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番外編

玲児、バイトする

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「は? ダメだし。反対。超反対。無理。ダメ。まーじーでダメ」
「駄目と言われてもな……もう決まったことだ」
「ダメったらダメだっつーの!」
「外であまり大きな声を出すな」
 お互いの家での行き来が多い中、珍しく玲児が外で飯を食いたいと誘ってくれた。
 行きたいところがあるわけじゃないって言うから玲児の好きそうな店探してさ、提出期限ギリギリになりがちなレポートもいつもより余裕をもって終わらせてさ。せっかくだからと買ったままクローゼットに居座っていたジャケットも卸してさ。
 それなのにさ、玲児のやつ。
 飯食い始めた途端「家庭教師のアルバイトを始めることにした」なんて言いやがった。
「んなもんダメに決まってんだろ。生徒は? 中学生? 高校生?」
「中学生だ」
「中学生な。つか別に無駄遣いとかしねぇじゃん、小遣いもらってんだろ? なんか欲しいもんあんの? 何?」
「そういうわけではないが……就活を始める前にアルバイトくらい経験しておこうと思ったのだ」
「なんで家庭教師なんだよ?」
「それは……」
 アルバイトの話になった途端に自分の表情筋がつり上がったのはわかっている。声のトーンも落ちたし、普段だったら玲児には絶対向けない目で睨みつけている。
 そんな俺に気圧されないようにだろう、玲児はずっと背筋を伸ばして威嚇する俺に負けじと目と目を合わせていたが、ここで目線をテーブルの上の小鉢に移した。海鮮の酢の物のお通しが入っており、寸前まで「お通しが美味いとテンション上がるよな」なんて仲良く話していたひと皿である。
「情けないが……レジなど、機械を操作して金を扱う仕事は自信がない。俺は顔が怖いと言われることが多く、話すのも得意ではないから接客も厳しい。簡単な調理なども失敗してしまうのが目に見えているし、かといって体力に自信がある訳でもない」
 顎を引いてじっと睨むように玲児を見ていたが、玲児の語る内容には同意しかできないし、話しながらだんだんと肩がしぼんでいく姿を見ていたら、こっちまで力が抜けそうになってきた。いかんいかんと一度眉を上下に動かして眼光を強める。
 玲児ができるバイトか。そうだよなぁ、見たことないエラー画面出してパニック起こすし、ガン飛ばしてるってクレーム受けてめしょめしょになるし、何話していいかわからなくなって「む」しか言えなくなっちゃうし、レトルト破裂させるし皿割るし客にぶっかけるもんなぁ、絶対。
 見てきたかの如くあらゆるトラブルが思いつく。さらには目を瞑れば脳裏に映像がくっきりと浮かぶ。何故か俺もセットで……ん? これ想像じゃねーな、思い出だな? この数々の失敗は実際に起きたやつだな?
「隼人?」
「……あぁ? なんだよ」
「む、なにやら黙り込んでいるからどうしたのかと」
「その通りだなって思ってたんだよ」
「むぅ……やはり」
 少し前の玲児だったら「やってみればできるかもしれぬ」とか「それぐらいできるぞ、皆やっている。練習をし努力を重ねればよいのだ」とか言いそう気がするけど、今回は汐らしいな。いつもより自分を客観視できてるのか。
 なんかそれはそれでちょっと寂しいな。さっき思い返したアレコレを経験すればそうなってしまうのも理解できるが。
 口を小さく結んで肩を落とす玲児を見ていると可哀想になってくる。しかしだからといって玲児がよく知らねぇガキと毎週二人きりになるなんて許せるはずもない。
「で? なんで家庭教師ならできると思ったんだよ?」
 何もできねぇなら何もやるなよと、喉元まで出かかったが飲み込んだ。勝手にバイトを決めてきたことにムカついてはいるが、そこまで言うほど鬼にはなれない。
「せっかく名の知れた大学に通っているのだからこの学歴を利用しようと思ってな。それに……」
「それに?」
「高校の頃、隼人と浅人によく勉強を教えていただろう? わかりやすいと喜んでくれるのも、二人の試験の結果が上がっていくのも自分の事のように嬉しかった。自分と思考の仕方が違う人間への伝え方を試行錯誤して説明するのも楽しかった」
伏せた目に黒く艶やかな睫毛が被さる。髪の毛と同じ硬い毛質のため少しもカールすることのないすだれた睫毛は、伏し目になるとまさにすだれのように瞳の色を隠してしまい、その様がとても色っぽい。
 わずかに覗く灰色がかった瞳は懐かしむようにここではない場所を眺めている。口元には笑みすら浮かべて。
 ――……そんな顔されたら反対しづらいじゃんよ。
 黙ったままでいる俺の反応を待たずに玲児は再び背筋を伸ばしてくっと顔を上げる。真正面から見据えてくる。ここが押し時だと思われたのかもしれない。
「自分のしたいことや得意なこと、できることをよく考えて出した結論だ。ここまで説明すれば何故この仕事を選んだのかは理解してくれるだろう?」
 ここまで丁寧に説明をされて理解できない馬鹿などいないと思うが、それに俺は頷くわけにはいかなかった。
「んー」
 両手を頭の後ろで組んで、ベンチシートの背もたれにずるずると体を沈める。どうしたもんか。
「時給いくら?」
「千八百円だ」
 まぁそんなもんだろうな。そんなもんだろうけど一時間千八百円で玲児に先生してもらえるの安いな。いや仲介が入ってるから実際にはもっと払うわけか。それなら。
「じゃあ俺に勉強教えてくれたら時給五千円出すよ。それで文句ねぇだろ」
 俺の提案に元々ある眉間の皺はさらに深くなった。
「貴様っ……! 水商売ではないのだぞ!」
「なんで水商売の時給わかんの?」
「む、むぅ……? 詳しくはわからんが……」
「とにかくいーじゃんそれで。納得いかないなら水商売的なえっちなオプションつけてくれたっていいんだぜ? そっちは断ってこいよ」
「えっちなおぷしょんとはなんだ全く……金額の問題よりもそんな無責任なことはしたくないし、隼人から金をもらうのは嫌だ」
 “えっちなおぷしょん”に頬を染める相手に俺は唇を尖らせて答える。
「なんでだよ、別にいいだろ。一緒に出かけたら玲児のぶんは俺が払ってるんだし、変わんねぇだろ」
「だから……だから、嫌なのだ。わかれ……隼人にばかり世話になっている。労働して賃金をもらう、という経験は当然したい。しかしそれだけではない。奢ってもらうばかりは嫌だ」
「はぁ? 別にいいだろ、俺が好きで払ってるんだし、個別で払う店では自分で払ってくれる時もあるだろ? 俺が玲児と一緒に出かけたり色々したくて誘ってるんだし……」
「その言い方はやめろ。まるで俺がお前と一緒にいたくないみたいだろう。俺が傍にいたくて時間を共にしてるとは考えないのか?」
「え? いや……あ、まぁそう……だよな。俺といたいよな、玲児だって」
「む」
 急にかっこよく可愛いこと言ってくるからついつい動揺してしまった。
 急ーにデレるじゃん。そりゃな、玲児も俺と会うの嬉しいんだよな。言われてみたら今日着てるシャツ新品みたいな雰囲気あるな。中身が輝きすぎてて服とかあんまり気になんねぇから自信ないけど。
 俺が今日まで頑張って、身なりも真剣に考えてきたわけだが、玲児も同じなのだろうか。
 いや待て待て待て。
 心が軟化してる。駄目だって。もしかして作戦か。でも玲児がそんな騙すようなことしてくるわけない。
 せっかく嬉しいこと言ってくれてるのに素直に喜べないなんて。辛い。でも頑張れ俺。 
「俺、結構稼いでるしさ……金とか気にしなくていいって」
「俺だってたまには隼人の会計をもちたいと思う気持ちはそんなにいけないものか?」
「え? 自分のだけじゃなくて俺のまで出したいの?」
「いけないものか?」
「悪くねぇけど」
「もらっている小遣いで贈り物を買うのはまだいい。日頃世話になっているしな。しかし普段の食事などを奢るのは違和感がある。親の稼いだ金だ。俺の金ではない。隼人と食事をして嬉しい、その感謝の気持ちを、自分が努力をして稼いだものでたまには返したいと思うのは悪いことか? 」
 そんなの……そんなの、全然悪いわけないじゃん。
 もう今俺、赤ん坊から育てた我が子が立派に成長して、初任給で食事に行こうって誘われた時の親の気持ちだもん。なんか込み上げるもん。目頭熱いもん。ちょっと泣きそうだもん。
 正直なところを言うと俺自身、今回のことは完全にこっちの分が悪いことはわかっている。
 玲児がアルバイトをしたいと思うことも、家庭教師を選んだ理由も何も間違ってない。ただ単純に俺の感情として絶対に嫌だというだけの話なのだ。
 気持ちは嬉しい、本当に、本っ当に嬉しい。でも。
「やだな俺……」
 さっきまで玲児を睨みつけていたというのに、頬杖をついて目も合わせられずに視線を落とし、情けない本音をぽつりとこぼした。
 玲児が好きそうだなって選んだ目の前の料理たちはほとんど手をつけられていない。山芋に豚肉が巻かれたやつをつまむ。これ自然薯って書いてあったな。美味い。やっぱり玲児が好きそうだ。
「……嫌だと言うとは思っていた。陸上部のマネージャーをしたいと相談した時も結局押し切られてしまったしな」
「嫌に決まってんだろ! 俺との時間とれなくなるじゃん」
 当時のことを思い出して沈んでた声が荒ぶる。
 毎日のように夕方時間とられるなんて有り得ないだろ。大学から仕事の合間に会うのだって貴重なのに。
「だから、それは俺も納得して断念しただろう。しかし今回はアルバイトだから時間や曜日は定められているし、家庭教師なら勤務時間も短い」
「でも俺がそこしか休みがなかったら?」
「それは仕方ないだろう。しかし幸い家も近く大学も同じなのだから……」
「知らねぇよ。できるだけ俺のために時間作れるようにしといてくれよ」
「貴様……自分がとても我儘を言っていると自覚しているか? 俺が就職をしたらどうするんだ」
「別に玲児が就職しなくてもいいし俺は。全部お祈りメールもらっとけよ」
「隼人」
 玲児の声が低くなり、いつもよりじっとりと重い響きで名前を呼ばれる。
「……なんだよ」
「今の発言は良くないと思うぞ」
「知るか」
「む……まぁよい。今日俺は許可を得るために話したわけではない。これは報告だ。相談ではないのだ。わかったな」
「わかんねぇよ。つかなんで勝手に決めるわけ? そんな自分勝手なことすんなら別れる」
「隼人……」
 そんな気がないことなどわかりきっている玲児にこれは脅しになどならず、ただ呆れた顔をして、ため息混じりに名前を呼ばれるだけだった。
 もう玲児は絶対に自分の意見を曲げる気がない。部活をやりたいと言ってきた時は確かに相談だった。でも今回は違う。わかるけど、嫌すぎてどうにかなりそうだ。
 日本酒を入れ、またベンチシートに沈むみたいに深く座る。足が向かいにいる玲児とぶつかって、つんつんとつま先をつつく。それに玲児も一度だけ応える。
「む、美味いな。冷めてしまったのに山芋がほくほくしているぞ」
「……自然薯だって」
「む、よいものだな。すりおろしたものが出てくるイメージがあるが、焼いても美味いのだな」
「こっちのはすりおろされてますけど」
「む。マグロとはとても相性がよいな。これも美味いぞ」
「だろーな」
「隼人はいつも俺のことを考えて店を選んでくれるな。あまり得意ではないが、俺も隼人の好きそうな店を探してみたい……その時はすまーとに支払いをしてみたいものだ」
 すまーとの言い方が全然スマートじゃないけど。
「絶対個室じゃない店とか選んじゃったり予約地域間違えて失敗すんじゃん……」
「む! そんなことはない! ちゃんとできるぞ。だから……そう拗ねるな。相手は中学生だぞ? まさか妬いているわけではないだろう」
「……絶対妬くと思うよ、俺」
 マグロの山芋かけをつまみ、また日本酒を口にする。一回グラスを置いて、もう一口。もう一口。
「玲児は真剣にやるんだろうな。良い先生になると思うよ。一生懸命その子のこと考えてさ、なにかあれば心配してさ。なにかあれば喜んでさ。玲児の頭ん中に、その子の領域ができちまうの。妬くよ、そりゃ」
「隼人……」
「いいよ、でも……生徒の話する玲児も新鮮でいいかもな。いいよ」
「隼人、姿勢を直して頭をこちらに寄せろ」
「んー」
 思った通り、玲児に差し出した頭をよしよしと撫でられる。俺みたいにしつこくワシワシとしない、きっかりふた撫で。
「心配するな。俺の頭の半分くらいは隼人で占められている」
「俺の頭は百パーセント玲児で埋まってるんですけど」
「そうだな。知っている。ほら食え」
「えー食う気しねぇー腹いっぱいー」
「隼人に限ってそんなわけあるか。口を開けろ。これはあれだろう、俺のためではなく貴様のために頼んだやつだろう」
「……そうだけど」
「よし、食え」
「んあ」
 おっしゃる通り。あれこれ悩んだ末に俺に任せると言ったので、玲児の好みに合わせて何品か注文した中で、数少ない俺の好みで頼んだ牛タン。女にやられるあーんと違う、口にちゃんと入らなくてタレで口元汚れるし箸は歯にぶつかって痛ぇけど、あーんが下手すぎるの愛しいからいい。
 つか言わなくても俺の好みとかわかるようになったんだな。クソ鈍感なくせに。
「俺が機嫌悪くなるからって話するの我慢すんのなしね」
「む」
「どんな子なのかとか知りてぇし……」
「む」
 返事の度に表情が和らぐ玲児を見て、俺もガチガチに張った肩の力を抜いた。
 そう。今日は久しぶりの外食なのである。気を取り直して二人の時間を楽しむとしよう。


