【本編完結】ゲイバレ御曹司 ～ハッテン場のゲイバーで鉢合わせちゃった義弟に脅されています～

続編 第三章 思い違いと筆責め (怜一郎side)

続３１．撮影☆

　天真さんはビデオカメラを手に取って俺の股間の天狗をじっくりと撮影した。会場の人たち全員に見られているのだろう。
　みんなキャーキャー叫んだり、笑ったりしているだろうか。恥ずかしいし悔しい……。なのに、俺のイチモツはこんな状況下でも萎えるどころかピクッと脈打って雫を滴らせている。その事実もまたひどく屈辱的だった。
「や、やだっ、もうやめてください……」
「やめられないさ、これほどの傑作が出来上がったのだから」

　彼はビデオカメラに続いて一眼レフカメラでもパシャパシャと撮り始めた。こんな姿を写真でも記録されてしまうことを考えると、さらにめまいがする。俺はもうどうにかなってしまいそうだ。

「こんなもの、撮らないで……」
　俺は恥ずかしい装飾を施された性器を撮られたくなくて体をよじって足をバタつかせた。そうするつもりはなかったのに俺の蹴り上げた足が天真さんの手に当たり、カメラが畳の上へ落ちてしまった。

「……なんてことを。おまけに今、こんなものって言ったね？　君は僕の芸術に文句をつけるつもりなのかいっ！？」
　お面みたいなきれいな笑顔を浮かべていた天真さんがふっと真顔になり、冷たい目つきで俺を見た。これはまずい……。

「違うんです、わざと蹴ったわけではないですし、それにあなたの芸術に文句をつけたつもりなんてっ」
　慌てて弁解したけど、天真さんの怒りは収まらない。
「ふん、もういい、黙れっ！　口は禍の元だ、こうしてしまおう……」
　彼は白い布を俺の口へ押し込んで奥歯で噛ませ、後頭部で結んだ。目隠しから解放されたと思ったら今度はさるぐつわだ。

　不完全燃焼のままおあずけを食らっている俺のペニスはさっきからずっとビクビク震えている。催淫剤のせいか、股間の熱は消えることなく渦巻いている。
　恐る恐る俺はパソコンの画面へ目をやった。宝条ホールディングスの人々がどんな顔で俺を見ているのか、怖いけれど気になったのだ。
　でも画面は暗く、スリープモードになっているようだった。集会は終わったのか？　これだけ痴態を晒した後だが、とりあえずこれ以上恥ずかしい姿を見られないのなら少し安心だ。

「さあ、君のためにいいものを準備しているんだよ」
　天真さんは俺を柱へ縛り付けていたものを解いた。後ろ手は拘束されたまま、俺は向こうの部屋へ続くふすまに向かって歩かされた。

　逃げるならまたとないチャンスかもしれない。でも丸裸で股間に天狗を描かれているこんな姿で外へ出て誰かに助けを求めるなんてできない。