3 / 7
記憶
父親と子
しおりを挟む
9視点
練「9」
9「ん?」
大和「お腹空いた………」
9「了解 少し待ってろ」
数日後 軟禁にも近い状況での生活に慣れた6人は、変に家のものも弄らず9と打ち解けていた
9「っ」
痛てぇ………
不意に感じた頭痛に9は、キッチンの鍵をかけてある引き出しを開けて、複数の薬を取りだし水を飲みながら噛み砕く
龍「大丈夫?」
9「大丈夫 今飯作るよ」
元々体が弱かったのもあり薬を飲むのは慣れているが………組織に入ってからは原因不明の頭痛に悩まされることが多い
~数分後~
9「飲み物は各自作ってくれ ほら 出来たぞ」
6人「はーい」
6人に栄養バランスを考えた朝食を出して9は風呂へ
9「…………」
『そんなひ弱じゃあ死ぬのが落ちだな』
親父はかなり厳しかった………息子の俺にですら訓練中は情け容赦ない………話し方も普段と変わるし何よりも冷たかった………
『せめて30内に入れればそこそこいい部屋を貰える もちろん支給品の質も上がるからな』
元々No.9を務めていただけあって部下も多かったし強かった……部下の数人からはやりすぎだと言われてたらしいが………あそこまで厳しくしなければ生き残れなかったのも事実………
『血反吐を吐くまでは続けるぞ それが嫌なら死ぬしか道はない』
我が親父ながら持論と長年の経験が凄かったし………本当に血反吐を吐くまで辞めてくれなかった………親父との特訓で最年少でNo.9を勝ち取ったが………当時は怪我や打撲、骨折が絶えなかったな………
今思い出すだけでも古傷が痛みそうな過酷な訓練内容………それを父親である20は毎日続けてたのだと考えると………20には恐らく一生適わない
9「そう言えば親父は0にだけは特に何も反抗しなかったな………」
兄弟ではないのはディレクションから聞いたが………それにしたって似すぎだし親父のことを知りすぎだろ………
0に対して抵抗や反抗をしない20に疑問を抱きつつも、「教えてはくれない」と割り切って風呂から上がる9
9「ゲームやるなら寝室の隣の部屋がいいぞ フリーWiFi繋がってるしゲーム専用部屋だから」
絢斗「ほんと?そっち行こう!」
5人「うーい」
まぁ単純に俺が煙草吸いたかっただけなんだけど………
ゲーム専用部屋があるのは事実だが、極々単純に9が煙草を吸いたかっただけ
9「…………」
そう言えば1、2、3は親父の元部下だったらしいけど………なんであんなに親父と仲悪いんだ?
実はNo.1、2、3は20の元部下でとてつもなく仲が悪い
9「ふーっ………」
まぁ昔部下時代に何かあったんだろうけど………それにしたって親父に噛み付きすぎだよな………毎回毎回ねじ伏せられてるけど
元部下と元上司となると癖を熟知されており、戦闘訓練では必ずねじ伏せられてるのだが………それでも1、2、3は噛み付いていくので20も呆れ気味だった
9「…………」
でも20はいつだって優しい表情で1、2、3を見ている………元々「虐待の多い家だった」っ言ってたから………俺に対しても半信半疑だろうな………戦場に身を置きすぎて息子ですら信用できなくなってる
自分が信用されていないのを理解しながらも9は父親が好き
9「………そう言えばそろそろ煙草も食材も切れるな」
ただでさえ人数が多いしな………
そろそろ冷蔵庫に入っている食材も底をつきそうで、煙草も買いたい9
9「少し買い物に行くがついていくヤツいるか?」
6人「「「「「「行きたい!」」」」」」
9「1人だけな なんかしらの方法で決めてくれ」
まぁ全員行きたいって言い出すよな………外に出てないし
予想通りの6人の反応に9は勝敗が決まるのを待つ
寮「俺になったよ!」
9「OK 行くぞ」
じゃんけんで勝利した寮が9と買い物に行くことに
寮「9って煙草吸うのか?」
9「1日1箱のペースで吸ってるぞ?お前達に影響が出ないようにしてるだけで」
寮「マジで?」
9「6人は基本的な能力が多いからな 俺は結構色んな特殊能力もあるし………」
寮「へ~」
9は寮に能力の強さ等を教えつつ目当てのものも買う中………寮は突然視界が黒く染った………否 9に抱きくるめられていた
寮「?!」
9『静かに』
テレパシーを使って9は寮を落ち着かせる………たまたま裏道を通っていたので見えたのだ………「ダークナイト」のNo.27、28、29の姿が
27「中々見つからないな………」
28「20が言うにはこの街からは離れていないらしいけど」
親父は無事か………でもやっぱり組織の人間としての仕事はしてる………
29「そう言えば20と9だとどっちが身長高いんだ?」
27「20の方が高いよ 9は178cmで20は186cm」
28「普段遠目でしか見ないからわかんないけど結構でかいな………」
俺未だに親父の身長越せてないのか………
