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浣腸中のゲーム

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 女体盛りを食べ終えると、もう外は薄暗かった。保冷剤も液体化している。
「食事にしますか? それとももう少し、エッチなことをしますか?」
 そう訊ねると、彼女は後者を選んだ。
 今日はずいぶん長くスイッチが入ったままだ。

 彼女を風呂場へ連れて行って、四つん這いにさせる。
 その時点で、彼女は次にされることを予想して、かなり高揚しているようだった。
 まずは、ローションをたっぷり使って穴をよくほぐす。
 その後、先週、彼女自身が選んだ浣腸用のシリンジをお尻の穴にあてがった。シリンジの中には、ぬるま湯が入っている。水だとお腹を壊したりするので、ちゃんと清潔なぬるま湯にしてある。
ゆっくりと注入していくと、意外とすんなり入っていった。
 二本目を用意して、同じように注入する。三本目、四本目、五本目。まだ「無理」とは言われない。さらにゆっくり、六本目、七本目……十本を入れきって、アナルプラグをぐっと押し込んだ。
 彼女を立たせると、お腹が少しぽっこりしていた。五〇〇ミリリットルくらい入っているので、まあ当然か。

「お腹にばかり意識が集中するのはつらいでしょうから、ゲームをしませんか?」
「ゲーム……?」
 僕は洗濯ばさみを二つ持ってきて、彼女の胸に付けた。それから、S字フックをひっかけて、さらにそこに袋をひとつぶら下げた。弁当用の保温バッグだ。
「あっ、んんっっ!」
 その重さに身悶える。とはいえ、まだ先週の五円玉二十枚ずつよりは軽いはずだ。
「ここにね、僕と姫と、交互に物を入れていって、入れられなくなった方の負け、というゲームです。載せきれなくなっても、重さで洗濯ばさみが外れちゃっても負け。そうだな……勝った人は、『お尻を叩く権利か叩かれる権利』を得るってことにしましょう。じゃあ、僕から」
 彼女の返事を待たずに、袋の中に近くにあったペンを一本入れる。
「はい、次は姫の番ですよ」
 「や、んんっ、」と喘ぎながら、彼女は近くにあった割り箸を袋に入れた。軽いものを入れていくつもりらしい。
 軽いものを入れ続けても、それはそれで勝負が長引いて面白いのだけれど、僕はもう少し負荷をかけてやることにして、エアコンのリモコンを放り込んだ。わざと投げ入れたので、重さよりも衝撃に喘いでいる。
 加えて、お腹もゴロゴロしてきているようで、両方に耐えている様子がかわいい。
「姫の番ですよ」
 彼女は、もう一本割り箸を入れた。
 何度か繰り返して、そろそろ袋がいっぱいになってきてしまったので、この辺りで勝負に出ることにした。僕が手にしたものを見て、彼女は目を丸くした。
 僕が手にしたものは、五円玉が山ほど入っている缶だった。
「入れるよ」
 ずっしりとしたその缶の重みで、数秒は耐えたものの、じわじわと引っ張られ、ついに洗濯ばさみが外れた。彼女は、重さと洗濯ばさみが外れた時の衝撃で、悲鳴のように哭いた。
「ああ、僕の負けですね。お尻を叩く権利と叩かれる権利、どちらを選びますか?」
 そう聞いてみたものの、実は、洗濯ばさみは片側だけが外れて、もう片側は残っていた。袋が傾いたことで多くは床に落ちたが、袋といくつかの中身はまだ片方にぶら下がっている。彼女は、荒い息を吐きながら、まだその重さに耐えているところだった。
 それをあえて無視して、「叩くのと叩かれるの、どっちがいいですか?」と耳元で囁くと、「た、たかれる、の……」と答えた。こんな状況なのに、叩かれるのを選ぶとは、さすがは姫だ。
 じゃあ、と彼女をいつもの机まで歩かせる。片側の洗濯ばさみには袋がぶら下がったままで、歩くと揺れてさらに引っ張られる。袋が机に当たらないように注意しながら手をついたが、僕がバチン、と叩くと、衝撃で袋が机に当たった。
 お腹は浣腸中、お尻の痛みに、洗濯ばさみの痛み。
 机に手をついて、荒く息をしながら、必死で耐えている様子は、かわいくて、僕の嗜虐心をさらに煽る。
「そ、そろそろ……」
 と、彼女が小さな声で訴える。
「ん?」
「そろそろ、おトイレ、に……」
 時計を見ると、浣腸をしてから20分ほどが経過していた。たしかに、そろそろお腹はしんどいかもしれない。
「そうだね……」
 僕は言いながら、彼女の乳首にぶらさがっている袋を外し、洗濯ばさみも取る。
 安堵の表情を浮かべる彼女に、もう一度洗濯ばさみを留め直した。左右両方、S字フックも、袋も。
「え、あ、おトイレ、に……」
「うん、本気でダメなら行っていいよ。でも……」
 袋の中に、飲みかけで置いてあったペットボトルを入れる。
「もう一戦、頑張ってみない?」
 彼女の瞳が揺れる。葛藤しなければならないほど、本気でトイレには行きたいのだろう。けれど、彼女の中のマゾヒスティックな部分が、それを押し留めようとしている。
 僕は、彼女の瞳を見つめながら、机の上に置いてあったペンケースも袋の中に入れた。
「大丈夫、早く終わればいいんだよ。自分で重たいものを載せれば、早く終われるよ?」
 縋るような目で葛藤していた彼女は、こくり、と頷いた。
 机の上に置いたままだった本を手に取り、恐る恐る袋の中へと入れる。しかし、それだけでは到底ゲーム終了にはならない。
「いくつ載せてもいいよ」
 ニヤリ、と笑って言うと、彼女は周囲を見回した。
 あまり歩きたくないのだろう。まずは机の上を見るが、袋には入らなさそうなノートパソコンと小物入れくらいしか残っていない。さらに首をまわして、少し離れた場所に転がっている、五円玉の缶に目が留まる。なるほど、さっき洗濯ばさみを飛ばしたアレなら、すぐにゲームを終了できるかもしれない。
 そろそろとゆっくり歩いて、缶に手を伸ばす。前かがみになると、袋がぐっと乳首を引っ張った。「んんっ!」とこらえながら、なんとか缶を取り上げて、そろそろと袋に入れた。
 しかし、予想に反してゲーム終了にはならなかった。胸の形を大きく変えるほどに強く引っ張ってはいるが、そろそろと置いたためにまだ洗濯ばさみは乳首を捉えていた。
 とはいえ、あの缶はそうとう重い。
 彼女は、乳首を引っ張るその重みに、その場で喘いだ。次を探さなければならないのに、脚が動かない。
「あっ、んんっ、痛っ……ああんっ」
「仕方ないですね。手伝ってあげますよ」
 僕は逡巡して、キッチンから買い置き用の料理酒を持ってきた。一・五リットルがまるまる入っている。
 彼女を膝立ちにして身体を前傾姿勢にした。重いものが多いので、足の上に落ちると危ない。ガコン、と勢いよく入れてやると、パチン、と音がしてようやく洗濯ばさみが飛んだ。
 涙目になっている彼女を、お姫様抱っこしてトイレまで運ぶ。
 汚いのは嫌だと言っていたので、トイレに座らせて僕は出てきたのだが、しばらくしてトイレの中から声がした。
「ちからが、入らなくて……プラグが、抜けない、の……」
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