153 / 201
後日譚・取り違えたその後の二人
152 リカルド日記(抜粋、一部実況) ⑥
しおりを挟む
○月×日(お祝い返しだ!)
昨日はジュリエッタの誕生日だった。どうしたら喜んでもらえるか考えるの、ものすごく楽しくて、結局思いついたこまごまとしたお祝いを全部詰め込んでしまった。
プレゼントは、考えてるうちに今までの誕生日全てにあげたくなってしまって、結局十九個用意してしまった。ただ、高価なものばかり十九個用意すると、ジュリエッタ絶対引いちゃうから、メインは二つで、あとはちょっとしたものを。
メインを二つにしたのは、最後の二つが絞れなかったからとジュリエッタには言ったけど、本当は、出会った年とこれからの一年、両方に特別な思いを込めて祝いたかったのだ。
メインのプレゼントは、髪飾りと腕輪にした。髪飾りは、俺、ジュリエッタの髪が大好きだから。腕輪は、アクセサリーを贈りたかったからだけど、腕輪のプレゼントって、実は、手錠みたいに自分に繋ぎ止めるみたいな意味もあると購入後に知った。俺の無意識の独占欲が選ばせたのかも、なんて、妙に納得したり。
夕飯は職場の先輩になんとかつなぎをつけてもらった有名店で。先輩の奥さんがシェフの姪で、半年待ちのところをなんとか一か月後にねじ込んでもらった。最初「最近人気が再燃してて、身内でも三か月後しか無理」って聞いた時は顔面蒼白だった。奥さんに相談してみたら、「老舗だからお店の老朽化進んでて、そこら辺の改善案出したらなんとかイケるかも」と入れ知恵してくれたので、アポイントを取ってもらって、直接プレゼンしてみた。
最初は難色を示していたオーナーシェフも、俺のプレゼンを聞くうちに表情が変わり、予約を受諾してくれた。端の席か普段閉鎖している個室しか用意できないですがいいですか、と言われたので、一も二もなく個室でお願いする。気兼ねせずに済んでむしろ個室嬉しい! 他に改善点がないか当日観察してほしいとお願いされ、ついでにもともとやる気だったらしいリノベーションの依頼ももらった。俺、大工なのに、図らずも営業してしまった。
最後に予約理由を訊ねられたので、最愛の妻と迎える初めての誕生日なので、この店しか考えられなかったと告げたところ、オーナーシェフの表情が初めてやわらかくなった。奥様が食事後も店を気に入ってくださったならのお話ですが、と前置きされた上で、これから毎年この日の予約枠をお約束しますがどうですか、と提案されたので、一も二もなくお願いする。このお店とは公私ともに、長いお付き合いになりそうだ。
先輩に礼を言ったところ「リカルドにはいつも世話になってるから、できることはなんでもしてやりたかったし、結局お前自分でなんとかしちゃったじゃないか」と笑われた。また頭が上がらない人が一人増えちゃったなあ。今度お礼を持っていこう。
今回、お祝いする側だったはずなのに、むしろ俺が楽しかったし、喜ばされてしまった。ベッドですごいサービスされてすぐにイッてしまって、かなり情けなくもあったけど……。とりあえず、ジュリエッタが言ってた、お祝いする権利を奪うなって、ものすごく正しかった。これ、剥奪されたらむちゃくちゃショックだ。来年、どう祝うか、今から楽しみだ!
昨日はジュリエッタの誕生日だった。どうしたら喜んでもらえるか考えるの、ものすごく楽しくて、結局思いついたこまごまとしたお祝いを全部詰め込んでしまった。
プレゼントは、考えてるうちに今までの誕生日全てにあげたくなってしまって、結局十九個用意してしまった。ただ、高価なものばかり十九個用意すると、ジュリエッタ絶対引いちゃうから、メインは二つで、あとはちょっとしたものを。
メインを二つにしたのは、最後の二つが絞れなかったからとジュリエッタには言ったけど、本当は、出会った年とこれからの一年、両方に特別な思いを込めて祝いたかったのだ。
メインのプレゼントは、髪飾りと腕輪にした。髪飾りは、俺、ジュリエッタの髪が大好きだから。腕輪は、アクセサリーを贈りたかったからだけど、腕輪のプレゼントって、実は、手錠みたいに自分に繋ぎ止めるみたいな意味もあると購入後に知った。俺の無意識の独占欲が選ばせたのかも、なんて、妙に納得したり。
夕飯は職場の先輩になんとかつなぎをつけてもらった有名店で。先輩の奥さんがシェフの姪で、半年待ちのところをなんとか一か月後にねじ込んでもらった。最初「最近人気が再燃してて、身内でも三か月後しか無理」って聞いた時は顔面蒼白だった。奥さんに相談してみたら、「老舗だからお店の老朽化進んでて、そこら辺の改善案出したらなんとかイケるかも」と入れ知恵してくれたので、アポイントを取ってもらって、直接プレゼンしてみた。
