【R18】取り違えと運命の人

テキイチ

文字の大きさ
182 / 201
番外編・取り違えと運命の人 小話集

181 声を聞かせて ④

しおりを挟む
 今、私は脚を上げさせられたまま、リカルドと交わっている。リカルドの脚と交差してる感じのよくわからない体位。

「ぁあっ! あっ!!」

 あまりの刺激に大きな声が出てしまう。

「この角度だとクリトリスこすれて、気持ちいいね」

 クリトリス……? ああ、花芽のことか。確かにこの体位、外も中もこすられて、たまらない気持ちになる。

「でも、イッちゃだめだよ」

 リカルドがそう言うから、思わず身体を締めてしまう。リカルドのものも一緒に締めつけて、余計感じてしまうのに。

「だめだっていうのに、もっとよくなっちゃってる」

 リカルドの言う通り、我慢しなきゃ、そう思うと裏腹に快感が増してしまって。

「でも、ほんとはちょっとわかる。少し我慢してからイッた方が気持ちいいもんね」

 そう言われてしまい、中の熱が高まるのがわかった。

「だめ……そんなこと言われたら……」
「余計感じちゃう? でも、だめだよまだイッちゃ」
「あぁっ! んっ! やっ! やあぁっ!」
「そうそう、我慢しなきゃ」

 思わず唇を噛みしめてしまうと、リカルドの顔が降りてきて、舌で唇をなぞり、くちづけられた。思わず唇をゆるめると、舌が中に入ってきて、咥内を貪られる。
 こんなことされて、もう、イキそう。
 そう思った瞬間、リカルドの唇が離れる。そして私の顔を見てにやりと笑い、再び耳元で囁く。

「イッちゃだめだよ」

 言葉と裏腹にリカルドはそのまま叩きつけるように私の中を突きまくった。

「あぁあああぁーーー!!」

 だめなのに、私はイカされてしまって、我慢の末に得た快感はそれまでで一番だった。



「今日、前よりも的確にジュリエッタの傾向がつかめた!」

 声からするとリカルドはにこにこ笑ってるんだろうな。ベッドの端で布団をかぶってるから、見えないけど。

「俺、ジュリエッタをとにかく気持ちよくさせてあげたいんだよー」
「そんなこと気にしなくていいから!」

 恥ずかしすぎる。

「だって男は絶対イケる、というか、男がイッて終わりみたいなとこあるけど、女の子はイケるとは限らないし。っていうか、俺が下手なばっかりにジュリエッタのこと一年以上イカせてあげられなかった……」

 リカルドの声がちょっとしょんぼりした感じになったので、そっと布団から顔を出すと、リカルドの顔がぱあっと明るくなって、私を抱きしめてきた。

「ジュリエッタ、優しい!」
「別に優しくないよ!」

 リカルドがぎゅうぎゅう抱きしめてくるので、諦めてされるがままになる。

「これまでの分、いっぱいイカせてあげるから!」
「いい!」
「ほんとに?」
「う……」

 もう快感を味わってしまったので、いらないというのはさすがに嘘だと自分でも思う。

「それに、これ、お互いのことわかり合うのにすごくいいじゃない」
「うん……」

 それは私もそう思ってる。この行為から見えてくることはたくさんあって。

「でも、それだけじゃ嫌」

 きちんとリカルドの目を見て言う。

「話をすることもとても大切だから。リカルド、自分のことあんまり話さないけど、私、察しが悪いから話してほしい。お願い」

 そう言うと、リカルドははっとした表情を浮かべ、腕をほどいてぽりぽりと自分の頭をかいた。

「俺、かっこつけたがりだからなあ」

 リカルドがぽつりとつぶやく。

「……うん。がんばってるとこ見せようとしない」
「大好きで大切な女性に、かっこ悪いとこ見せたくないもんなあ」
「でも私、リカルドが困ってたら力になりたいの。かっこ悪くても大切だし大好き。リカルドが恥ずかしい私でも受け入れてくれるように、私もかっこ悪くてもリカルドがリカルドだから好きなの」
「いつも思うけど」

 リカルドが困ったように笑う。

「ジュリエッタはどうして俺の一番ほしいものをくれるんだろう」

 やっぱりかなわないなあ、リカルドはそう言ってもう一度私をやわらかく抱きしめた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

暴君幼なじみは逃がしてくれない~囚われ愛は深く濃く

なかな悠桃
恋愛
暴君な溺愛幼なじみに振り回される女の子のお話。 ※誤字脱字はご了承くださいm(__)m

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

お隣さんはヤのつくご職業

古亜
恋愛
佐伯梓は、日々平穏に過ごしてきたOL。 残業から帰り夜食のカップ麺を食べていたら、突然壁に穴が空いた。 元々薄い壁だと思ってたけど、まさか人が飛んでくるなんて……ん?そもそも人が飛んでくるっておかしくない?それにお隣さんの顔、初めて見ましたがだいぶ強面でいらっしゃいますね。 ……え、ちゃんとしたもん食え? ちょ、冷蔵庫漁らないでくださいっ!! ちょっとアホな社畜OLがヤクザさんとご飯を食べるラブコメ 建築基準法と物理法則なんて知りません 登場人物や団体の名称や設定は作者が適当に生み出したものであり、現実に類似のものがあったとしても一切関係ありません。 2020/5/26 完結

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんとの親子丼をちょっと書きたくなっただけです。

処理中です...