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本編・取り違えと運命の人
075 運命の出会い ①
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目覚ましが鳴った。
「ん……」
よろよろと止めると、リカルドと目が合う。たいていの場合、リカルドは目覚ましより前に起きてる。朝強いんだよね。
「おはよう、ジュリエッタ」
「……おはよう、リカルド…………」
「休日なのに、少し朝早目でごめんね」
「ううん」
「せっかく一周年だから、夜は家でゆっくり過ごしたくて」
神殿の町へ行くことが決まった時、外で食べる? って訊ねたんだけど、絶対に家で食べたいと、リカルドが珍しく断固主張したのだ。
『俺、夜はこの家でお祝いしたいんだ! ジュリエッタのごはん、大好きだから! お願い! ここだけはわがまま言わせて!!』
リカルドは普段ちょっと遠出する時は外で食べようって言ってくれるし、私に無理はさせない人だし、そもそもそんなにお願いをしてくることもない。
私の作るごはんを、そしてこの家で過ごすことを、ほんとに大事に思ってくれてるんだと感じられて、嬉しくなってしまった。正直、これくらい全然わがままなんて思わないけど、私にわがままを言ってくれたことも。期待に応えるべく、昨日前もってある程度作っておいた。ただ、昇進祝いに少し回しちゃったから、帰ってから予定よりは多く作らなきゃいけないけど。
「うん。私も夜は家でゆっくり過ごしたい」
リカルドがにこにこ笑って、私にキスしてくる。一回で足りなかったのか、軽く何度も。
「あ、だめだ、こんなんしてたら、そのまましたくなっちゃう。俺、起きる!」
「……ばか」
ばかなことを言ってるリカルドが、たまらなく愛しくて。私は少し幸せをかみしめてから、着替えて台所へ向かった。
ごはんを食べ、外出着にそれぞれ着替える。私は、新しく買っておいた服を身に纏い、リカルドがくれた首飾りと腕輪を着けた。もちろん髪には銀の髪留めを。
「あ! 新しい服!」
「どう?」
たぶん、リカルドも気に入ると思うんだけどな。だって。
「す、すっごく可愛い……」
さすが男子殺し。ビアンカの戦闘服、優秀すぎる。
「せっかく記念日だし、リカルドに頼らずに服を手に入れるとなると、ビアンカの服が確実だと思って。正解だったみたいね」
「さすがです……ビアンカさん」
「首飾りと腕輪と髪留めを見せて、合うやつ選んでもらったの」
「うん、うん。ジュリエッタによく似合ってる!」
リカルドがにっこにこになって、喜んでる。すごく嬉しいな。喜ばれるのも嬉しいんだけど、コーディネートがばっちり決まってるってことだし。私、すっかりリカルドの見立てを信頼してる。
「ビアンカさんといえば、マッテオ、ついにプロポーズしたんだってね」
「え! そんな話、全然聞いてない!」
「んー。いろいろあるみたいだから、たぶん、近いうちに聞かせてもらえると思うよ」
「リカルドの表情だと、すっごくいいニュースみたいだから、楽しみに待ってる」
「俺、全然隠し事できないなあ。うん、俺はすっごくいいニュースだと思ってる!」
ビアンカ、こないだお店で会った時は、とにかく大変そうに働いてたのに。まあ、大事なことほどあんまり言わない子だから、気長に待っとこう。
「そろそろ時間だから、出発しようか!」
「うん!」
「ん……」
よろよろと止めると、リカルドと目が合う。たいていの場合、リカルドは目覚ましより前に起きてる。朝強いんだよね。
「おはよう、ジュリエッタ」
「……おはよう、リカルド…………」
「休日なのに、少し朝早目でごめんね」
「ううん」
「せっかく一周年だから、夜は家でゆっくり過ごしたくて」
神殿の町へ行くことが決まった時、外で食べる? って訊ねたんだけど、絶対に家で食べたいと、リカルドが珍しく断固主張したのだ。
『俺、夜はこの家でお祝いしたいんだ! ジュリエッタのごはん、大好きだから! お願い! ここだけはわがまま言わせて!!』
リカルドは普段ちょっと遠出する時は外で食べようって言ってくれるし、私に無理はさせない人だし、そもそもそんなにお願いをしてくることもない。
私の作るごはんを、そしてこの家で過ごすことを、ほんとに大事に思ってくれてるんだと感じられて、嬉しくなってしまった。正直、これくらい全然わがままなんて思わないけど、私にわがままを言ってくれたことも。期待に応えるべく、昨日前もってある程度作っておいた。ただ、昇進祝いに少し回しちゃったから、帰ってから予定よりは多く作らなきゃいけないけど。
「うん。私も夜は家でゆっくり過ごしたい」
リカルドがにこにこ笑って、私にキスしてくる。一回で足りなかったのか、軽く何度も。
「あ、だめだ、こんなんしてたら、そのまましたくなっちゃう。俺、起きる!」
「……ばか」
ばかなことを言ってるリカルドが、たまらなく愛しくて。私は少し幸せをかみしめてから、着替えて台所へ向かった。
ごはんを食べ、外出着にそれぞれ着替える。私は、新しく買っておいた服を身に纏い、リカルドがくれた首飾りと腕輪を着けた。もちろん髪には銀の髪留めを。
「あ! 新しい服!」
「どう?」
たぶん、リカルドも気に入ると思うんだけどな。だって。
「す、すっごく可愛い……」
さすが男子殺し。ビアンカの戦闘服、優秀すぎる。
「せっかく記念日だし、リカルドに頼らずに服を手に入れるとなると、ビアンカの服が確実だと思って。正解だったみたいね」
「さすがです……ビアンカさん」
「首飾りと腕輪と髪留めを見せて、合うやつ選んでもらったの」
「うん、うん。ジュリエッタによく似合ってる!」
リカルドがにっこにこになって、喜んでる。すごく嬉しいな。喜ばれるのも嬉しいんだけど、コーディネートがばっちり決まってるってことだし。私、すっかりリカルドの見立てを信頼してる。
「ビアンカさんといえば、マッテオ、ついにプロポーズしたんだってね」
「え! そんな話、全然聞いてない!」
「んー。いろいろあるみたいだから、たぶん、近いうちに聞かせてもらえると思うよ」
「リカルドの表情だと、すっごくいいニュースみたいだから、楽しみに待ってる」
「俺、全然隠し事できないなあ。うん、俺はすっごくいいニュースだと思ってる!」
ビアンカ、こないだお店で会った時は、とにかく大変そうに働いてたのに。まあ、大事なことほどあんまり言わない子だから、気長に待っとこう。
「そろそろ時間だから、出発しようか!」
「うん!」
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