最初は難色を示していたオーナーシェフも、俺のプレゼンを聞くうちに表情が変わり、予約を受諾してくれた。端の席か普段閉鎖している個室しか用意できないですがいいですか、と言われたので、一も二もなく個室でお願いする。気兼ねせずに済んでむしろ個室嬉しい! 他に改善点がないか当日観察してほしいとお願いされ、ついでにもともとやる気だったらしいリノベーションの依頼ももらった。俺、大工なのに、図らずも営業してしまった。
最後に予約理由を訊ねられたので、最愛の妻と迎える初めての誕生日なので、この店しか考えられなかったと告げたところ、オーナーシェフの表情が初めてやわらかくなった。奥様が食事後も店を気に入ってくださったならのお話ですが、と前置きされた上で、これから毎年この日の予約枠をお約束しますがどうですか、と提案されたので、一も二もなくお願いする。このお店とは公私ともに、長いお付き合いになりそうだ。
先輩に礼を言ったところ「リカルドにはいつも世話になってるから、できることはなんでもしてやりたかったし、結局お前自分でなんとかしちゃったじゃないか」と笑われた。また頭が上がらない人が一人増えちゃったなあ。今度お礼を持っていこう。
今回、お祝いする側だったはずなのに、むしろ俺が楽しかったし、喜ばされてしまった。ベッドですごいサービスされてすぐにイッてしまって、かなり情けなくもあったけど……。とりあえず、ジュリエッタが言ってた、お祝いする権利を奪うなって、ものすごく正しかった。これ、剥奪されたらむちゃくちゃショックだ。来年、どう祝うか、今から楽しみだ!
0
お気に入りに追加
310
あなたにおすすめの小説
【R-18】喪女ですが、魔王の息子×2の花嫁になるため異世界に召喚されました
indi子/金色魚々子
恋愛
――優しげな王子と強引な王子、世継ぎを残すために、今宵も二人の王子に淫らに愛されます。
逢坂美咲(おうさか みさき)は、恋愛経験が一切ないもてない女=喪女。
一人で過ごす事が決定しているクリスマスの夜、バイト先の本屋で万引き犯を追いかけている時に階段で足を滑らせて落ちていってしまう。
しかし、気が付いた時……美咲がいたのは、なんと異世界の魔王城!?
そこで、魔王の息子である二人の王子の『花嫁』として召喚されたと告げられて……?
元の世界に帰るためには、その二人の王子、ミハイルとアレクセイどちらかの子どもを産むことが交換条件に!
もてない女ミサキの、甘くとろける淫らな魔王城ライフ、無事?開幕!
【完結】お義父様と義弟の溺愛が凄すぎる件
百合蝶
恋愛
お母様の再婚でロバーニ・サクチュアリ伯爵の義娘になったアリサ(8歳)。
そこには2歳年下のアレク(6歳)がいた。
いつもツンツンしていて、愛想が悪いが(実話・・・アリサをーーー。)
それに引き替え、ロバーニ義父様はとても、いや異常にアリサに構いたがる!
いいんだけど触りすぎ。
お母様も呆れからの憎しみも・・・
溺愛義父様とツンツンアレクに愛されるアリサ。
デビュタントからアリサを気になる、アイザック殿下が現れーーーーー。
アリサはの気持ちは・・・。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
【R18】隣のデスクの歳下後輩君にオカズに使われているらしいので、望み通りにシてあげました。
雪村 里帆
恋愛
お陰様でHOT女性向け33位、人気ランキング146位達成※隣のデスクに座る陰キャの歳下後輩君から、ある日私の卑猥なアイコラ画像を誤送信されてしまい!?彼にオカズに使われていると知り満更でもない私は彼を部屋に招き入れてお望み通りの行為をする事に…。強気な先輩ちゃん×弱気な後輩くん。でもエッチな下着を身に付けて恥ずかしくなった私は、彼に攻められてすっかり形成逆転されてしまう。
——全話ほぼ濡れ場で小難しいストーリーの設定などが無いのでストレス無く集中できます(はしがき・あとがきは含まない)
※完結直後のものです。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
大事な姫様の性教育のために、姫様の御前で殿方と実演することになってしまいました。
水鏡あかり
恋愛
姫様に「あの人との初夜で粗相をしてしまうのが不安だから、貴女のを見せて」とお願いされた、姫様至上主義の侍女・真砂《まさご》。自分の拙い閨の経験では参考にならないと思いつつ、大事な姫様に懇願されて、引き受けることに。
真砂には気になる相手・檜佐木《ひさぎ》がいたものの、過去に一度、檜佐木の誘いを断ってしまっていたため、いまさら言えず、姫様の提案で、相手役は姫の夫である若様に選んでいただくことになる。
しかし、実演の当夜に閨に現れたのは、檜佐木で。どうも怒っているようなのだがーー。
主君至上主義な従者同士の恋愛が大好きなので書いてみました! ちょっと言葉責めもあるかも。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる