い。いつも上からわしを見下ろして小言ばかり言っておった。腹立たしいことこの上ない男だ)
王さまの言葉は、ただ単に自分が相手より背が低いことを僻んでいるようにしか聞こえません。
聞いていたコーネリアは、思わず額にしわを寄せてしまいました。
そのしわを自分の話に対してのものだと誤解した食堂の女将は、慌てて話しを続けます。
「とはいえ、ご領主さまのお邸での求人だ。お給金も良いし、コーネリアの他にも何人かは応募する娘もいるだろう。即採用と決まっているわけでもないよ。ご領主さま直々に面接して採用するかどうか決めるっていうし……妹の顔を立てるためにも、行ってくれないかい?」
女将にそうまで言われては無碍に断ることもできません。
「わかりました」
(どうせ、採用なんかされないだろうし……)
ごくごく平凡な自分が採用されるわけもないだろうと、軽い気持ちでコーネリアは女将の願いを聞いたのでした。

そうしてやってきた立派な領主館。
その一室で、コーネリアは他の女の子たちと一緒にご領主さまの面接を受けます。
部屋の中には背が高く恐ろしい雰囲気の領主であるホルテン侯爵と、白髪頭の執事、ハウスキーパーの女性もいました。
「名前と年齢を言え」
ヌッと立ったホルテン侯爵が、コーネリアと反対の端に立っていた少女にぶっきらぼうに命令します。
「ヒッ……!」
ブルブルと怯える少女は、答えることができません。
(……ダメだな、これは)
天井からその様子を見ていた王さまが大きなため息をつきました。
次の少女も、その次の少女も、誰一人侯爵にまともに返事ができる者はいません。
(相変わらず辛気臭い顔をしおって、だからこんなに怯えられるのだ。こやつはこれで30歳そこそこなのだぞ。老け顔にもほどがあろう?)
そう言いながら王さまは、エイッとばかりにホルテン侯爵の頭を殴ります。もちろんその拳は、侯爵の頭をスカッとすり抜けました。
コーネリアは、一生懸命笑いをこらえます。
王さまのおかげで、恐ろしい雰囲気の侯爵が、少しも怖く思えないコーネリアです。落ち着いてよく見れば、侯爵の顔は恐ろしくもなんともないきれいに整った顔でした。
誰も答えられない侯爵さまの質問も、彼女なら普通に答えられるでしょう。
(でも、そうすると、ひょっとして私が採用ですか?)
(フム。必然的にそうなるであろうな)
コーネリアの疑問に、当然だろうと王さまは答えてくれます。
(そんなのいやです!)
心の中でコーネリアは思いっきり首を横に振りました。ご領主さまのお邸なんて、そんな窮屈そうな職場で働きたくありません。多少お給金が良かったとしても、お断りです。
(……ということは、私も怯えたふりをして返事をしない方が良いですよね?)
そう思ったコーネリアは、絶対答えまいと、固く決意します。
そんな中、いよいよコーネリアの番が来ました。
「名前と年齢を言え」
ホルテン侯爵は、他の少女に言ったのと同じ言葉を繰り返します。今まで答えられた者は誰もいないので、その顔はますます嫌そうにしかめられていました。
コーネリアは怯えたふりで目を伏せます。
下を向いた彼女の目の端に、ホルテン侯爵の長い黒髪が見えました。この時代は男の人でも髪の長い人は沢山いたのです。
(……とってもキレイな髪ですね)
コーネリアは、フッとそんなことを思いました。
王さまが悲しそうにため息をつきます。
(残念だがコーネリア。――――ホルテンの髪は、カツラだ)
思わずコーネリアは顔を上げました。マジマジとホルテン侯爵を見つめます。
(ホルテンは真面目過ぎたのだ。ストレスで髪が抜けはじめてな。数年前からカツラを着用しておる)
(カツラ? …………こんなに大きくて立派な体のご領主さまが、抜け毛を気にして……カツラ)
次の瞬間、コーネリアは派手に吹き出しました。
「あはっ!ははっ、はっ……ぐぅっ、ふっ!」
――――ここでみなさんに一言断っておきますが、
決してコーネリアはハゲを笑ったわけではありません。市場や食堂の大人の中で働く彼女は、多くのハゲている人を知っています。死んだお父さんだって、ハゲていました。コーネリアに、ハゲている人に対する偏見はありません。
