奪われたモノ

ハーマ

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記憶

父親と子

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9視点

練「9」

9「ん?」

大和「お腹空いた………」

9「了解  少し待ってろ」


数日後  軟禁にも近い状況での生活に慣れた6人は、変に家のものも弄らず9と打ち解けていた


9「っ」

痛てぇ………


不意に感じた頭痛に9は、キッチンの鍵をかけてある引き出しを開けて、複数の薬を取りだし水を飲みながら噛み砕く


龍「大丈夫?」

9「大丈夫  今飯作るよ」


元々体が弱かったのもあり薬を飲むのは慣れているが………組織に入ってからは原因不明の頭痛に悩まされることが多い


~数分後~

9「飲み物は各自作ってくれ  ほら  出来たぞ」

6人「はーい」


6人に栄養バランスを考えた朝食を出して9は風呂へ


9「…………」

『そんなひ弱じゃあ死ぬのが落ちだな』

親父はかなり厳しかった………息子の俺にですら訓練中は情け容赦ない………話し方も普段と変わるし何よりも冷たかった………

『せめて30内に入れればそこそこいい部屋を貰える  もちろん支給品の質も上がるからな』

元々No.9を務めていただけあって部下も多かったし強かった……部下の数人からはやりすぎだと言われてたらしいが………あそこまで厳しくしなければ生き残れなかったのも事実………

『血反吐を吐くまでは続けるぞ  それが嫌なら死ぬしか道はない』

我が親父ながら持論と長年の経験が凄かったし………本当に血反吐を吐くまで辞めてくれなかった………親父との特訓で最年少でNo.9を勝ち取ったが………当時は怪我や打撲、骨折が絶えなかったな………


今思い出すだけでも古傷が痛みそうな過酷な訓練内容………それを父親である20は毎日続けてたのだと考えると………20には恐らく一生適わない


9「そう言えば親父は0にだけは特に何も反抗しなかったな………」

兄弟ではないのはディレクションから聞いたが………それにしたって似すぎだし親父のことを知りすぎだろ………


0に対して抵抗や反抗をしない20に疑問を抱きつつも、「教えてはくれない」と割り切って風呂から上がる9


9「ゲームやるなら寝室の隣の部屋がいいぞ  フリーWiFi繋がってるしゲーム専用部屋だから」

絢斗「ほんと?そっち行こう!」

5人「うーい」

まぁ単純に俺が煙草吸いたかっただけなんだけど………


ゲーム専用部屋があるのは事実だが、極々単純に9が煙草を吸いたかっただけ


9「…………」

そう言えば1、2、3は親父の元部下だったらしいけど………なんであんなに親父と仲悪いんだ?


実はNo.1、2、3は20の元部下でとてつもなく仲が悪い


9「ふーっ………」

まぁ昔部下時代に何かあったんだろうけど………それにしたって親父に噛み付きすぎだよな………毎回毎回ねじ伏せられてるけど


元部下と元上司となると癖を熟知されており、戦闘訓練では必ずねじ伏せられてるのだが………それでも1、2、3は噛み付いていくので20も呆れ気味だった


9「…………」

でも20はいつだって優しい表情で1、2、3を見ている………元々「虐待の多い家だった」っ言ってたから………俺に対しても半信半疑だろうな………戦場に身を置きすぎて息子ですら信用できなくなってる


自分が信用されていないのを理解しながらも9は父親が好き


9「………そう言えばそろそろ煙草も食材も切れるな」

ただでさえ人数が多いしな………


そろそろ冷蔵庫に入っている食材も底をつきそうで、煙草も買いたい9


9「少し買い物に行くがついていくヤツいるか?」

6人「「「「「「行きたい!」」」」」」

9「1人だけな  なんかしらの方法で決めてくれ」

まぁ全員行きたいって言い出すよな………外に出てないし


予想通りの6人の反応に9は勝敗が決まるのを待つ


寮「俺になったよ!」

9「OK  行くぞ」


じゃんけんで勝利した寮が9と買い物に行くことに


寮「9って煙草吸うのか?」

9「1日1箱のペースで吸ってるぞ?お前達に影響が出ないようにしてるだけで」

寮「マジで?」

9「6人は基本的な能力が多いからな  俺は結構色んな特殊能力もあるし………」

寮「へ~」


9は寮に能力の強さ等を教えつつ目当てのものも買う中………寮は突然視界が黒く染った………否  9に抱きくるめられていた


寮「?!」

9『静かに』


テレパシーを使って9は寮を落ち着かせる………たまたま裏道を通っていたので見えたのだ………「ダークナイト」のNo.27、28、29の姿が


27「中々見つからないな………」

28「20が言うにはこの街からは離れていないらしいけど」

親父は無事か………でもやっぱり組織の人間としての仕事はしてる………

29「そう言えば20と9だとどっちが身長高いんだ?」

27「20の方が高いよ  9は178cmで20は186cm」

28「普段遠目でしか見ないからわかんないけど結構でかいな………」

俺未だに親父の身長越せてないのか………


物陰に縮こまって隠れているため3人の声は丸聞こえ


20「27、28、29」

3人「「「20」」」

20「見つかったか?」

親父………


父親である20がワープゲートを開いてやってきて、9は心拍数が一気に跳ね上がる


27「この場所に9が血を流して倒れてたってのはわかったけど  それ以降はさっぱりだな~」


丁度9と寮が隠れているのは寮達が9を見つけた場所の奥である


20「そうか  そろそろ交代の時間だから26、25、24に引き継ぎをしてこい」

28「わかった  ありがとう」

捜索は交代制………30までの28名が捜索してるのか………

29「それじゃあ20  また後で!」

20「ああ  休憩してこい」


27、28、29が20の開いたワープゲートで組織に帰り20は残る


20「…………」

9「…………」

寮「…………」

バレてないよな………

20「…………」

『いい加減組織に戻らないと痛い思いをするのはお前だぞ  9』

9「!」

20「ふっ………」


テレパシーで20にそう言われて9は余計に心拍数が上がるが、20は鼻で笑ったのかそのままワープゲートを使って消える


9「悪かったな寮  いきなりで」

寮「それはいいんだけど………一気に心拍数上がったな」

あーまぁあれだけ密着してれば聞こえるか………

9「20は実の父親だからな  そりゃビビるよ  つってもバレてたけど」

寮「え?」

9「特殊能力で「組織に戻れ」って言われた  これ以上戻らないと俺が痛い思いをするって」

親父なりの優しさなんだろうけど………見逃したことを咎められないのか?

9「…………」

そもそも親父が動いてる時点で………見つかれば下手すれば死ぬ………いくら親父と肩を並べて歩けるとはいえ………親父に敵うわけがない


幼少期から厳しい戦闘訓練を強いられてきた9………父親の「血を浴びる」という行為が行われた場合………死を覚悟して突っ込まなければ容赦なく殺される………元々虐待の多い家庭で育った父が、自然と自分の中で芽生え培われてしまった残虐性………血を浴びることで起きる二重人格に等しい変わりよう………それを身をもって知っているからこそ………彼らに危害が及ばぬようにしなければならない


9「…………」

寮「9?」

9「帰ろう」

彼らの存在が親父にバレたら………それこそ死が目前になる











知られてはいけないのだ………実の父親のあの残虐性を………









6人の存在を………
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