クラス転移した俺のスキルが【マスター◯―ション】だった件 (新版)

スイーツ阿修羅

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第三膜 寝取られ撲滅パーティ編

五十三射目「眩しい地上世界②」

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 さて、俺はどうしようか……
 ユリィさんに水泳を教えるのは、直穂一人で十分だろう。
 合理的に言えば、俺は、リリィさんの仕事を手伝うべきだろう。
 しかし、正直に言うと、俺は……
 直穂なおほと水泳デートをしたい!!

「わがままを言うと、俺は、直穂なおほと一緒に泳ぎたいです。いいですか?」

 俺は、正直な気持ちを話した。

「……でも、リリィさんの仕事が大変なら、俺はリリィさんを手伝います。 ずっと、お世話になってばかりなので!!」

 俺は言葉を付け足した。
 リリィさんにばかり、面倒事を押し付ける訳には行かない。
 電子レンジ、ドライヤー、冷蔵庫、酸素ボンベとして……
 俺はリリィさんを、まるで家電製品のように使い倒してきた。
 頼りっぱななしは申し訳ない。

「……そうですね。では行宗ゆきむね君は、この川で魚を捕まえて下さい。
 新崎にいざきさんとイチャイチャしながらで構いません」

 は??
 魚を捕まえろ。だと??
 俺が!? まさか素手で? 釣竿や槍もなしで?

「いや、冗談ですよね?」
「大真面目ですよ。ダンジョンのラスボスを倒した勇者が、まさか川の魚が捕まえられないとでも?」
「た、たしかに……」

 俺は、至極真っ当な意見に、納得せざるを得なかった。
 俺は確かに、【スイーツ阿修羅】、この世界で最強の生物を倒したのだ。
 今の俺は、現実世界の俺とは違う、52レベルの召喚勇者だ。
 川の魚ぐらい、捕まえられる……のか??

 俺は、ふと辺りを見渡した。
 そして、浅尾和奈あさおかずなさんと目が合った。
 彼女は、真っ赤な顔をして、目をパチパチとさせながら、俺と直穂なおほを、交互に見つめていた。
 両手をわなわなと震わせて、今にも爆発しそうなほどに、感情が高ぶっていた。

「ななっ!! な・お・ほぉ!??」

 浅尾あさおさんの叫び声が、森の中に響き渡った。

「は?? はぁぁ!? なんで呼び捨てぇっ……もしかして二人とも……いつの間に……!!」

 そういえば、伝え忘れていた。
 直穂なおほと俺が、付き合う事になった、と。

「……か、和奈かずなっ、ごめん!…そう言えば、伝え忘れてたっ。 私はっ、行宗と、無事に付き合う事になったのっ!」

「うへぇぇぇぇ!!? いつの間にいぃ!!」

 新崎直穂にいざきなおほの衝撃の紅白に、浅尾和奈あさおかずなは衝撃を受けた。

和奈かずなが背中を押してくれたお陰だよ。ありがとう。私、ちゃんと告白できた。」

 直穂なおほは、リンゴみたいに赤い顔で、親友へと感謝の言葉をかけた。

「まじか! やったね直穂なおほっ! 私も嬉しいよっ! 
 行宗ゆきむねくんも、おめでとう! 
 もし、直穂を泣かしたら許さないからね。ちゃんと責任もって、幸せにすること!」
「言われるまでもなく、絶対に手離しませんよ」

 俺は思い切って、食い気味にそう言った。
 俺のセリフに、直穂なおほはさらに、顔を赤くした。
 いや、可愛い過ぎだろ。こっちまで恥ずかしくなるっ。

 彼女と付き合うという事は、想像以上に難しい気がする。
 「愛してる」と伝えるのも、付き合う前以上に勇気がいる。
 なぜなら、責任が伴うからだ。
 彼氏として、彼女を大切にする責任が……
 
「ひゅーっ!アツアツだねぇ。応援してるよっ。
 恋人は付き合ってからが本番だからねー。
 くれぐれも相手に幻滅されないように、末永くお幸せにしたまえっ!」

 浅尾あさおさんは、楽しそうにカラカラと笑った。
 あれ? 
 そういえば、浅尾あさおさんには、彼氏はいるのだろうか?

「あの、浅尾あさおさんは、好きな人っているんですか?」

 俺は、思わず聞いてみた。

「いないよ。あんまり作る気もない。
 中学の頃に、恋愛しすぎて疲れたのかもね。しばらくは部活に打ち込みたかった感じ。
 まぁ……こんな異世界にきて、大冒険を繰り広げるとは思っていなかったけど……」
「そうだな…早く帰りたいな……」
「でも、楽しいよっ。皆でハラハラドキドキしながら、ダンジョンを攻略して、地上に出て……
 リリィちゃんとユリィちゃんにも出会えたしね。 
 ……そういえば……二人とは、いずれ別れる事になるんだよね……。
 私達が現実世界に帰る時には……」

 浅尾あさおさんは、そよ風に濡れ髪をなびかせながら、空を見上げて微笑んだ。
 どこか寂しそうな顔だった。

「……別れは、誰にだって訪れますよ……」

 ぽつり、とリリィさんが呟いた。
 そうだ。
 俺達が現実世界に帰るという事は、この世界との別れ。
 リリィさん達と、別れる事を意味する。
 リリィさん達とは、今日であったばかりの仲だが、命を預け合った盟友である。
 二日前までは想像もしていなかった。陰キャの俺が、こんなに多くの仲間に囲まれている事なんて。
 別れるのは嫌だ……

 一瞬の静寂がおとずれる。
 全員が黙り込んでしまった。
 森の中に、水の噴き出る音だけが続いていた。。
 
「なんてね。その時までに、沢山思い出を作ろうよっ!
 人生は一期一会だよっ!
 さあユリィちゃん、泳いでみよう! リリィちゃんも、一緒に寝床を作ろう!」

 浅尾あさおさんは、パンッと手を慣らして、太陽のように笑った。
 そして浅尾あさおさんは、リリィさんの手を取って、川から上がり、森の中へと向かって行った。
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