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【3.あのときからずっと 】ないしょのはなし
ないしょのはなし(6)
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頬は紅潮しており、くだんのやり取りがよほど面白かったとみえる。
声も幾分かすれていた。
「……星歌ちゃん、はじめて喋ってくれたね」
「うっ!」
シマッタとばかりに両手で己の口を押える星歌。
「しゃべらないって決めてたのに! 私はいつも、ツメがあまい……」
今度は行人は静かな笑い声をあげる。
「うれしいよ。星歌ちゃんとお話できて」
「うっ、それは……私はべつにおはなしなんて……」
ついに星歌はあきらめた。
「いいよ。おなじ年なんだし、私のことは星歌ってよびなよ。そのかわり、おまえのことも行人ってよびすてするからね」
おまえ呼ばわりされたのに、行人の顔に笑みが弾けた。
「星歌ちゃ……星歌はこんなとこで何してたの?」
言われ、彼女は「義弟」のために人差し指をかかげて、それをぼんやりした空へと向ける。
「おほしさまを探してたんだよ。私のいたところにはいっぱいいっぱいあったのに、ここにはひとつもないんだもん」
声も幾分かすれていた。
「……星歌ちゃん、はじめて喋ってくれたね」
「うっ!」
シマッタとばかりに両手で己の口を押える星歌。
「しゃべらないって決めてたのに! 私はいつも、ツメがあまい……」
今度は行人は静かな笑い声をあげる。
「うれしいよ。星歌ちゃんとお話できて」
「うっ、それは……私はべつにおはなしなんて……」
ついに星歌はあきらめた。
「いいよ。おなじ年なんだし、私のことは星歌ってよびなよ。そのかわり、おまえのことも行人ってよびすてするからね」
おまえ呼ばわりされたのに、行人の顔に笑みが弾けた。
「星歌ちゃ……星歌はこんなとこで何してたの?」
言われ、彼女は「義弟」のために人差し指をかかげて、それをぼんやりした空へと向ける。
「おほしさまを探してたんだよ。私のいたところにはいっぱいいっぱいあったのに、ここにはひとつもないんだもん」
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