 その数週間後、不機嫌面した玲児が初仕事を終え帰ってきた。
「どうだった? 家庭教師」
「知らぬ」
「えぇ? そんなクソガキだったの?」
「真面目そうないい子だったぞ。女の子だ。授業態度も良く、わからないことがあるとしっかりと質問もできる。とてもいい子だ」
「じゃあなんでぶーたれてんだよ」
「中学校が俺達の出身校と同じだとわかり」
「へー!」
「そうしたら……先生、大鳥隼人と同い年じゃないですか?! と聞かれ……」
「おお……」
「それまで真面目に話を聞いてくれていたのに暫く貴様についてばかり聞かれたぞ……実物もテレビと同じくらいかっこいいのかだの、成績は良かったのかだの、運動神経は、部活は、あれこれあれこれと……」
「俺の恋人だよーんって教えてあげたの?」
「言うか! 一言も話したことなどないと伝えておいた」
「えー! なんだよそれ冷てぇなぁ!」
「知らぬ。顔がいいだけで得しおって貴様は」
「ひっど。それにしても俺が玲児に妬かれちゃうなんてなぁー。おもしろ。今度紹介してよ」
「貴様みたいな破廉恥なやつに紹介するわけないだろう! それに妬いてなどない!」
 後日駅近くで俺と玲児が歩いてるのをその子に発見され、玲児にポカスカされるのはまた別の話である。
 