物陰に縮こまって隠れているため3人の声は丸聞こえ
20「27、28、29」
3人「「「20」」」
20「見つかったか?」
親父………
父親である20がワープゲートを開いてやってきて、9は心拍数が一気に跳ね上がる
27「この場所に9が血を流して倒れてたってのはわかったけど それ以降はさっぱりだな~」
丁度9と寮が隠れているのは寮達が9を見つけた場所の奥である
20「そうか そろそろ交代の時間だから26、25、24に引き継ぎをしてこい」
28「わかった ありがとう」
捜索は交代制………30までの28名が捜索してるのか………
29「それじゃあ20 また後で!」
20「ああ 休憩してこい」
27、28、29が20の開いたワープゲートで組織に帰り20は残る
20「…………」
9「…………」
寮「…………」
バレてないよな………
20「…………」
『いい加減組織に戻らないと痛い思いをするのはお前だぞ 9』
9「!」
20「ふっ………」
テレパシーで20にそう言われて9は余計に心拍数が上がるが、20は鼻で笑ったのかそのままワープゲートを使って消える
9「悪かったな寮 いきなりで」
寮「それはいいんだけど………一気に心拍数上がったな」
あーまぁあれだけ密着してれば聞こえるか………
9「20は実の父親だからな そりゃビビるよ つってもバレてたけど」
寮「え?」
9「特殊能力で「組織に戻れ」って言われた これ以上戻らないと俺が痛い思いをするって」
親父なりの優しさなんだろうけど………見逃したことを咎められないのか?
9「…………」
そもそも親父が動いてる時点で………見つかれば下手すれば死ぬ………いくら親父と肩を並べて歩けるとはいえ………親父に敵うわけがない
幼少期から厳しい戦闘訓練を強いられてきた9………父親の「血を浴びる」という行為が行われた場合………死を覚悟して突っ込まなければ容赦なく殺される………元々虐待の多い家庭で育った父が、自然と自分の中で芽生え培われてしまった残虐性………血を浴びることで起きる二重人格に等しい変わりよう………それを身をもって知っているからこそ………彼らに危害が及ばぬようにしなければならない
9「…………」
寮「9?」
9「帰ろう」
彼らの存在が親父にバレたら………それこそ死が目前になる
知られてはいけないのだ………実の父親のあの残虐性を………
6人の存在を………
練「9」
9「ん?」
大和「お腹空いた………」
9「了解 少し待ってろ」
数日後 軟禁にも近い状況での生活に慣れた6人は、変に家のものも弄らず9と打ち解けていた
9「っ」
痛てぇ………
不意に感じた頭痛に9は、キッチンの鍵をかけてある引き出しを開けて、複数の薬を取りだし水を飲みながら噛み砕く
龍「大丈夫?」
9「大丈夫 今飯作るよ」
元々体が弱かったのもあり薬を飲むのは慣れているが………組織に入ってからは原因不明の頭痛に悩まされることが多い
~数分後~
9「飲み物は各自作ってくれ ほら 出来たぞ」
6人「はーい」
6人に栄養バランスを考えた朝食を出して9は風呂へ
9「…………」
『そんなひ弱じゃあ死ぬのが落ちだな』
親父はかなり厳しかった………息子の俺にですら訓練中は情け容赦ない………話し方も普段と変わるし何よりも冷たかった………
『せめて30内に入れればそこそこいい部屋を貰える もちろん支給品の質も上がるからな』
元々No.9を務めていただけあって部下も多かったし強かった……部下の数人からはやりすぎだと言われてたらしいが………あそこまで厳しくしなければ生き残れなかったのも事実………
『血反吐を吐くまでは続けるぞ それが嫌なら死ぬしか道はない』
我が親父ながら持論と長年の経験が凄かったし………本当に血反吐を吐くまで辞めてくれなかった………親父との特訓で最年少でNo.9を勝ち取ったが………当時は怪我や打撲、骨折が絶えなかったな………
今思い出すだけでも古傷が痛みそうな過酷な訓練内容………それを父親である20は毎日続けてたのだと考えると………20には恐らく一生適わない
9「そう言えば親父は0にだけは特に何も反抗しなかったな………」
兄弟ではないのはディレクションから聞いたが………それにしたって似すぎだし親父のことを知りすぎだろ………
0に対して抵抗や反抗をしない20に疑問を抱きつつも、「教えてはくれない」と割り切って風呂から上がる9
9「ゲームやるなら寝室の隣の部屋がいいぞ フリーWiFi繋がってるしゲーム専用部屋だから」
絢斗「ほんと?そっち行こう!」
5人「うーい」
まぁ単純に俺が煙草吸いたかっただけなんだけど………
ゲーム専用部屋があるのは事実だが、極々単純に9が煙草を吸いたかっただけ
9「…………」
そう言えば1、2、3は親父の元部下だったらしいけど………なんであんなに親父と仲悪いんだ?
