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続編 第三章 思い違いと筆責め (怜一郎side)

続32.黒いディルド☆

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 天真さんがふすまを開けると、ほとんど物がない和室の畳の上に男性器を模した黒いディルドが一つ置かれていた。
 嫌な予感しかしない。

「奴隷の分際で僕の芸術に文句をつけた罰だ。自分で跨って腰を振るところを僕に見せろ」
「……んふっ」
 そんなの恥ずかしすぎる。けれど、布を噛まされている口元では抗議の声も発せられない。

 顔を背けた俺のあごを掴んで、天真さんは畳の上のディルドを注視させた。
「なかなか立派だろう? ……欲望に任せて気持ち良くなればいいんだ」
 天真さんの言う通り、それはなかなかのサイズだ。逞しい張型を目の前にして、俺はゴクッと喉を鳴らした。下半身が熱く火照っていて腹の奥が疼いてたまらない。この立派なペニスを後ろへ入れたくてたまらないのも事実だ。

「観客がいないとやる気が起きないかい? じゃあこの格好のまま君を街の中心部の公園へ連れて行ってあげようか。公園のベンチでこの続きをしよう」
 もたもたしている俺に痺れを切らしたのか、天真さんはとんでもない提案をし始めた。外でなんて、冗談じゃない。
 俺はフルフル首を横へ振った。

「外よりこの部屋のがいいのかい? じゃあ早くしろよ、僕はそんなに気が長くないからね」
 天真さんはにこっときれいな笑顔を浮かべた。本当にこの人は悪魔だ。

 俺は覚悟を決めて畳の上を歩いて張型へ近づいた。
 曲線を描いて天を向く漆黒のそれを跨いで、体の後ろで手を縛られているせいでバランスを崩しそうになりながらもゆっくりとしゃがんだ。ピトッとローションで濡れている蕾に屹立の先端が触れた。
「……ッ!」
 みっともなく足をM字にして俺はそっと腰を下ろした。

「……ッンンんふぅっ……!」
 物欲しくてヒクついていた蕾がぬぬぬ……と広がって、とろとろに熟れていた俺の肉癖が立派な雄を悦んで迎えた。

 俺はここへ来る前に後ろを清めて溢れ出ない程度に軽くローションを入れていたのだ。天真さんのことだからここを弄るだろうと予想してのことだ。決して期待していたわけじゃない、準備せずに来れば天真さんに浣腸などされて恥を重ねるだけだからだ。普通はやらない、いや、やれないことを平気でやってしまうのが天真さんという人の怖さなのだ。

「んふおぉぉっ、んんぅ……」
 ずぷぷぷ……と太くて逞しい幹が俺の体の中を進んで行く。
 き、気持ちいい……ッ。シリコンでできているのだろうか、まるで本物の男根のように硬さの中にも適度に弾力があって俺の体内をぐりぐりえぐる。
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