 
 
 
 
 
 

 
 
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みんなの感想(6件)

kuroneko
2023.08.05 kuroneko

ブルガリ~からの君しか~流れ←毎回くどいですね(。-人-。)

這って出てきて~、玲児視点しんどいです(ヽ´ω`)
ので、玲児担の私には今のブルガリ~の流れはかなりキツいのですがこちらと併読することでキツさが軽減されるというか麻痺するというか(*´σー`)エヘヘ

でもでも続きを!
気長に、だけど正座待機しておりますよ(*- -)(*_ _)ペコリ

松原 慎
2023.08.07 松原 慎

玲児がずっと辛そうですし、死にたがってる時の話なので……
ブルガリは隼人らが主役なので、玲児主体で見ると厳しいですね。

書きかけはあるので、そのうちあげられればと思っています。お待たせしてしまってすみません💦

解除
kuroneko
2023.07.30 kuroneko

ブルガリ~からの君しか~流れ←いつもの(ФωФ)
なんか隼人がまた先生と変な約束しそうな終わり方で辛い(ヽ´ω`)
私的辛展開に耐性つけようと 這って出てきて転がり落ちて 部分読見返しました
辛い・゜・(つД`)・゜・

松原 慎
2023.08.05 松原 慎

こちらでもこんばんは(笑)
這って出てきてしんどいですよね、続き書き途中のがあってちょくちょく文章をいじってるのですがしんどくて進みません(笑)
玲児が可哀想で可哀想で……

解除
kuroneko
2023.07.19 kuroneko

ブルガリ~からの君しか~流れ←
「玲児と隼人の攻防戦」でちょっと一息
そうだ玲児が(攻 )でもいいじゃないか( ゚д゚)ハッ!

松原 慎
2023.07.23 松原 慎

いつものですね!ありがとうございます(笑)

松原はアリだなと思いますが、本人たちがNGな気がします、とても(笑)

解除
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