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132話「調子に乗るといいことない④」
しおりを挟む間宮「......遅いな。もう30分以上経ってるんだけど...一旦、部室戻るか。」
新沼「傑先輩!」
間宮「ん? あ、新沼さん。話は終わったの?」
新沼「はい、終わりました! すご~くスッキリしました!」
間宮「そっか、それはよかった。ってか、屋上にきてどうしたの?」
新沼「あ、えっと...す、傑先輩に、お願いがあって...。」
間宮「僕に? どうしたの?」
新沼「あ、あの...すごくわがままなお願いなんですが...い、いいですか?」
間宮「うん、いいよ。僕にできることなら。」
新沼「あ、あの...恋人ごっこしてない時も、名前で呼びたいって言ってたんですけど...やっぱり人前だと...は、恥ずかしいというか、なんというか...。だ、だから、あんまりないかもしれないけど...ふ、ふ、二人っきりの時にだけ...よ、呼んでいいですか...?」
間宮「え? あ、うん。いいよ。」
新沼「あ、ありがとうございます! あと...。」
間宮「僕も咲ちゃんって呼ぶのは、二人きりの時だけの方がいい?」
新沼「は、はい...恥ずかしいので...。」
間宮「わかった。じゃあ、そうするよ。あ、でも、間違えちゃう時あるかもしれないけど、その時はごめんで許してね。」
新沼「そ、それはダメです! 絶対にーーー」
新沼の脳内に、キラキラと輝きを放つ間宮が突然現れ、語りかけてくる。
間宮「咲ちゃん。」
新沼「え!? ちょっ、人前ではやめてくださいって言ったじゃないですか!」
間宮「あ、ごめんごめん!」
新沼「もぉ...。」
間宮「照れてる咲ちゃん、可愛いね。」
新沼「え!?」
間宮「照れてる咲ちゃんがいっぱい見たいから、また呼んじゃおうかな?」
新沼「ちょっ、ちょっと! やめてください!」
間宮「やだって言ったら...どうする?」
新沼「え? そ、それは...その...!」
間宮「ほら、咲ちゃんだって、本当は呼んでほしいんじゃないの?」
新沼「そ、そんな...!」
間宮「咲ちゃん。」
新沼「す、傑先輩...!」
なぜか、二人の距離が徐々に近づいていく。そしてーーー
新沼「......はっ!? な、なに、今のは...!? 私は、なにを...!?」
間宮「咲ちゃん、どうしたの?」
新沼「え? あ、いや! え!? はい!! だ、大丈夫です!! で、では!! そういうことで!! し、失礼します!!」
間宮「あ、うん。...さて、部室に戻るか。」
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