【R18】取り違えと運命の人

テキイチ

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後日譚・取り違えたその後の二人

111 にくいあんちくしょう ⑪

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 それから、俺達は週末ごとに町に出てデートをした。デートと言って差し支えないだろう。そうとしか表現しようがない。その頃にはジュリエッタが稼いだ金の管理は俺に任されていたから、食費と日用品と家の維持費はそこから出し、俺の稼ぎはもっぱらデート費用と貯蓄に充てるようになっていた。ある程度調剤の金が貯まったら店員のねえちゃんに紹介されたセミオーダーの店でジュリエッタの服を注文する、それがパターン化されたので、ジュリエッタのクローゼットはずいぶん華やかになった。

「も、もう、必要ないから……服」
「お前知らないだろ、男が服を贈るってどういうことか」
「? え? なにか意味あるの?」
「男が女に服を贈るのはなー、それを脱がせるためなんだぜー。だから夜を愉しみたい俺の欲望に付き合え」
「……どこのオヤジよ」

 だんだんわかってきた。「俺がしたいから」という体にすれば、ジュリエッタは受け入れるということ。そして、鮮やかな色の服を身に着けている時、ふとした瞬間照れくさそうに嬉しがっている、ということが。

「あっ! あっ! そこ……ルーカ、そこ……気持ちい……」

 ベッドでは素直になっちゃって、すげー可愛い。
 痛がってたのは最初の二、三回くらいで、今ではすっかり気持ちよさを覚えてしまわれたご様子。俺ももちろんめちゃくちゃ気持ちいい。

「ここ、攻めてほしい?」

 耳元でささやいてみると、潤いが増えて、水音も増す。

「お願いしてくれたら、イカしてやるけど」

 本当にいいところから少しだけ外れるように、ゆるく腰を使う。

「うぅ……そこ、攻めて……ルーカ、おねがぁい……!」
「しょうがないな」

 くすくす笑いながら攻めて差し上げると、お嬢様、大変感じておられる。

「あっ! あっ! そこ、好き……! もっと、もっと……」
「……俺のことは?」
「ルーカ、好き……ルーカ、大好き」

 夢中になってるこんな時しか言ってもらえないから、思わず毎回訊ねてしまう。
 これ、してない時にも言ってくれないかなあ。そしたら、俺、一生お前の言うこと聞くのに。いくらでも尽くしちゃうのに。

 この頃にはもう、俺は自分の趣味の悪さを認めざるを得なくなってしまっていた。つまり、再度、オチてしまったのだ。俺をいいようにこき使う口の悪い女に。最初は身体がよすぎるからかと思ったが、そうじゃないことに気づいてしまった。歯に衣着せず話しても、ジュリエッタは普通の女子みたいに動じない。掛け合いを楽しんでしまっている自分に気づいて呆れる。
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