ただ偏見がなければないほど、それをカツラまでつけて必死に隠しているホルテン侯爵が可笑しくコーネリアには思えます。
見上げるように背が高く、立派な体格をした威厳漂うご領主さま。
(そのご領主さまが、ハゲを気にしてカツラをつけるだなんていう可愛いことをしているなんて……)
これを笑わずに何を笑えばいいのでしょう? そう、コーネリアは考えます。
(コーネリア。そなた、笑い上戸であったのだな)
フヨフヨと浮きながら、呆れたように王さまはため息をつきました。
一方、驚いたのはコーネリアの周囲の人々です。特にホルテン侯爵は、ついさっきまで怯えた風に顔を伏せていた少女が、突如顔を上げ自分の顔をマジマジと見た後に、ブッと吹き出して笑い出したことに、呆気に取られてしまいました。
それでもようやく気を取り直し、不機嫌そうな低い声で聞いてきます。
「何だ?」
「……あ、ははっ、すみません。あ、でも……ぐふぅっ……お、お腹が痛い」
……いくら何でも笑いすぎかもしれません。
「何が可笑しい!」
流石にホルテン侯爵が怒りました。ブルブルと体を震わせて怒るホルテン侯爵の動きにあわせ、長い黒髪が揺れます。
(あれが、カツラ……ご領主さま…………可愛い)
(コーネリア、そなた実は大物だったのだな)
あの侯爵を“可愛い”と評し、なおも笑うコーネリアに、王さまは呆れを通り越して感心しました。
「理由を言え!」
「え? ……でも、それは……くっ、ふはっ」
「言え!!」
コーネリアは仕方なく震える手を上げました。もちろん、手が震える原因は恐怖などではなく笑っているからです。
そのまま人差し指でホルテン侯爵を――――正確にはその頭を指さします。
「カ――――」
「カ?」
ホルテン侯爵が、首を傾げました。
その傾げた頭を追ってコーネリアの指は動きます。
それを見て、ホルテン侯爵は、ハッ! としました。
「カ、カツ――――」
コーネリアの口が最後の「ラ」という言葉を言う直前でした。
「もう良い!」
叫ぶなり侯爵は、あっという間にコーネリアを抱き上げます。
「きゃっっ!!」
「面接は終わりだ、他の者は帰っても良い」
ホルテン侯爵はそう言い捨てると、コーネリアを抱きかかえたまま奥の私室に走っていきました。
誰もがポカンと見送る中、侯爵とコーネリアが入った部屋のドアがバタン!と閉められます。
(ホルテン! 貴様、わしのコーネリアに何をする!?)
慌てて王さまは、ドアをすり抜け、2人を追いかけました。
後には、目をパチクリさせる執事とハウスキーパー、そして少女たちが残ったのでした。

そして、王さまが奥の部屋に入ると、
「――――何故、私がカツラをつけているとわかった?」
そこではソファーに座らされたコーネリアに、のしかかるようにして、ホルテン侯爵が彼女を問い詰めていました。
(こらっ、ホルテン、貴様! コーネリアにくっつき過ぎだ。お前のような大きな男がコーネリアに迫っては、コーネリアが怯えてしまうかもしれないではないか! こう見えてもコーネリアはうら若き乙女なのだぞ!)
王さまはフヨフヨ浮きながら抗議し、必死で侯爵をコーネリアから引きはがそうとします。当然、王さまの体はすり抜けるばかりで効果は何もありません。
(全然役に立っていないし! しかも、今、何気に失礼なことを言いませんでしたか?!)
コーネリアは心の中で叫びます。
(ああ! コーネリア、非力なわしを許してくれ。あたら若い命をこんなところで散らしてしまうとは! こうなればわしと共にあの世へ旅立とうぞ! 大丈夫だ。わしとそなたであれば、黄泉路への旅もきっと楽しいに違いない)
どうあっても無理だと思った王さまは、今度は派手に嘆きだします。
(勝手に殺さないでください! それより何か上手い言い訳を考えてください。-――――陛下はどうしてご領主さまがカツラだと知っていらっしゃったのですか?!)
コーネリアは懸命に聞きました。王さまの幽霊に教えてもらいましたなどと言っても、侯爵に信じてもらえるはずがありません。
(……はて? どうしてだったかのぉ?)
