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既婚女性と独身男性との恋
潤い(5)
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その朝、由美子さんは落ち着かずソワソワしっ放しでした。
あれから豊とのやり取りが始まり、ちょうど2週間が過ぎましたが、いよいよ今日、会うことになったのです。
待ち合わせの表参道駅に約束より早く着いてしまった由美子さん。普段着ない特別なワンピースに身を包み、ショーウィンドウで何度も自分の姿を確認してしまいます。
(こんなおばさんで、本当に大丈夫かしら……)
若いカップルや同世代の夫婦(または恋人?)が行き来する表参道。ドキドキする気持とは裏腹に次第に不安が強くなり、間もなく約束の時間となるところで、「やっぱり……会うのはやめておこう」と決め、バックからスマホを取り出しました。
その瞬間、でした。
「マリン、さん……ですよね?」
背後からの声に振り向くと、スーツを着た爽やかな笑顔の男性がいました。
「あ、はい……ゆ、豊さん、ですか?」
「すいません、お待たせしたみたいで。実は僕、表参道に来たの初めてで(笑)」
実際に会う豊さんは写真で見た以上に素敵な男性でした。
「お店を予約しておいたので行きましょうか」
豊さんの声にこくりと頷き、2人並んで歩き始めました。途中、何か話したのは覚えていますが、想像以上に素敵な男性だったせいか、由美子さんはフワフワとした気持ちで何を話したのか覚えていませんでした。
ただ、ひと言だけ、豊さんが発したその言葉が頭に強く残っていました。
「素敵な女性で良かった」
続
あれから豊とのやり取りが始まり、ちょうど2週間が過ぎましたが、いよいよ今日、会うことになったのです。
待ち合わせの表参道駅に約束より早く着いてしまった由美子さん。普段着ない特別なワンピースに身を包み、ショーウィンドウで何度も自分の姿を確認してしまいます。
(こんなおばさんで、本当に大丈夫かしら……)
若いカップルや同世代の夫婦(または恋人?)が行き来する表参道。ドキドキする気持とは裏腹に次第に不安が強くなり、間もなく約束の時間となるところで、「やっぱり……会うのはやめておこう」と決め、バックからスマホを取り出しました。
その瞬間、でした。
「マリン、さん……ですよね?」
背後からの声に振り向くと、スーツを着た爽やかな笑顔の男性がいました。
「あ、はい……ゆ、豊さん、ですか?」
「すいません、お待たせしたみたいで。実は僕、表参道に来たの初めてで(笑)」
実際に会う豊さんは写真で見た以上に素敵な男性でした。
「お店を予約しておいたので行きましょうか」
豊さんの声にこくりと頷き、2人並んで歩き始めました。途中、何か話したのは覚えていますが、想像以上に素敵な男性だったせいか、由美子さんはフワフワとした気持ちで何を話したのか覚えていませんでした。
ただ、ひと言だけ、豊さんが発したその言葉が頭に強く残っていました。
「素敵な女性で良かった」
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