星降る世界で君にキス

コダーマ

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【2.砕け散る星】夜空に降る涙

夜空に降る涙(9)

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「それで?」

 肩に置かれた手の力が強くなる。
 力を抜けば行人の胸にもたれかかってしまいそうで、星歌は地面に足を踏ん張った。

「こんな時間に、こんな人通りのない所で、うちの義姉に何か用ですか」

 冷たい声。
 敵意は翔太に向けられたものだ。

「ち、違うよ?」

 言い訳するように呟いてから、星歌は一体何が違うのか自問する。
 翔太は忘れていたスマートフォンを届けてくれただけだ。
 なのに何故、行人に対してこうも後ろめたい気持ちになるのか。

 それに、翔太にだって悪いではないか。
 彼は純粋に、ただの親切心で動いてくれた。今だって、こんな邪気のない笑顔で──。

「しょ、翔太?」

 少年のようにも見える目の前の男。そのキラキラ輝く瞳は幾分細められ、真っすぐな笑顔を作っていた唇は歪められている。
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