(早く考えてください!)
「早く答えろ!何故だ」
コーネリアの心の声にホルテン侯爵の怒声が重なります。
思わずコーネリアは首をすくめました。
(早く! 陛下ぁ~っ)
冷汗ダラダラのコーネリアの前で、考えこんでいた王さまが、ようやくパッと顔を上げました。右手でこぶしをつくり左掌にポン!と叩きつけます。
(おお! そうだ。リリアンナだ! リリアンナ・ニッチに教えてもらったのだった)
リリアンナ・ニッチというのは、この国ローディア一の豪商の女性です。
(ホルテンのカツラはニッチ商会への特注商品なのだ)
それはさぞかし高いのだろうなとコーネリアは思いました。その値段の中には口止め料も込みで入っていたのかもしれませんが、実はリリアンナは王さまの個人的なスパイとしての仕事も請け負っていたのだそうです。
ホルテン侯爵のカツラの秘密は、王さまには筒抜けだったのです。
「リリアンナ!? リリアンナ・ニッチか?」
「ち、違います!」
ホルテンに怒鳴られ、慌ててコーネリアは否定しました。
(違わないけど、違う! 違うのよ)
「何が違う? リリアンナから聞いたのだろう? あいつめ、人の秘密をペラペラと!」
「違います! 本当に違うんです」
コーネリアは必死に否定しました。誤解されて、見も知らないリリアンナさんに迷惑がかかったらと思えば、必死にならざるを得ません。
コーネリアは、思わずホルテン侯爵の右腕に縋り付きました。
「私は、リリアンナさんという方にお会いしたことはありません。ただ、その……昔、そう、昔、父が生前、カツラをリリアンナ・ニッチ商会で作ろうとしたことがあって! ……そう、その時サンプルに見せてもらったカツラが、ご領主さまのカツラとそっくりだったんです! それで気づいて――――」
我ながら苦しいと思う言い訳を叫びます。
「私のカツラは、この世に2つとない特注品のはずだ」
「えっと、その、きっと、多分……試作品? ……そうっ、そのカツラの試作品です!きっと、私が見たものは!」
コーネリアはギュウッとホルテン侯爵の右腕に抱き付きました。
……意図せず、小さいながらも柔らかな胸が侯爵の右腕に押し付けられます。
ギクリとした侯爵は、チラリとその腕に目をやりました。
「本当に違いますからっ」
それには気づかず、なおコーネリアは侯爵に縋りつき、結果胸をギュウギュウと押し付けてしまいます。
柔らかな胸の感触に、ホルテン侯爵は慌てました。
実は侯爵は11歳の子供のいるバツイチで、22歳の頃に奥さんに死なれてからは、もうずっと、女の人とこんなに近くにくっついたことがなかったのでした。
「わ、わかった。もういい」
そう言うと、侯爵はしがみついてくるコーネリアから、自分の右腕を引き抜こうとします。
「本当に? 本当にわかってくださいましたか!?」
その手にコーネリアは、なおも縋り付きました。
その結果――――本当に偶然なのですが、離れかけたホルテンの手が、小さなコーネリアの胸をすっぽり覆ってしまいます。
これは、いわゆるラッキースケベというものでした。
その胸の柔らかさと丁度ぴったりあつらえたように自分の手に収まる感触に、ホルテン侯爵は、ビクリと震えます。
それでも、必死なコーネリアは、自分の胸を覆う手に気がつきません。
「わかったと言っているだろう!」
侯爵は焦って手を引き抜き、慌ててコーネリアから離れました。思わず自分の手に視線を落とし、その手を開いたり閉じたりします。
――――やがて、ホルテン侯爵は、疲れたようにコーネリア座っているソファーの向かいにある一人掛け用のソファーに、ドサリと腰を下ろしました。
(フム。色仕掛けか。コーネリア、そなたその年齢と体型のわりにはなかなかやるのぉ)
王さまが感心したように呟きます。
(はっ? 何をおっしゃっているんですか、陛下? それよりご領主さまは信じてくださったでしょうか?)
