なんでも探偵部!

きとまるまる

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199話「できることはできる!できないことはできない!はっきり堂々と伝えましょう④」

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 料理を終え、部室へと帰ってきた一行。


張間「はぁ~食った食った。やっぱり焼き肉丼は最高ですね~。」

間宮「張間さん、お腹叩かないの。仕草がおっさんだよ、もう...。」

関「あなた、お淑やかになる気あります?」

張間「なるならないじゃなくて、既にお淑やかですぅ~!」

間宮「タレが口元についてるぞ。早く拭きなさい。」

張間「あらあらあら、とんだ失態です! おほほほ~! 間宮先輩、拭いてくださ~い!」

間宮「ったく、こいつは...!」

関「今のところ、可愛いくらいしか条件を満たせてませんね。最後の頭いいは、言わずもがなですし。」

張間「言わずもがなってなんですか!? あっ、言わずもがな頭がいいと! 部長、わかってるぅ~!」

間宮「頭良い子は、宿題を放り投げないわ。」

張間「間宮先輩、頭の良い子だってね...たまには、悪いことしたくなるんですよ。」

間宮「張間さんに関しては、常日頃でしょうが。」

関「比嘉くん、もう一度問いますが...本当に張間くんでいいんですか? 今のところ、君の言う条件は、可愛いくらいしか満たしてませんが...どうしてもというなら、当日までに我々でなんとかしますが...。」

張間「なんとかしなくても、普段から条件満たしてるって何度言えばわかるんですか!? ねぇ、比嘉くん! 私、比嘉くんの理想の彼女だよね~!?」

間宮「比嘉くんが返答に困るから、やめなさい。」

張間「どういうことじゃい!!」

比嘉「...ふふふふ!」

間宮「ん?」

関「おや、どうしました? 急に笑って?」

比嘉「す、すみません。先ほどから、先輩たちと張間さんのやりとりをずっと見てて...三人は、本当に仲がいいんだなって。」

間宮「そ、そうかな?」

関「まぁ、なんだかんだずっと一緒にいますからね。」

比嘉「あの...色々とやっていただいたのに、こんなこと言うのは失礼かもしれないんですけど......やっぱり、この話はなかったことにしてもらえませんか?」

張間「え!? えぇ!? な、なんで!? どうして!? も、もしかして、私、ダメだった!?」

比嘉「ううん。張間ちゃんは全然ダメじゃないよ。むしろ、良いと思う。僕の無茶に応えてくれようと、頑張ってくれてる姿...本当に素敵だなって思ったし、可愛かった。」

比嘉「でも、そうやって頑張ってる姿よりも...先輩たちと、わーわーしてる時の張間ちゃんのが、僕にはすごく魅力的に見えたんだ。だから、僕も嘘吐かずに、堂々と今の自分のままでいた方が絶対に良いなって。」

比嘉「僕、姉に本当のことを伝えます。この後、電話でもして伝えます。嘘吐いて、ごめんなさいって。」

間宮「うん。僕も、そうした方がいいと思うよ。」

関「というか、お姉さんは薄々気づいていると思いますよ。」

比嘉「ですよね。僕も、なんとなくそんな気がします。張間ちゃん、色々してくれたのに、ホントごめんね。」

張間「え? あ、いやいやいや、私は大丈夫だよ! うん!」

比嘉「今日は、本当にありがとうございました。また、何か困りごとがあったら、探偵部を頼ってもいいですか?」

間宮「うん、もちろん。」

関「我々にできることであれば、全力尽くして力になりますよ。」

比嘉「ありがとうございます! では、失礼しました。ありがとうございました。」


 比嘉は深く深く頭を下げ、部室を出て行く。


関「一件落着、ですね。」

間宮「そうですね。」

関「嘘吐かずに、今の自分を堂々と...いいですね。」

間宮「比嘉くんの言うように、その方が絶対魅力的に見えますよね。」

関「私たちも、なるべく嘘は吐かずに堂々と生きましょう。もちろん、悪いことはせずにね。」

間宮「言われなくてもわかってますよ。」

張間「......!」

関「おや、どうしました? 張間くん?」

間宮「なんで、そんな不満そうなの?」

張間「...なんか、納得いきません。」

関「どうして?」

張間「だってだってだって、私なーーんにもしてないじゃないですか!! せっかく私に依頼が来たのに...私、何もしてないのに解決って! こんなの嫌です嫌です嫌ですぅぅぅ!」

間宮「何もしてなくないよ。比嘉くんは、張間さんを見て思ったことなんだし。」

関「そうですよ。あなたのおかげで、と言っても過言ではないですよ。」

張間「こんなの、私の手柄じゃないですぅぅ! 私は、もっとちゃんと...なんていうか、ガツガツ行動というか!? そういうのをして解決したいんですぅぅぅ!」

間宮「どうして、この結果で不満がでるのやら...?」

関「まぁ、兎にも角にも比嘉くんの依頼は達成しました。さぁ、宿題の続きをやりましょう。」

間宮「そういや、そんなことしてましたね。すっかり忘れてました。張間さん、宿題の続きやるーーー」

張間「比嘉くぅぅぅぅん、待ってぇぇぇぇ! 一度吐いた言葉を捻じ曲げるなんて、そんなのダメだよぉぉぉぉ! 真っ直ぐ自分の言葉は曲げねぇ精神でいた方がいいよぉぉぉ!! 私が、必ずなんとかしてみせるから! さぁ、もう一度話し合おぉぉぉぉぉ!」

関「あっ、こら! 待ちなさぁぁぁい!! あなたが今日宿題すると言ったんでしょうがぁぁぁ! 自分の言葉を曲げに曲げまくってるのに、よく堂々とそんなこと言えますね!? まずは自分自身を見つめ直しなさい、張間くぅぅぅぅん!!」

間宮「...堂々としすぎるのも、問題っちゃ問題だな...。難しいなぁ、人生って。」

関「待ちなさぁぁぁぁい!」

張間「戻ってきて、比嘉くぅぅぅぅん!!」

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