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本編・取り違えと運命の人
059 秋は夕暮れ ②
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「じゃ、また近いうちに会おうね!」
「今度は私がのろけられるようにがんばる! 戦闘服で落とす!」
「戦闘服で落ちるような男だからだめなんじゃないの?とりあえず、私はより楽しい下僕情報を提供すべく記録つけとく」
三者三様の別れの言葉に、思わず笑ってしまう。
「今度は、リカルドも連れてくるね」
「うん。大歓迎!」
「ほんとどんな人か興味ある!」
「ジュリエッタをここまで表情豊かにした、その手腕が知りたい」
その時、すっかり聞きなれた声が、私の名を呼んだ。
「ジュリエッタ!」
振り向くと、少し遠くに、夕日に照らされたリカルドと背の高い男性がいる。
「リカルド……」
「ジュリエッタの旦那さん?」
「ぐうぜーん!」
「アレが噂の?」
びっくりしている間に、リカルドが近くまでやってきて、みんなに頭を下げる。
「みなさん、はじめまして。ジュリエッタの、夫の、リカルドです」
なんか、「夫の」が妙に誇らしげで、照れるじゃないですか。うわあ。
「はじめまして。アンナと言います。ジュリエッタ、結婚してから、ほんと幸せそうでよかったねーって、みんなで噂してたとこでした」
「はじめまして! ビアンカと申します。今日もジュリエッタ、リカルドさんのことノロケまくってましたよ!」
「はじめまして。キアラです。あなたがジュリエッタの表情筋を緩めた凄腕魔術師……」
なんか最後おかしい。
「みなさんにお会いできて光栄です!」
リカルド、にっこにこで対応してる。社交的な人で本当によかった。
「あの、今夜、急なんだけど、飲みに行くことになって。たぶん遅くなるから、先に寝てて」
「うん。わかった」
「申し訳ないです。急に」
近くにいた背の高い男の人が続けて謝ってくる。端整な顔立ちで憂いを帯びた表情が妙に印象的な。リカルドより少し年下くらいかな?
「ご挨拶が遅れました。リカルドさんの同僚のマッテオと申します」
「はじめまして。ジュリエッタと申します。いつも夫がお世話になっております」
「いえ、俺がお世話になってばかりで。今後ともよろしくお願いいたします」
「こちらこそ」
そう挨拶を交わすと、二人は夜の町へ消えていった。
「思いがけなく会えてよかったねえ」
「笑顔がすごく優しくていい人そうね」
「やっぱり私が思った通り、下手にイケメン(物理)じゃないところが、イケメン(精神)を際立たせている」
「だから、キアラ、言ってる意味がよく」
「でも、会えた時間短すぎたから、今度ゆっくり話すために、もう一度連れてきてよ!」
ビアンカがにこにこして言ってくれる。
「うん。ぜひ!」
今度こそ、ほんとに笑顔で別れた。
「今度は私がのろけられるようにがんばる! 戦闘服で落とす!」
「戦闘服で落ちるような男だからだめなんじゃないの?とりあえず、私はより楽しい下僕情報を提供すべく記録つけとく」
三者三様の別れの言葉に、思わず笑ってしまう。
「今度は、リカルドも連れてくるね」
「うん。大歓迎!」
「ほんとどんな人か興味ある!」
「ジュリエッタをここまで表情豊かにした、その手腕が知りたい」
その時、すっかり聞きなれた声が、私の名を呼んだ。
「ジュリエッタ!」
振り向くと、少し遠くに、夕日に照らされたリカルドと背の高い男性がいる。
「リカルド……」
「ジュリエッタの旦那さん?」
「ぐうぜーん!」
「アレが噂の?」
びっくりしている間に、リカルドが近くまでやってきて、みんなに頭を下げる。
「みなさん、はじめまして。ジュリエッタの、夫の、リカルドです」
なんか、「夫の」が妙に誇らしげで、照れるじゃないですか。うわあ。
「はじめまして。アンナと言います。ジュリエッタ、結婚してから、ほんと幸せそうでよかったねーって、みんなで噂してたとこでした」
「はじめまして! ビアンカと申します。今日もジュリエッタ、リカルドさんのことノロケまくってましたよ!」
「はじめまして。キアラです。あなたがジュリエッタの表情筋を緩めた凄腕魔術師……」
なんか最後おかしい。
「みなさんにお会いできて光栄です!」
リカルド、にっこにこで対応してる。社交的な人で本当によかった。
「あの、今夜、急なんだけど、飲みに行くことになって。たぶん遅くなるから、先に寝てて」
「うん。わかった」
「申し訳ないです。急に」
近くにいた背の高い男の人が続けて謝ってくる。端整な顔立ちで憂いを帯びた表情が妙に印象的な。リカルドより少し年下くらいかな?
「ご挨拶が遅れました。リカルドさんの同僚のマッテオと申します」
「はじめまして。ジュリエッタと申します。いつも夫がお世話になっております」
「いえ、俺がお世話になってばかりで。今後ともよろしくお願いいたします」
「こちらこそ」
そう挨拶を交わすと、二人は夜の町へ消えていった。
「思いがけなく会えてよかったねえ」
「笑顔がすごく優しくていい人そうね」
「やっぱり私が思った通り、下手にイケメン(物理)じゃないところが、イケメン(精神)を際立たせている」
「だから、キアラ、言ってる意味がよく」
「でも、会えた時間短すぎたから、今度ゆっくり話すために、もう一度連れてきてよ!」
ビアンカがにこにこして言ってくれる。
「うん。ぜひ!」
今度こそ、ほんとに笑顔で別れた。
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