心配になったコーネリアは立ち上がりました。
「ご領主さま。本当なんです!」
「……くどい」
ボソッと呟くと、ホルテン侯爵は自分の頭に手をやります。そのまま髪を引っ張れば、ズルッとカツラが取れました。
現れたのは、見事に光るツルツルの頭です。
(――――スゴイ、一本も無いわ)
侯爵の頭は、部屋の照明を受けてピカピカと光っているように見えます。
そこには本当に一本の髪の毛もありませんでした。
ここまで綺麗にツルツルの人を見たのは、コーネリアもはじめてです。
「本当に全部抜けたんですか?」
思わず聞いてしまいました。
ホルテン侯爵は皮肉気に笑います。
「いや。部分的に残っていても見苦しいだけだからな。毎日自分で剃っている」
それは随分思い切ったものでした。
呆気に取られているコーネリアを、ホルテン侯爵は静かに見上げてきます。
「…………もう良い。事情を執事に話し、謝礼をもらって帰るがいい」
億劫そうにそう言うと、追い払うようにコーネリアに向かって手を振りました。
それは、コーネリアがカツラのことを話しても良いということです。
「え? 私、誰にも言いふらしたりしませんよ」
「本当にもう良いのだ。……私が、何が何でも自分の弱みを見せたくないと思っていた御方も、既にお隠れになってしまった。……私は、もう疲れた」
お隠れになるというのは、死んでしまったということです。
ホルテン侯爵は、寂しそうに笑いました。
(え? ……その御方って? ひょっとして、陛下?)
コーネリアは、思わず王さまを見ました。
(陛下、ご領主さまに、「そんなに真面目だと禿げるぞ」とかなんとか言ったりしませんでしたか?)
コーネリアの問いに、王さまはあからさまに目を逸らします。
それは何より雄弁な肯定でした。
ホルテン侯爵は、尊敬する主君である王さまに弱みを見せたくなくてカツラをつけていたのです。
(ご領主さまは、本当に陛下をお慕いしていらしたんですね)
(まあ、確かにホルテンは口うるさい男ではあったが、わしが心から信頼のおける数少ない者でもあったからな)
素っ気なく言いながらも、王さまは優しい瞳でホルテン侯爵を見ます。
ツルツルの頭をうなだれ、ぐったりとソファーに沈み込む侯爵。背が高く大きな体が、コーネリアには、なんだか小さく見えました。
(……落ち込んだ時の父さんみたい)
死んでしまったコーネリアのお父さんは、疲れたり落ち込んだりした時は床に座りこんでしまうため、小さな子供だった彼女でも、その頭を見下ろすことが時々あったのです。
ピカピカ光って見える頭の地肌が、少し懐かしく思えます。
同時に、コーネリアは、そんな時のお父さんを一発で元気づけられたおまじないも思い出しました。
「ご領主さま。私元気の出る“おまじない”を知っているんですけれど、試してみても良いですか?」
つい、コーネリアはそう言ってしまいます。
「おまじない?」
不審そうにホルテン侯爵が見上げて来ました。
頷いたコーネリアは、断られる前にと思い、即それを実行します。
両手を伸ばし、そっとホルテン侯爵の禿げた頭に触れました。
そのままホルテンのツルツルの頭を……撫でて呪文を唱えます。
「素敵な頭。すっごくカッコイイ。……最高! ……大好き!!」
そう言うと、驚きすぎて身動きもできないホルテン侯爵の頭のてっぺんに、チュッとキスをしました。
「っ!」
ホルテン侯爵の、息が止まります。
(なっ! なっ! 何をしているのだ、コーネリア!?)
王さまも、驚きました。
流石に、コーネリアもちょっと恥ずかしくなってきます。小さな子供の時ならともかく、16歳にもなる自分がするには少し子供っぽいおまじないだっただろうかと思います。でも、コーネリアのお父さんは、彼女にこうされるとあっという間に元気になったのです。
ご領主さまにだってこのおまじないは効くはずです。
「えっと、あの、私、帰ります。今日の事は私からは、何も話しませんから! ……ご領主さま、元気を出してくださいね」
失礼しましたと言ってペコリと頭を下げると、コーネリアは部屋から出て行きます。
(コーネリア! 待つのだ。わしは許さんぞ)
叫びながら王さまも後に続きドアをすり抜けて行きました。
後には、ソファーの上で、固まるホルテン侯爵が残されます。
やがて……
ボンッ!と音がするような勢いで、侯爵の顔とツルツルの頭が真っ赤に染まったのでした。
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