実はNo.1、2、3は20の元部下でとてつもなく仲が悪い
9「ふーっ………」
まぁ昔部下時代に何かあったんだろうけど………それにしたって親父に噛み付きすぎだよな………毎回毎回ねじ伏せられてるけど
元部下と元上司となると癖を熟知されており、戦闘訓練では必ずねじ伏せられてるのだが………それでも1、2、3は噛み付いていくので20も呆れ気味だった
9「…………」
でも20はいつだって優しい表情で1、2、3を見ている………元々「虐待の多い家だった」っ言ってたから………俺に対しても半信半疑だろうな………戦場に身を置きすぎて息子ですら信用できなくなってる
自分が信用されていないのを理解しながらも9は父親が好き
9「………そう言えばそろそろ煙草も食材も切れるな」
ただでさえ人数が多いしな………
そろそろ冷蔵庫に入っている食材も底をつきそうで、煙草も買いたい9
9「少し買い物に行くがついていくヤツいるか?」
6人「「「「「「行きたい!」」」」」」
9「1人だけな なんかしらの方法で決めてくれ」
まぁ全員行きたいって言い出すよな………外に出てないし
予想通りの6人の反応に9は勝敗が決まるのを待つ
寮「俺になったよ!」
9「OK 行くぞ」
じゃんけんで勝利した寮が9と買い物に行くことに
寮「9って煙草吸うのか?」
9「1日1箱のペースで吸ってるぞ?お前達に影響が出ないようにしてるだけで」
寮「マジで?」
9「6人は基本的な能力が多いからな 俺は結構色んな特殊能力もあるし………」
寮「へ~」
9は寮に能力の強さ等を教えつつ目当てのものも買う中………寮は突然視界が黒く染った………否 9に抱きくるめられていた
寮「?!」
9『静かに』
テレパシーを使って9は寮を落ち着かせる………たまたま裏道を通っていたので見えたのだ………「ダークナイト」のNo.27、28、29の姿が
27「中々見つからないな………」
28「20が言うにはこの街からは離れていないらしいけど」
親父は無事か………でもやっぱり組織の人間としての仕事はしてる………
29「そう言えば20と9だとどっちが身長高いんだ?」
27「20の方が高いよ 9は178cmで20は186cm」
28「普段遠目でしか見ないからわかんないけど結構でかいな………」
俺未だに親父の身長越せてないのか………
物陰に縮こまって隠れているため3人の声は丸聞こえ
20「27、28、29」
3人「「「20」」」
20「見つかったか?」
親父………
父親である20がワープゲートを開いてやってきて、9は心拍数が一気に跳ね上がる
27「この場所に9が血を流して倒れてたってのはわかったけど それ以降はさっぱりだな~」
丁度9と寮が隠れているのは寮達が9を見つけた場所の奥である
20「そうか そろそろ交代の時間だから26、25、24に引き継ぎをしてこい」
28「わかった ありがとう」
捜索は交代制………30までの28名が捜索してるのか………
29「それじゃあ20 また後で!」
20「ああ 休憩してこい」
27、28、29が20の開いたワープゲートで組織に帰り20は残る
20「…………」
9「…………」
寮「…………」
バレてないよな………
20「…………」
『いい加減組織に戻らないと痛い思いをするのはお前だぞ 9』
9「!」
20「ふっ………」
テレパシーで20にそう言われて9は余計に心拍数が上がるが、20は鼻で笑ったのかそのままワープゲートを使って消える
9「悪かったな寮 いきなりで」
寮「それはいいんだけど………一気に心拍数上がったな」
あーまぁあれだけ密着してれば聞こえるか………
9「20は実の父親だからな そりゃビビるよ つってもバレてたけど」
寮「え?」
9「特殊能力で「組織に戻れ」って言われた これ以上戻らないと俺が痛い思いをするって」
親父なりの優しさなんだろうけど………見逃したことを咎められないのか?
9「…………」
そもそも親父が動いてる時点で………見つかれば下手すれば死ぬ………いくら親父と肩を並べて歩けるとはいえ………親父に敵うわけがない
幼少期から厳しい戦闘訓練を強いられてきた9………父親の「血を浴びる」という行為が行われた場合………死を覚悟して突っ込まなければ容赦なく殺される………元々虐待の多い家庭で育った父が、自然と自分の中で芽生え培われてしまった残虐性………血を浴びることで起きる二重人格に等しい変わりよう………それを身をもって知っているからこそ………彼らに危害が及ばぬようにしなければならない
9「…………」
寮「9?」
9「帰ろう」
彼らの存在が親父にバレたら………それこそ死が目前になる
知られてはいけないのだ………実の父親のあの残虐性を………
6人の存在を………
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
旦那様、お仕置き、監禁
夜ト
BL
愛玩ペット販売店はなんと、孤児院だった。
まだ幼い子供が快感に耐えながら、ご主人様に・・・・。
色々な話あり、一話完結ぽく見てください
18禁です、18歳より下はみないでね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる