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【3.あのときからずっと 】ないしょのはなし
ないしょのはなし(5)
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「ちっ、ちがうから!」
星歌は顔を赤らめる。
「いまの、オナラじゃないからっ! 口がプッっていっただけ!」
玄関灯と家から漏れる光の中で、行人がチラッと彼女を見やる。
口元を微妙に震わせながらウンウンと頷く仕草を繰り返すが、笑いをこらえているのは瞭然だ。
「ちがうって! ほんとに口だもん!」
「………………ウン」
「しんじてないでしょ? こうやって口をプクッってしたら音でるもん。もっかいやるよ? ほら、プッ!」
「………………」
ダメだ。また俯いてしまった。
全身がプルプル震えている。
笑うなら、むしろ大きな声で笑えばいいのに。
声をあげないところ──そこが新しくできたこの義弟の可愛くないところなのだ。
「…………だね」
「えっ、なに?」
ひとしきり笑いをこらえることにエネルギーを費やしていたらしい行人、ようやく顔をあげた。
星歌は顔を赤らめる。
「いまの、オナラじゃないからっ! 口がプッっていっただけ!」
玄関灯と家から漏れる光の中で、行人がチラッと彼女を見やる。
口元を微妙に震わせながらウンウンと頷く仕草を繰り返すが、笑いをこらえているのは瞭然だ。
「ちがうって! ほんとに口だもん!」
「………………ウン」
「しんじてないでしょ? こうやって口をプクッってしたら音でるもん。もっかいやるよ? ほら、プッ!」
「………………」
ダメだ。また俯いてしまった。
全身がプルプル震えている。
笑うなら、むしろ大きな声で笑えばいいのに。
声をあげないところ──そこが新しくできたこの義弟の可愛くないところなのだ。
「…………だね」
「えっ、なに?」
ひとしきり笑いをこらえることにエネルギーを費やしていたらしい行人、ようやく顔をあげた。
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